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伯母からの手紙の返事がもらえると思っていたシーラは、以前よりも別の理由で緊張しながら向かったのだが、そこにいたのは……。
シーラにそっくりな髪色をした女性がそこにいた。
「初めまして、あなたの母の姉のエルヴィーラ・バシュキルツェフよ」
「伯母様……? っ、初めまして、シーラ・ヘイデンスタムと言います。お会いできて、とても嬉しいです!」
あまりのことに動揺してしまい、とんでもない不格好な挨拶をしてしまった。
それに怒ることなく、エルヴィーラはにこりと笑ってくれた。その笑顔が、母によく似ていて、シーラは泣きそうになった。
「手紙をありがとう。あの子が亡くなったという知らせが、どういうわけか来なかったのよ」
「っ、」
(やっぱり)
シーラは、そうではないと思いたかったが、しっくりきていたことが本当のことだったようだ。
エルヴィーラは、懐かしそうにシーラを見ていた。
「あの子の小さい頃に似ているわ」
「あら、髪色だけじゃないわ。お転婆なあなたに似ていたら大変じゃない。シーラ嬢は、お淑やかで聡明な令嬢よ。お母様によく似ているわ。この色合いが、古くから喪に服す色合いだとすぐにわかったくらいだもの」
「それは、凄いわね。最近は、これより少し明るめなのよね」
「つ、」
シーラの家に来てくれていた夫人は、エルヴィーラのことをよく知っているようだ。
(そういえば、お母様のことも、よく知っていたわね)
「中身は、全然違うけど、血筋ね。こうして、並んでいると母娘に見えるわ」
「っ、」
「それは、嬉しいわ。私、息子しかいないんだもの」
「私もよ」
そこに王妃がやって来た。一斉にお喋りをやめて、カーテシーをした。
王妃は、シーラを見るなり手招きをした。
「?」
「呼ばれているわ。近くにお行きなさい」
エルヴィーラに言われて頷いた。失礼にならないように。それでも急いで近くによった。
王妃は、その側にいたエルヴィーラを見て手招きはしないが目線で同じように側に来るように促した。エルヴィーラは、それを察知してシーラの後ろに控えた。その髪には、ベールがつけられていた。髪の色をしっかり隠すものだった。シーラに会う時には、外していたが王妃に会うとなり、すぐさま付けたのだ。
本来なら、付けたままでいるものだが、シーラに会うのに髪の色を見せたかったようだ。
「シーラ。伯母上と会えたようですね」
「はい。王妃様と皆様のお力添えがあってこそで、ありがとうございます」
「積もる話もあるでしょう。別室を用意してあります。そこで、話すとよいでしょう」
「お心遣い感謝します」
エルヴィーラも、王妃に感謝して、婦人たちにも礼を言っていた。
嬉しそうに別室に向かうシーラと寄り添うエルヴィーラ。それを微笑ましく見送る面々は……。
「不思議ね。あぁしていると本当の親子にしか見えないわ」
「あの髪の色合いのせいで、もらわれ子のように言われていたそうですよ」
「まぁ、それは酷いわね」
「昔は、エルヴィーラも同じこと言われていたわね」
「あの頃のエルヴィーラは、凄かったわね」
王妃は、積もる話があると別室を用意させたが、それを聞いてしまえば、色々としたくなってしまうと思いあえて聞かない方向にしたのだが……。
「……それにしても、義姉に妹の死を知らせないだなんて、とんでもない殿方がいたものね」
「えぇ、私も驚きましたわ。知らなかったエルヴィーラを見ていられなかった」
そんな風には微塵も見せなかったエルヴィーラ。シーラを見て、もう会うことが叶わない妹を思い出して、泣きそうになっていただろうが、シーラが嬉しそうにするのを見て感激しているのも伺えた。
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