姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました

珠宮さくら

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たとえ、今はシーラの養父母の国の王弟殿下の子息だろうとも、ヴァジムの幼なじみだろうとも、シーラは許せなかったのだ。


(まぁ、おかげで王女は留学するのに足りないところが見つかって必死になっているようだから、留学して来たら、嫌味な応酬になることは確実だけど)


シーラは、色々ありすぎて王女とは話せないまま、こっちに来てしまっていた。

でも、王妃主催のお茶会では、王女の名前は出せなかった。出せば、あそこに王女までも巻き込んでしまうことになる。


(巻き込んでも、怒ったりなさらないだろうけど)


「あ、いや」
「それに1年の留学のはずが、数ヶ月で試験も受けずに帰国されていましたし、こちらではそれで普段通りにできるんですね。私、こちらに編入するので、試験があるものと思い込んでしまって、養父に家庭教師をたくさん雇っていただいたのですけど、試験がなくて驚いてしまいました」


シーラは、これ見よがしにそう言った。ヴァジムが、それに納得がいった顔をしたのは、すぐだった。


「あれは、そういうことだったのか」
「えぇ、こんなに違うとは思いもしませんでした。スヴェーア国では、授業の出席日数も、授業態度も、評価されますから。私が、お世話を任された方は、あまり授業に参加されていなかったようで、必須の科目だけは落としたら、留学していても意味がなくなってしまうと思って、数回話をかけていたんです。でも、必要なかったようですね」
「っ、」


ゲラーシーは、シーラの言葉に何も言い返せずに視線を彷徨わせていた。その辺りのことも知らなかったようだ。


(結局は、留学生の評価なんて0点どころか、褒められるところなんて何もなかったのよね)


ヴァジムは、部屋に閉じこもって勉強に必死になっていたシーラを思い返して苦笑していた。ゲラーシーが、とんでもない嘘つきだとわかったところなのだが、シーラがいたところの方が、ここよりよほど厳しいことにも驚いていた。


「何、あれ」
「身分を知って散々、迷惑していたと聞いていたのに。全然、違うじゃない」
「スヴェーア国に留学すると聞いたから、それなりの評価がほしくて行ったと思っていたが、もう帰って来ているのにおかしいと思ったんだ」
「この国の恥を晒しただけじゃないか」


ゲラーシーは、周りの声が聞こえたようだ。シーラに誤解だと言っても言わなくとも、嘘つきなことには変わりない状況になっていた。シーラに何か言う気にもなれず、ましてやこれ以上何か言われる前にそこからいなくなる方が早かった。


(ちょっぴり、スッキリしたかも)


でも、それもこれも微々たるものにすぎなかった。

誰も巻き込まないように言われ放題だったこともあり、相当なストレスが溜まっていたようだ。


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