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しおりを挟む学園でも、シーラが王妃に取り入るためにとんでもないことをしたと悪口を言われていた。誰が話して広めていたかなんて、すぐにわかると思うが、アルヴァとリネーアとラーシュだ。
それこそ、シーラは喪中などちっともする気のないという姉と妹の言葉を真に受ける者などいなかったが。
アルヴァとリネーアは、喪中期間になって1ヶ月を少し過ぎた頃に二人は我慢の限界となったようで、外に以前にも増して派手めな格好をして出かけようとばかりしていた。そんな二人と出かけたくない面々が、忙しいと距離を置いていることにも姉と妹は気づいていなかった。
リネーアは、ラーシュと婚約していたが、外に出かけることもあまりしなかった。最初は、家にもよく呼んでいたようだが、流行りの服を新調してやって来る婚約者に思うことがあったようだ。
ラーシュの父親は、喪中なことを知っていて妻と息子が婚約破棄のみならず、その妹と婚約させたと知って大喧嘩となっていた。そんなことを知らないリネーアが、彼の父親を家で見つけたことで、気に入られようとしてそんな格好で挨拶しようとして激怒されたようだ。
「喪中が明けるまでは、そんな格好をして出入りしないでくれ。喪に服す気はないのか?」
「え? でも、父はそんなことしなくていいって……」
「は? リネーア。そんなことを言われたのか?」
ラーシュは、そんなこと初めて聞いて驚いていた。その母親も同じような顔をしていた。
「えぇ、そうよ。だから、私と一番上のお姉様は、その通りにしているの。でも、すぐ上のお姉様ときたら、お父様の言いつけなのに地味な格好ばかりしているのよね」
「……」
そんな話をリネーアが、ポロッとしてしまったことで、更にラーシュと母親はとんでもないのと婚約したと怒鳴られことになり、彼らもそこまでとは思わなかったようだが、とんでもない時期に当主の了解も取らずに破棄をして、婚約を済ませてしまったのだ。そんなラーシュをその家の跡継ぎにしておくわけがない。
ラーシュも、その母親も、リネーアに騙されていたと訴えたところで、何もかも遅かったが、リネーアはラーシュの家に喪中が明けるまでは出禁となったことにふてくされて、そんな話を他の姉に話したのだが、アルヴァはリネーアに同情的だったが、ざまぁみろと思っていたようだ。その辺りは、そっくりな姉妹だ。
シーラは、遠い目をしてしまった。
(最悪ね。でも、あちらの父親の了解も得ずに婚約させていたとは思わなかったわ。でも、それも私に恥をかかされたのを許さなかったからよね。その恥の上塗りをしたことにようやく気づいても、息子が跡継ぎから外されることになるのは目に見えているわ。あとは、あの夫人も、そのままにはしておかないでしょうね)
ラーシュは、シーラに色々言ってくることはなくなった。目立ちたくないと言わんばかりになったが、それをリネーアが何かと引き合いに出したり話しかけたりするせいで、顔を赤くしたり、青くしたりと忙しそうにしていた。
(今更、大人しくしても、何をしたかなんてみんな知っているのに)
そんなことを思ったが、ラーシュがようやく常識の欠片もない令嬢と喪中期間に婚約したことの大変さを痛感することになったが、シーラとのように婚約破棄もできずにリネーアを大人しくさせようとして躍起になるも、それも叶わず仲の良かった友達にも無視されている姿に同情することはなかった。
(あれは、自業自得よね)
そもそも、跡継ぎからも外すと聞いていたはずのリネーアは、何かに機嫌が悪いだけだと思っているようで、大して気にしていないようだ。常識がなさすぎると他人が何でそこまで起こっているかもわからないようだ。
それに何とも言えない顔をしていたのは、シーラだけだった。
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