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しおりを挟む王妃の主催するお茶会に到着すると姉と妹は、シーラからすぐさま距離を取った。知り合いの夫人に挨拶をして、眉を顰められていた。
(挨拶するなら、王妃様からにしなきゃいけないのに。それにお母様の代わりに来ているのだから、挨拶の言葉も態度も気をつけなきゃいけないのに。そんなことも知らないみたいね。話しかけられたご夫人は、物凄く困っているじゃない。なんて、迷惑なのかしらね)
シーラは、端の方に佇んでいた。
「何を考えているのかしらね」
「いくら、何でも、あの服でここに来るなんて常識がなさすぎるわね」
シーラは、王妃主催のお茶会につくなり色んな人たちにひそひそと噂されて、散々なことを言われていた。
(……やっぱり、これで来たのはまずかったかも)
シーラは、そんなことを思い始めていた。
やはり、いくら王妃の出身国でも、ここでは目立ちすぎる。何より、この国でそれをやるなんて、どうかしていると思われても無理はないのだ。
(でも、これしかなかったのよね)
シーラは、王妃の主催するお茶会で、そんなことをわざわざすることを色々と言われても、言い返せはしなかった。
「あの令嬢は?」
「子爵令嬢のシーラ様です」
「……あぁ、この間、母君を亡くした令嬢ね」
王妃は、そんなシーラのことをじっと見ていた。
「全く、喪中だというのに何を考えているのやら」
「全くですわ。姉と妹は、きちんとした服を着ているというのに」
「……」
一人の夫人の言葉に周りのご夫人たちは、は?とか、え?という顔をして、その夫人を見ていたが、見られている夫人は気づいていないようだ。
「王妃様のお茶会に出席できると浮かれたのね。あんなのが身内にいたら、恥をかくだけだわ」
「……」
王妃の近くにいる夫人たちの多くは、怪訝な顔をして、ペラペラと話す一人の夫人を見ていた。
それぞれが、この方は何を言っているのだと言う顔をしていたが、そんな周りの視線にも気づいていないようだ。
「あの子を呼んでちょうだい」
「かしこまりました」
王妃は、お茶会に来た面々にいつも通りに順番に挨拶を許す前に席につくなり、シーラを呼んだのだ。
「え? あの、私だけですか?」
呼びに来たメイドは小さく頷いていた。
(私だけ……? こういう時って、姉妹で呼ばれるもののはずなのに)
シーラは動揺しながらも、カーテシーをして頭を下げた。本来なら、長女のアルヴァが当たり障りのない挨拶を言うはずだが、シーラだけなのだ。自分がしなくてはと思ったのだが、その前に王妃の側にいた夫人に遮られてしまったのだ。
「王妃様の前で恥ずかしくないの?」
「っ、」
「他の姉妹が、恥をかくことくらいわからないのかしらね」
「……」
「嫌だわ。こんなのと息子が婚約しているなんて、私まで恥をかかせないでちょうだい。そのベールも何なの?」
(それを自分でわざわざ言うのね。相変わらずだわ。この髪の色を綺麗って言わない人なのよね)
シーラは、その声だけで婚約者の母親だとわかってしまって眉を顰めたくなってしまっていた。
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