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(オーギュスト視点)
ルベロン国で、不細工な王女と言われていた彼女のことを私は、幼い頃に見かけたことがあった。
「っ、」
たまたま見かけた彼女に一目惚れをした。王女の誰かだと思って、側妃たちの王女ばかりを見たが、その中に彼女はいなかった。
その誰もが、この国の令嬢たちよりも可愛らしく美しくなると言われていたが、私が見た彼女には程遠く見えた。
本物の美しさを誰も知らないとすら思った。美しいという言葉は、あの少女のためにある。
「なら、彼女が第1王女……?」
彼女は、王妃と同じく部屋から出て来なくて、不細工ではないはずだから、身体が弱いのではないかと思って私はずっと心配していた。
なのに周りはあることないことを平然と言っていた。特に側妃たちの子供たちは、自分たちどころか。他の誰よりも不細工だから、顔を出せないとばかりにしているのに腹が立って仕方がなかったが、何もしなかった。
「全く、王妃が病弱なだけでも頭が痛いのに。王女までも引きこもっていて不細工とは」
「全くですわ。国王陛下も、他の側妃たちをたくさん娶ってお心を沈めようとしているようですし、お飾りの王妃などいなくなってしまえばいいのに」
私の両親が、そんなことを言っていた。それに殺意を覚えてしまったが、何もしなかった。
ただ、あの方に一目会えたら、ずっと隣にいられるようにどうにかできないかと頭を悩ませる日々を送っていた。
そんな時に第1王女の護衛が減らされたことを知った。なぜなのかと思えば、部屋にいなかったようだ。
そこからだ。もう、忘れるべきなのではないかと思っていたところで、彼女を見つけた。あの人が、学園にいた。
王太子に抱きしめられているのに王女ではなくて、そういう関係の令嬢なのかと思って、どうして王太子を潰してやろうかと思っていたら、やはり王女だった。
抱きしめられている以上に平手打ちされている王女を見る方が辛くて堪えられなかった。
それが一度だけならまだしも、何度も続くのに堪えられなかった。彼女が、それを受けるべきもののようにしていたからだ。
もっと別のことで話しかけようとしていたのにあんな風に話しかけてしまったが、それでシャルレーヌ様の気が引けたようだからよかった。
その後も、シャルレーヌ様に嫌われないようにしていた。美しすぎる尊顔を見逃すまいとしつつも、望むことや気の利いたことを言うと物凄く喜んでくれるのだ。
その笑顔を見れるのは、私だけだ。王太子は、兄としては頼り甲斐がないと判断したようでよかった。
ついつい余計なことまで話してしまったが、それでも彼女がやりたいことをやって嬉しそうにして、私のことを使ってくれるだけで満足だ。
そのためにも、王太子には王太子の評判を今より改善させて、相応しい婚約者を側に置いてもっとちゃんとしてもらわなければ、私がシャルレーヌ様とイチャつけないとわかり、やりたくないが相応しいのを見つけることにした。
元婚約者の令嬢は勘当されたのだが、何やら王太子にそっくりな美青年がどこかにいると思って探しているようだが、それが誰なのかまでは行き着きそうもないので、ほっとくことにした。
私は、シャルレーヌ様と幸せになれれば、それ以外はどうでもいい。いや、シャルレーヌ様が幸せだと思ってくれているのなら、それで私も幸せなのだ。
そして、あの時、色々言っていた両親が手のひらを返したようにシャルレーヌ様と婚約したことで喜ぶ姿にさっさと田舎に引っ込めさせる算段を整える段取りもした。
シャルレーヌ様の視界にこんな残念なものを映し続けて義両親と呼ばせたくなかった。ただの自己満足にすぎないが、それができて満足だ。
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