イケメンと婚約したい幼なじみは、私の悩みを欠片もわかっていなかったようですが、彼女の強引さのおかげで私は幸せになれました

珠宮さくら

文字の大きさ
4 / 12


マルジョリーの婚約者だった子息は、マリユス・ジオネと言う名前の顔だけはいい男だった。

マルジョリーが、見初めたわけでもなければ、見初められたわけでもない。

全ては勘違いから、婚約することになったのだ。それもありえないことだが、マリユスとではなくてマルジョリーの両親は彼の弟と婚約させようとしていたのを彼の両親は見た目がいい方の息子と婚約したいのだと勘違いしたのだ。

マルジョリーの家はマルジョリーが跡を継ぐことが決まっているため、跡を継ぎとなっているマリユスと婚約なんてさせるわけがないのだが、あちらはそれを全く知らずに手続きにはなれているからとしてくれたことで、気づいた時にはマルジョリーはマリユスと婚約させらていた。

それを知ったブリジットは……。


「マリユス様と婚約するなんて、マルジョリーが羨ましいわ」


本当にそう思っているかのようにマルジョリーに行って来た。マルジョリーにそんなことを言って羨ましがるのは、ブリジットのようにイケメンを婚約者にと思っている令嬢ばかりだった。


「どうやって、婚約させてもらったの?」
「え、ど、どうやってって、何が?」
「惚けないでよ。マルジョリーみたいな地味で冴えない令嬢が、あんなイケメンと婚約できるなんて親に頼み込んだんじゃないの?」
「……」


そう言って来たのは、ブリジットではなかった。流石にブリジットは、マルジョリーに直にそれを聞いては来なかったが、周りには両親がマリユスの家で何かしたに違いないかのように言っていたようだ。

何かしたのは、向こうだ。勝手に勘違いしたのだ。

マリユスは、両親が勘違いして婚約させたとわかっていながら、そのままにしたのは婚約したがる令嬢たちが多いせいが大きかった。

おかげで、マルジョリーはマリユスの浮気相手の令嬢たちにどれだけ意地悪いことをされてきたことか。


「何で、あなたみたいな地味なのを婚約者に選んだのかしらね」

「信じられない。こんなのに私が負けるなんて」

「あなた、彼のことを脅したの?」


そう、1人になれば、それを見計らったように嫌味を言われた。それが嫌なのもあり、マルジョリーはそんなことを言わない令嬢たちといるようにしたが、それがブリジットの悪口を聞くことになってしまって、マルジョリーには居心地のよい空間はルシス国の学園には少なかった。

そのうち、あからさまな浮気が目立つようになっていった。


「その日は、出かける」
「……」


先約があると言っても婚約したのだ。その自覚が全くないマリユスは、浮気相手との先約を優先し続けて、誰と出かけるとも言わずにそんなことを言うせいで、断られた浮気相手たちは、マルジョリーと出かけるのに忙しいとみんな勘違いしたのだ。

勘弁してほしい。マルジョリーは、婚約してからマリユスと出かけたことなどない。そうないのだが、浮気相手たちはみんな婚約者が独占していると勘違いして、マルジョリーの話を全く聞こうともしなかった。

それは、ブリジット以上に煩わしいものだった。一対一ならまだしも、浮気相手が複数いるせいで、ブリジットのようなのが何人もいるかのようになっていて、それにどれだけ迷惑と苦労をさせられてきたことか。

そのうち、マリユスの母親にこんなことをマルジョリーの母親が言われ始めたのだ。


「婚約したからって、息子に強請りすぎではないかしらね」
「え?」
「あら、ご存じないの?」


そこから、ネチネチとマルジョリーの母は、嫌味を言われたようだ。


「マルジョリー!!」
「……はい?」


その日、怒り心頭でマルジョリーの母が帰って来て、マルジョリーはいきなり怒鳴られることになった。


「……つまり、マリユス様のお母様が私が婚約者に物を買わせすぎていると?」
「そうよ!」
「あの、私、未だに何一つ買ってもらったことがありませんけど?」
「は? 毎週出かけているのではないの?」


それを聞いてマルジョリーは、呆れた顔をしてしまった。母が1番マルジョリーが何をしているかを知っているはずなのにおかしなことを聞く。


「毎週って、お母様。私、休日はお母様と刺繍をしたり、お菓子を作ったりしているではありませんか」
「あら、そうね」
「……」


この母は天然なところがある。マリユスに言われるままにその通りだと思い込んで帰って来たようだ。

そんな母にマルジョリーは、ため息をつきたくなった。


あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

婚約破棄された悪役令嬢ですが、面倒なので全部放置します

かきんとう
恋愛
 王都の大広間に、どよめきが広がった。  天井から吊るされた巨大なシャンデリアが、何百もの蝋燭の光を反射し、きらきらと輝いている。その光の中心に立つ私は、妙に他人事のような気分で、その場の空気を眺めていた。 「エレノア・フォン・リーベルト! 私は貴様との婚約をここに破棄する!」  高らかに宣言したのは、第一王子であり私の婚約者でもあったアルベルト殿下だった。  周囲の貴族たちが一斉に息を呑み、次の瞬間には小声のざわめきが連鎖のように広がっていく。  ――ああ、ついに来たのね。

ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に

ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。 幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。 だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。 特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。 余計に私が頑張らなければならない。 王妃となり国を支える。 そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。 学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。 なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。 何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。 なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。 はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか? まぁいいわ。 国外追放喜んでお受けいたします。 けれどどうかお忘れにならないでくださいな? 全ての責はあなたにあると言うことを。 後悔しても知りませんわよ。 そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。 ふふっ、これからが楽しみだわ。

必要とされなくても、私はここにいます

あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。 けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。 口出ししない。 判断を奪わない。 必要以上に関わらない。 ただ静かに、そこにいるだけ。 そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。 張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。 何かを勝ち取る物語ではない。 誰かを打ち負かす物語でもない。 それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。 これは、 声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、 何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、 静かでやさしい結婚生活の物語。

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい

花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。 ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。 あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…? ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの?? そして婚約破棄はどうなるの??? ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。

婚約者の家に行ったら幼馴染がいた。彼と親密すぎて婚約破棄したい。

佐藤 美奈
恋愛
クロエ子爵令嬢は婚約者のジャック伯爵令息の実家に食事に招かれお泊りすることになる。 彼とその妹と両親に穏やかな笑顔で迎え入れられて心の中で純粋に喜ぶクロエ。 しかし彼の妹だと思っていたエリザベスが実は家族ではなく幼馴染だった。彼の家族とエリザベスの家族は家も近所で昔から気を許した間柄だと言う。 クロエは彼とエリザベスの恋人のようなあまりの親密な態度に不安な気持ちになり婚約を思いとどまる。

愛する人のためにできること。

恋愛
彼があの娘を愛するというのなら、私は彼の幸せのために手を尽くしましょう。 それが、私の、生きる意味。

刺繍妻

拓海のり
恋愛
男爵令嬢メアリーは魔力も無くて、十五歳で寄り親の侯爵家に侍女見習いとして奉公に上がった。二十歳まで務めた後、同じ寄り子の子爵家に嫁に行ったが。九千字ぐらいのお話です。