確実にモブだけど、好きにさせていただきます!

万李

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あの後、それ以上の事は無く無事に入学式は終わり、それぞれの教室へ移動する。

クラス分けは学力に応じて決まる為、私はメリアローズ様と殿下と同じクラスだった。

そういえば、さっきのピンクさんはどのクラスなのかしら?
よくあるパターンだと、ヒロインも同じクラスにいておかしくないのだけれど、さっきの様子からして微妙な気もする。


入口に書かれていた座席表を確認して中に入ると、どうやらヒロインも同じクラスのようだ。
まぁそれはいいとして…。



「…あら?私の席…」



そうなのだ。
何を思ってなのか、ヒロインがメリアローズ様の席に堂々と座っているのだ。



「…きっと間違えたのか、席の確認をされてないんでしょうね」


席に近付き、声をかける。



「あの、そちらの席はメリアローズ様の席ですわ」



「は?」



「ですから、席間違えてますわよ」



「そんなはずないわよ。この席はクリストフ様でしょ?」



隣の席を指さしながら問われる。
殿下の席はわかってるのに、なぜ自分の席を確認してないのか。



「ええ、そうですけど」



「なら、私の席はここで合ってるわ」



「ちゃんと確認したのかしら?その席はメリアローズ様の席なのだけど。隣の席が殿下なら尚更」



「は?そんなわけ」



「何か揉め事かな?」



「殿下」



「クリストフ様!」



ガタンと音を立てて立ち上がり、殿下のそばに駆け寄る。



「あちらの方が、私が席を間違えてるといきなり怒鳴ってきて…」



「怒鳴ってなどいませんが」



「ひっ、睨まないでくださぁーい」



「元からこの顔なので」



確かに、よく言えば猫目の私は、少しつり上がり気味の目が冷たいとか、怖いとか言われることがあるけれど。



「ふむ。まず、リリアーナ嬢は教室でいきなり怒鳴るような令嬢ではないし、今だって睨んでいない」



「でもっ」



「それに、君が座っていた席は確かにメリアローズの席だ。私の婚約者なのだから、隣に座るのが当たり前だろう?」



「でもクリストフ様の隣はっ」



「というか、君に名前を呼ぶ許可を出した覚えはないんだけど?何を勘違いしているのか分からないけど、親切に教えてくれたリリアーナ嬢に対しての態度を、まず謝るべきじゃないのかな?誰だか知らないが」



「っ!?」



…あらあら、殿下も中々言いますわね。
目に涙を浮かべて殿下を見上げていた顔が、一瞬で凍りつきましたわ。



「マリアンヌ・ダクワーズ男爵令嬢ですよね?貴方の席は廊下側後ろのあちらの席ですよ」



殿下の後ろからそう声がして、マリアンヌ様は何故か私を1度睨みつけてから、指定された席へと向かった。



だから、そういうのは隠した方がいいんじゃない?

少し呆れてヒロインの後ろ姿を眺めていると、殿下の後ろからひょこっと先程の声の主が現れた。



あ…渡り廊下にいた…



「あの…ありがとうございました」



「いえ…」



…あら?全く目が合わないわ。



「ははっ、ユーリアスは相変わらず人見知りが治らないね」



そう言いながら、殿下は彼の頭をぽんぽんと軽く叩く。



外で見た時は気付かなかったけれど、背の高い殿下に比べて、彼は頭1個分程背が低く、私より少し高い位。



「それ、やめてくださいって何度も言ってるでしょう!」



濃い藍色の瞳で睨みながら殿下を見上げる彼を見て、胸がドクンと音を立てた。



はぅっ、かわいいっ!
睨んでるのに上目遣いになっちゃってるのも、恥ずかしいのか耳も少し赤くなってるのもっ!

はぁ、どうしましょう。
お顔も好みドストライクですわっ!



なんて、心の中で悶えているのを悟られないように笑顔を貼り付けていると、彼がこちらに向き直った。



「すみません、失礼しました。ユーリアス・グレイシアです。席も隣のようですし、よろしくお願いいたします」



グレイシア侯爵家の次男ですわね。殿下の側近で、とても優秀だと聞いた事がある。



「こちらこそ、よろしくお願いいたします。リリアーナ・ローズベルトですわ」



ようやく目が合って微笑むと、グレイシア様の口角がキュッと少し上がった。
かわいい。


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