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そんなこんなで、凛の2回目の修学旅行は思っていたより散々だった。
(1回目よりも、素敵な修学旅行になると思っていたのが、そもそも間違えてた気がしてならないな。いや、楽しかったところがなかったわけではないけど)
「凛さん、今日も可愛いね」
「……」
「悠希。いい加減にしなよ」
「事実だろ」
「そうだけど」
結愛たち双子の会話に凛は、何とも言えない顔をしていた。
「凛も、面倒くさいのに好かれたな」
「……」
碧人にそんなことを言われて苦笑したくなった。いや、もう苦笑しかできてないかもしれない。
「ちょっと、それ、私も含まれてない?」
「事実だろ?」
「悠希と違って、面倒くさくないわよ」
「は? 待てよ。俺は面倒くさくないだろ。面倒なのは、こっちだ」
それに双子がギャーギャーと喧嘩を始めて凛は、おろおろとしていると他の生徒に呼ばれてると声をかけられて、そちらを見ると手をひらひらしている女ったらしで有名な修学旅行の班が一緒だった男子生徒がいた。
彼の名前は、一条蒼空。クラスは違うが、彼には以前凛は学校で会ったことがある。
出会いは、庭だった。彼が昼寝しているのに気づかずに踏みしめてしまったのだ。あまりにも思いっきり踏んだこともあり謝り倒していたら、班を一緒にしてくれればチャラにすると言われて、それを結愛たちに話して同じ班になることになったのだ。
もっとも、凛たちの班に入ったとわかって、先生には……。
「あいつが、修学旅行に行く気になってくれたのは、お前のおかげだ」
「え?」
(なんのこと??)
「班のよしみで面倒みてやってくれ!」
「はぁ」
そんなことを言われてしまったが、あの手を繋いだりしたが、夕方のミーティングには現れず、帰る頃になって合流して、行きたいところを満喫していたことを知って凛は思わず……。
「心配したんだよ!」
「……」
「どっか行くなら、連絡してからにして」
怒るよりも、心配したと言った凛に蒼空は驚いた顔をしていた。
「俺の心配してくれてたの?」
「そうよ」
「そっか」
「……何で、嬉しそうなの??」
嬉しそうにして、凛に謝ってきた。その後で、どこに行ったのかと聞いたのが、益々嬉しかったようだ。
買った土産を凛にあげると言い出して丁重に断るのが大変だったが、先生には無事に行って帰って来ただけでも、凛はよくやってくれたと褒められた。
(そこまでなんだ。……今までに周りにいなかったタイプだな)
そんなことがあって、悠希が双子の片割れのクラスまでやって来て入りびたるのは、いつものことになったが、蒼空もたまにやって来るようになっていた。
凛が呼ばれて、彼のところに行くまでに色んな女子生徒が、蒼空に声をかけていたがそつなく応対していた。
(みんな、元カノとかなのかな?)
凛は、そんなことを思ってたどり着いた。
「気になる?」
「え?」
「元カレか、どうか」
「……別に」
気にはなるが、付き合ってもいないのだ。それになんか楽しそうにしているのが嫌で、凛は素っ気なく返していた。
「おい、蒼空。んなとこで、何してんだよ」
「そっちこそ、クラスが遠い癖に何してんのさ」
凛は呼ばれるたび、何で呼ばれたのかがわからないままになって、放置されるのもいつものことだった。
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