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しおりを挟む「義姉さまが先の方がいいと思うの」
「え?」
「ふふっ、そうね。ほら、さっさとなさい。他の方々をお待たせしては駄目よ」
「……はい」
意地悪な義妹と義母は、フェリシティーが恥をかくのを楽しみにしているようだった。
それこそ、他の貴族たちもフェリシティーが出来損ないの令嬢だと知っているかのようにすら見えた。
きっと、それを理由にしてフェリシティーの父親は喪が明ける前に再婚したということにしたかったようだ。それこそ、みんなが見ているところで、魔力がいまいちだとか。学園には通えないレベルしかないと知られることは、恥でしかない。そんな緊張状態の中で、フェリシティーをトップバッターにさせようとするのも、義妹たちの意地悪に他ならない。
(まぁ、いっか。どうせ、結果は見えてるんだし)
が、フェリシティーが水晶に手を置くなりヒビが入り、神官たちや見ている者たちを慌てさせた。
「っ!?」
「怪我は?」
「だ、大丈夫です。でも、あの……」
「お気になさらず。あなたは、魔力が規定以上に十分あることがわかりました」
「え?」
神殿の中が、ざわつくこととなった。
ゼフィリーヌや義母や父が、物凄く驚いた顔をしてフェリシティーを見ていた。
「これを割る方は、王族の方か、公爵家の方ばかりでしたから、男爵家の令嬢なので油断しておりました。……あぁ、あなたの母君のお血筋を見過ごしていました」
大神官は、きちんと測定するのは王都に行ってからになるといい、フェリシティーは家族の元にではなく一番良い席に移動して座るように言われてしまい、フェリシティーはそわそわしてしまった。
(そんな、私にそんなに魔力があったの? というか、お母様の血筋って……?)
義妹たちは、憎たらしい顔をしてフェリシティーを射殺さんばかりに見ていたが、フェリシティーはわけがわからずに混乱したままで、それどころではなかった。
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