もやもやジェットのジャスパー

深水千世

文字の大きさ
9 / 11

さようなら、ジャスパー

しおりを挟む
 ふと眼が覚めると、ゾラは自分の家の庭に寝転がっていた。

「やっと起きたか」

 ジャスパーの声がしたが、姿はない。きょろきょろあたりを見回していると、ちょんと足に何かが乗った。

「ここだよ」

「やあ、ずいぶん縮んだね」

「君のもやもやは全部吹き飛んじゃったからね」

 ジャスパーは水道の蛇口から這い出てきたときの大きさに戻っていた。ネモの肉球くらいだ。

「パパとママは本当に僕のせいで牛になっちゃったの?」

 ジャスパーは小さな肩をすくめて見せた。

「自分で確かめてごらんよ。僕はもう行かなくちゃ」

「また会える?」

「さあね。会えるなら会えるし、会えないなら会えない。だから人生は面白いことばっかりなのさ」

「さようなら、ジャスパー。答えはくれないんだね。今度会うときは、もっと僕に人生を教えてね」

「さようなら、ゾラ。それは僕に教わることじゃないよ」

 ジャスパーの小さな体はノミのように高く跳ね上がり、垣根の向こうに消えてしまった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

雪の降る山荘で

主道 学
児童書・童話
正体は秘密です。 表紙画像はフリー素材をお借りしました。 ぱくたそ様。素敵な表紙をありがとうございました。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

ふしぎなえんぴつ

八神真哉
児童書・童話
テストが返ってきた。40点だった。 お父さんに見つかったらげんこつだ。 ぼくは、神さまにお願いした。 おさいせんをふんぱつして、「100点取らせてください」と。

ふしぎなリボン

こぐまじゅんこ
児童書・童話
ももちゃんは、クッキーをおばあちゃんにとどけようとおもいます。 はこにつめて、きいろいリボンをむすびました。 すると……。

少年騎士

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。

まぼろしのミッドナイトスクール

木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。

パンティージャムジャムおじさん

KOU/Vami
児童書・童話
夜の街に、歌いながら歩く奇妙なおじさんが現れる。 口癖は「パラダイス~☆♪♡」――名乗る名は「パンティージャムジャムおじさん」。 子供たちは笑いながら彼の後についていき、歌を真似し、踊り、列は少しずつ長くなる。 そして翌朝、街は初めて気づく。昨夜の歌が、ただの遊びではなかったことに。

処理中です...