姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました

珠宮さくら

文字の大きさ
39 / 57

39

しおりを挟む

ゲラーシーがいなくなるのを見て、シーラはだいぶスッキリしていた。

あのナタリアという令嬢に色々と言われた時より、ゲラーシーを見たらおさえられなかったのだ。

王女がいたら、シーラのことを生ぬるいというところだろう。


(彼女がいたら、もっと凄いダメージを与えられたのでしょうけどね。私には、あれくらいしかできないわ)


だが、シーラはヴァジムが何とも言えない顔をして立っているのを見て、しまったと思った。


(彼から、私のことを色々聞いていたから、出来損ないだと思い込んだのよね。きっと)


そうシーラは思った。話半分で勝手に出来損ないだとヴァジムの脳内で変換されたとは思っていなかったのだ。全ての元凶はゲラーシーなのだと思っているシーラは、そんなのでも幼なじみだからと友達でいるような優しい人なのだと思って、こちらも誤解していた。

ずっと、留学生のせいであらぬ誤解をシーラはされていたのだ。家族のこと以外で、散々なことを言われていたことも黙っていた。

だが、その我慢も限界だった。やり返せるものなら、やり返したかったのだ。


「お義兄様、ごめんなさい。幼なじみなのに」
「いや、あれは、あいつが……。いや、そもそも、違う留学生の話だろ? 同じだったら、ちぐはぐになるわけないわけだし」
「ですが……」


違う留学生というのにも限界があるはずだ。

そこに別の人が乱入してきた。


「そうそう。シーラ嬢が、気にすることないって。あれを直させようとして、叔父上たちは留学させたようなものだし」
「王太子殿下」
「っ、」


シーラも、他の女生徒たちと同じくカーテシーをした。男子生徒は頭を下げた。


「ここは学園だから、堅苦しくしないでいいよ。シーラ嬢、ようこそ。私は、ダヴィット。さっきのが、従兄なんだ。色々と迷惑かけたでしょ?」


シーラは、苦笑するしかなかった。認めたら、留学生が彼だったことになる。違うと言っても、嘘になる。


「聞いてるよ。君の母君の葬儀に喪服を新調して参加したって。学生なんだから、制服で出席すればいいところだし、数回しか話してない令嬢の母君の葬儀で、そんなことすることなんて全くなかったのにね。そのことで、色々言われるだろうことは簡単に想像がつくよ。婚約者のいなかった妹さんの婚約者ではないかとかさ」


シーラは、それも耳にしていた。母の葬儀の時にあつらえた喪服で参列していて、そんな憶測が飛び交っていたのも事実だ。

しかも、喪に服すため、それから1年くらいは婚約は難しいから、アピールしていると思われていたのに帰国してしまったのだ。

更には、妹がシーラの元婚約者だった子息と婚約したことで、あの時に参列していたのはシーラの婚約者になるのではないかと言われてもいた。学園の生徒たちは、そんなことを話題にする両親にありえないと言ってくれたことで、それが広まってくれたからよかったが。


(思わず言い返したくなるような目に合わされていたのよね。しかも、こっちでも、好き勝手に一定、あの国をそんな風に言っているとは思わなかったわ)


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに

おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」 結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。 「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」 「え?」 驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。 ◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話 ◇元サヤではありません ◇全56話完結予定

幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。

クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。 そんなある日クラスに転校生が入って来た。 幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。 誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。 更新不定期です。 よろしくお願いします。

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

妹に婚約者を奪われましたが、私の考えで家族まとめて終わりました。

佐藤 美奈
恋愛
セリーヌ・フォンテーヌ公爵令嬢は、エドガー・オルレアン伯爵令息と婚約している。セリーヌの父であるバラック公爵は後妻イザベルと再婚し、その娘であるローザを迎え入れた。セリーヌにとって、その義妹であるローザは、婚約者であり幼馴染のエドガーを奪おうと画策する存在となっている。 さらに、バラック公爵は病に倒れ寝たきりとなり、セリーヌは一人で公爵家の重責を担うことになった。だが、イザベルとローザは浪費癖があり、次第に公爵家の財政を危うくし、家を自分たちのものにしようと企んでいる。 セリーヌは、一族が代々つないできた誇りと領地を守るため、戦わなければならない状況に立たされていた。異世界ファンタジー魔法の要素もあるかも?

両親に溺愛されて育った妹の顛末

葉柚
恋愛
皇太子妃になるためにと厳しく育てられた私、エミリアとは違い、本来私に与えられるはずだった両親からの愛までも注ぎ込まれて溺愛され育てられた妹のオフィーリア。 オフィーリアは両親からの過剰な愛を受けて愛らしく育ったが、過剰な愛を受けて育ったために次第に世界は自分のためにあると勘違いするようになってしまい……。 「お姉さまはずるいわ。皇太子妃になっていずれはこの国の妃になるのでしょう?」 「私も、この国の頂点に立つ女性になりたいわ。」 「ねえ、お姉さま。私の方が皇太子妃に相応しいと思うの。代わってくださらない?」 妹の要求は徐々にエスカレートしていき、最後には……。

【完結】お世話になりました

⚪︎
恋愛
わたしがいなくなっても、きっとあなたは気付きもしないでしょう。 ✴︎書き上げ済み。 お話が合わない場合は静かに閉じてください。

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

処理中です...