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(リーヴァイ視点)
あんな風に指輪まで買うためだけにわざわざ留学までしたというのに彼女は、たった1年で心変わりしたようだ。
一体、どこのどいつに心変わりしたというのか。腹が立って仕方がなかった。だから、解消ではなくて、破棄ならすると言ったら、それでもいいと言われて婚約破棄することになった。
散々、学園で口論していたから周りからは白い目で見られ、令嬢たちはヒソヒソと話していて、居場所がなかった。
そんな時にあの令嬢が、王太子に見初められたとかで婚約をした。
やっぱりなと思った。元婚約者の次に素晴らしい令嬢だと思った。留学していた時は可愛らしい令嬢たったが、たった1年で美しい令嬢になっていた。やはり、私の見る目に変わりはなかった。
従兄に教えたのだが、何を勘違いしたのか。自分で自分の首を絞めるかのように自滅してしまった。せっかく教えたのに恨まれてしまっていて、本当にわけがわからない。
元婚約者と破棄になったのだから、彼女と婚約するのもいいなと思っていたが、間が悪かったようだ。
こんなことになるなら、粘らずにさっさと破棄すればよかったと思わずにはいられなかった。元婚約者の令嬢より、留学して来た令嬢の方が見た目からしても好みだった。指輪も、そちらにやっていたら、今頃はこんなことになっていなかった気がしてならない。
それにしても、元婚約者はどこのどいつと婚約する気なんだ?
イライラしながら、元婚約者のことが話題にならないかと思っていたが、話題に出るのは王太子たちのことばかりだった。
「本当にお似合いよね」
「そうね。あちらが、本物ってことよね」
令嬢たちは、本物だと言っていた。そして、私のことをチラッと見てきたから、偽物だと私たちのことを言いたかったのだろう。
これも、元婚約者のせいだ。ったく、何で私がこんな目に合わなければならないんだ。数ヶ月前までは、私がこの学園では一番婚約者のことを思っているできる子息だったはずなのに。
「は? お前の元婚約者?」
「何を言ってるんだ? 彼女なら、修道院に入っただろ」
「え……?」
あまりにイライラして元婚約者のことが、どうなったかを友人に聞いたら、そんなことを言われてわけがわからなかった。
なぜ、修道院に? それではまるで失恋したみたいてはないか。そこまでしてカモフラージュしたいのか?
「お前が、王太子と婚約した令嬢のこと何かと見ていたから、気があると思ったんだろ」
「は?」
「まぁ、あれだけ見ていれば、無理もないだろ」
私は、それにわけがわからない顔をした。だって、その頃は気なんてない。利用できるかもしれないと思って見てはいたが、惚れたからではない。前の婚約者だった令嬢も、私の隣に居続けるのに丁度よかっただけにすぎない。
「だが、殿下と婚約したんだ。あんな風に破棄したのに残念だったな」
「何を言ってるんだ。婚約破棄になったのは、あいつが心変わりしたからだ」
「お前こそ、何言ってるんだ。心変わりした令嬢が、破棄になった途端、修道院に入ったりしないだろ」
「っ、」
そんなわけないと思ったが、その通りで全ては勘違いでしかなかった。
それなのに私は、とんでもない誤解をして口論して心変わりしたのは彼女だと思い込んで、こんなことになってしまったことに呆然としてしまった。ただの勘違いなのにそれを解こうとせずに思い込んだままに口論し続けるなんて、どうかしていた。
くそっ! あの姉妹に関わったせいだ。こんなことなら、関わらなければよかったんだ。そう思っても何もかも遅かった。
だからといって、リーヴァイのように身の破滅となることまではできなかった。なにせ、彼女は王太子に見初められたのだ。もう、無闇に見つめないことが一番いいと思ったが、時既に遅しとは思いもしなかった。
王太子が、婚約者に気があると勘違いされてしまっているとは思わなかった。周りの子息が気づくくらいなのだ。王太子が勘違いしてもおかしくなかったことがわかるまで、王太子の婚約者をわざと避けていたのも誤解を増長させていたとも知らずに散々な人生を送ることになるとは思わなかった。
見た目の良い令嬢なんて、利用するものと思っていたのに。こんなことになるなら、見目の良さなんかより利用し続けるのが簡単な奴にしておけばよかったと後悔ばかりした。
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