私より婚約者に詳しい男爵令嬢に同じ物を贈っているのに浮気を認めないまま婚約破棄となりまましたが、彼はその後も認めていません

珠宮さくら

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(ミケーレ視点)


王太子がなんで助言してくれたのかがわからなかった。ただのお人好しには見えなかったが、私が王女と婚約することになってからは、ただのシスコンだったのだと思った。

しかも、王女の恋路を応援するためにこんなことをしたのだ。そのために私に恩を売っておいて、王女を任せることにしたのだ。断れるわけがない。

だからこそ、ステファニアもあんなにあっさりとわかってくれたのだ。私が将来、出世することは間違いないから、ステファニアならわかってくれると思っていたが、彼女からしたら複雑なものしかないから嬉しそうにしてくれるわけがない。当たり前のことだ。

それはわかるが、彼女の姉が留学してからどんどん溝が生まれている気がしていた。だから、婚約する頃合いだと思って話を振っても反応はいまいちだったから、丁度よかったのは間違いない。

私は跡継ぎにもなれて、あの厄介な兄を追いやって、婚約者が王女になったことで、兄を超えたのは間違いない。

相変わらず、兄は婚約している男爵令嬢のことをボロクソに言っていて、彼女がやったことだと思っているようだ。間抜けなところもいいところだ。あんなのに私が負けるわけがなかったのだ。

それに比べて私は王太子に味方され、王女とも婚約できた。これで、幸せになることは間違いない。なれないわけがない。そう思っていたが、婚約してから、こんなことを王女は言った。


「私、他に好きな人がいるから」
「え……?」


突然、そんなことを言われて不自然に固まってしまった。


「聞こえなかった?」
「いえ、聞こえていましたが……」
「なら、わかるでしょ。彼と婚約するのに時期が悪いから時期が来たら、あなたと婚約解消する。そのつもりでいて」
「……なぜ、私と婚約したんですか?」
「お兄様が、恩を売っているから何をしても怒れはしないって言っていたからよ」
「っ、!?」
「あの人に恩を売られるなんて相当よ。人を都合よく使うのなんて何とも思わない人だもの」


王女の言葉に私は頭の中が真っ白になった。

私が思っていた理由で王太子が、あんなことを手伝ってくれたのではなかったのだ。

なら、何のためにそんなことをしたのかと思えば、都合よく使える駒を持つためだったのは、王女の言葉からも一目瞭然だった。

最悪すぎる。そんなことで、ステファニアとの婚約をなしにしてしまったことに今更になって後悔したが、それでも解消になったらステファニアと婚約すればいいと思ってやり過ごすことにした。

でも、王女の言う通りにした後にはステファニアは別の子息と婚約していて、幸せそうにしているのを見ることになった。彼女が婚約したのが、公爵子息だったこともあり、破棄や解消をさせるなんてできなかった。

王女は私と婚約を解消してから、ステファニアの兄のオルランドと婚約をして、それにぎょっとした。


「は? どうなってるんだ??」


その上、ステファニアの姉のオルテンシアは留学先で王太子と婚約していることもわかった。。

それを知ってあまりに腹が立ってしまって、伯爵家の3兄妹たちの婚約をめちゃくちゃにしてやろうとしたが、そこで兄をはめたのが私だとバレることになった。


「お前は、なんてことをしてくれたんだ!」
「父上。違うんです。あれは……」


バキッ!


「っ!?」
「お前のせいで、私はオルテンシアと婚約破棄することになったんだぞ! どうしてくれるんだ!!」


兄に殴られたことで、ステファニアと王太子が関わっていることを話すことができなかった。殴られたことで鼻血を出してしまい、それでも怒りがおさまらない兄にボコボコにされてしまったせいだ。

兄に似せて変装してオーダーメイドを注文したりしたことがバレることになって、言い訳も本当は何があったのかも全部話す前に跡継ぎから外されることになっただけでなくて、とんでもないことをしたとして、勘当されることになるまであっという間のことだった。

兄の時と同じく何を今更言っても聞いてもらえることはなかった。


「くそっ、これが狙いだったのか!」


私ははめられたのだと思っていたが、この国の王太子もいつの間にか隣国の王太子から婚約者であるオルテンシアを奪おうとしていたことがわかって、王太子の地位を奪われて散々な目にあっていた。

つまりは、あの元王太子となった男は、オルテンシアのことを狙っていたということが真相のようだ。

それにまんまと利用されていたことを勘違いして、こんなことになってから知ることになったが、後の祭りでしかなかった。


「王女でなくて、ステファニアを選んでいたら、こんなことになっていなかったのに」


そう思わざる終えなかったが、彼女を選んでいても愛が冷めていたことにも気づくことはないまま、全然違うところで後悔ばかりすることになった。


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