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しおりを挟む色んなことに耐えることになったシーラは、再び王妃主催のお茶会に招かれた。
シーラは、その日を心待ちにしていた。
(やっと、この日が来たわ!)
クローゼットの中の服に水をぶち撒けたようだ。だが、それでもまだシーラには余裕があった。
(やられたわ。こっちに隠しているのも、見つかっていたなんて)
シーラは、また服を隠されると思って、二人に知られないように隠して置いたのだが、家探しをしたようだ。
「やだ。家の中に雨でも降ったの?」
「きっと、お姉様の日頃の行いが悪いからね」
アルヴァとリネーアは、そんなシーラに嫌味なことを言っていた。
流石に頭にきて二人に怒鳴ろうとしたところだった。シーラに会いに客が来たのだ。
(? 誰だろう??)
シーラが、学園で酷い目に合っていると聞いていると聞いていたようだ。
「よかったわ。準備が済んでいたら、どうしようかと思っていたのよ」
「えっと」
シーラが、まだ着替えていないとわかるとにっこりと公爵夫人は笑ったのだ。
シーラをそこに行かせまいとあの手この手で妨害しようとする姉と妹と格闘することになっていると予測して迎えに来てくれたようだ。
夫人は、ここに来るためにじゃんけんをして勝ったようだ。それをこっそり聞いて、シーラは吹き出しそうになってしまった。
勝ち取ったことで、張り切って色々と準備してくれたようだ。それもこれも、全てが有り難いことだ。
「あなたのお姉さんの婚約者の子息が、私の従妹の息子なのよ。物凄く心配していたわ。私が、ここに来るって聞いて、学園でのことを教えてくれたわ。喪が明けるまでは、あの子が表立ってあなたを庇うともっと大変なことになると思っているのよ」
「わかっています。あの、感謝しているとお伝えしてくださいますか? それに他にも色々とご迷惑ばかりおかけしてしまって、申し訳ないと。私なら、大丈夫ですから」
「えぇ、必ず伝えるわ」
小さな声で、そんな会話をしてから、これ見よがしに大きめの声で話し始めた。
「王妃様が、あなたを喪中に呼ぶのだからと気にされていたから、用意してみたのよ」
それを見て、シーラは微笑んでいた。
「この国の古くからある喪に服す色合いですね。王妃様のお茶会で正式に着る服ですね」
「流石ね! この色合いだけでわかるなんて、王妃様が認めるだけはあるわ。うちの息子たちのお嫁さんにほしいところだわ。でも、みんな結婚してしまってるのよね。……この際、誰か離縁させようかしら」
そんな気はないだろう。……ないと思いたいが、シーラは着るものが出来て喜んでいた。
(これを姉と妹にお母様は用意をしていたのよね。なのに色合いが気に入らないって、着もせずに捨てたみたいだし、本当に最低な人たちだわ)
ぽつりと従妹の息子なら、あなたとお似合いなのにと呟くのが聞こえた。
でも、シーラはそれが聞こえないふりをした。
そんなことになれば、益々迷惑をかけてしまうだけだ。
それよりも、シーラは扉の向こうで気配がバレバレで立ち聞きしている姉妹にため息をつきたかった。あれで、バレていないと思えるのだから、頭が痛い。
(……帰って来た時は、大変だろうけど。仕方がないわ)
親の敵のようにアルヴァとリネーアに睨まれていたが、シーラだけならまだしも、この家より格上の婦人に罵詈雑言を浴びせかけられずに悔しそうにしている姉妹が視界にちらちらしていた。
あれで、気づかれていないと思うのも、どうかと思うが、それが物凄く失礼なことなことにも姉妹は気づいていないようだ。シーラは、そんな姉妹が恥ずかしくて仕方がなかった。
「さぁ、できたわ。そろそろ行かないと遅刻してしまうわ」
それこそ、見えているはずなのに全く見えていないかのように夫人はシーラだけに話しかけて、そこから連れ出してくれた。
それこそ、挨拶なりしていればまだ良かったのだが、そんなこともせずにシーラを妬ましそうに見ている姉妹に夫人も気を遣う気はないだけだろう。
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