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第2章
3
チェレスティーナの機嫌を悪くさせないように学園でも必死になっているようだが、フィオレンティーナはそもそも、そこまであの庭が人気で人がこぞって呼ばれようとしていることを知らなかった。
その辺も貴族らしい状態になっているだけに過ぎなかったのだが、ガーデンパーティーが行われている表舞台を見たことがないフィオレンティーナは……。
(チェレスティーナは色んな人に声をかけられて大変そうね。貴族の付き合いって、私にはよくわからないわ。あの子のセンスも未だにわからないわ)
規定の制服に髪飾りやブレスレット、首飾りなどをしてもいいことになっている。それでも、学生で授業に出席するだけなのだから、パーティーの時のように張りきる必要などない。
ないはずだが、チェレスティーナはそれがわかっていないようで、統一感の欠片もない物を付けていた。
更に休日は、センスの欠片もない私服に装飾品がプラスされるのだ。その酷さに本人は気づいていないようで、そこが相変わらず母親に似ていることがわかってフィオレンティーナはげんなりしてしまった。
逆に地味過ぎる私服しかないフィオレンティーナは、その地味さのせいで誰にも注目されないことをむしろ喜んでいた。これで、土いじりができたらもっとよかったが、汚しても目立たなくとも、そんなことをしていれば流石に目立ってしまう。
(貴族って、本当に厄介ね)
フィオレンティーナは、チェレスティーナがしていることが貴族らしい状態なのかと勘違いそうにもなったが、服装以外でのことだと思うことにした。まぁ、その辺にも異様ではあったが、貴族としては当たり前になっていることでもあったから、あながち全てが間違いではなかっただろうが、異様でもあった。
フィオレンティーナが、そんなことを思っていると周りからフィオレンティーナは益々誤解されることになっていっていることにも気づいていなかった。
チェレスティーナは、フィオレンティーナの方にガーデンパーティーの参加の話をされて、優遇してもらおうと貢ぎ物を渡されては困るとばかりにこんなことを言い始めたのは、フィオレンティーナに媚を売らせないためだ。
あの庭をフィオレンティーナが、台無しにしようとしていたとみんなに話して聞かせたのだ。
「あのお庭を……?」
「そんな風にするように見えないけど」
「は? 見えるでしょ?」
「そ、そうね」
チェレスティーナの言葉に思わず、ポロッと本音を言った令嬢は、すぐさまチェレスティーナの言葉に同意した。他の令嬢たちも、チェレスティーナがフィオレンティーナを嫌っているのを知って、知りもしないフィオレンティーナのことをボロクソに言うようになった。
それを聞いて、チェレスティーナは機嫌をよくしたのは、すぐのことだった。
フィオレンティーナのあれやこれやをチェレスティーナから聞いて、そして実際のフィオレンティーナを見て、チェレスティーナのいないところで令嬢たちは、色々と話していた。
「でも、それで婚約破棄になったんだから、本当なんでしょうね」
「そうよね」
庭を台無しにしようとしたのを裏付けるように婚約破棄になっているのだ。それだけではなくて、どのパーティーにも参加したことがないのだ。そういう令嬢なのだと思うのも、すぐだった。
「怖いわね」
「だから、あのガーデンパーティーで紹介しなかったみたいよ」
「そんな令嬢なら、関わらないようにしなきゃ」
「それがいいわ。チェレスティーナ様に嫌われたら、大変だもの」
それを聞いた令嬢の1人がぽつりと呟いた。
「でも、お母様は無理することないって、最近言い始めているのよね」
「私のお母様もよ」
「あそこのガーデンパーティーも、そろそろ潮時になりそうね」
そんな風に周りに厄介な令嬢として見られていることにすらフィオレンティーナは、全く気づいていなかった。
何より、チェレスティーナに良くしてもらおうとしていた令嬢たちは、それをしなくてよさそうだとなっていることにホッともしていることにも気づいていなかった。
それこそ、学園にいる間、チェレスティーナに媚び続ける日々を送ることになるのかと思って、げんなりしている者たちはかなりの数いた。
だが、それも雲行きが怪しくなっていた。その本当の理由を誰も知らないまま、どちらにしろ。子爵家の双子には、関わらないようにしようと思う者は、それなりにいた。
でも、それで後悔することになる日が訪れるとは誰も予想してはいなかった。
それこそ、当人が一番そんな未来が来ることになるとは思っていなかったが、どちらに媚を売っておくべきだったかを思い知ったのは、子爵家以外の貴族たちだった。
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