姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました

珠宮さくら

文字の大きさ
45 / 57

45


そんなことがあってから、伯爵家のナタリア・トゥマノフに謝罪されることになったシーラ。

気持ちがこもっていたかというとそんなことはなかった。自棄っぱち感が半端なかった。


(姉と妹が、ふてくされて渋々謝罪している時より酷いかも知れないわね)


だが、誠心誠意でなくとも、謝罪してくれたのは、ナタリアだけだった。

ゲラーシーは、色んな令嬢たちに話しかけて婿入りできそうなところを探していた。

ナタリアも、婚約できたら何とかなると思っていて、二人は勘当されたくないのと修道院に行きたくない一心で、婚約することにしたようだ。

だが、ナタリアは留年だけで、跡継ぎから外されていることを知らず、ゲラーシーも彼女が婚約できなければ修道院に入ることになっていることを知らなかったようだ。ナタリアは、元々嫁に行くことになっていて、一人娘だろうとも跡継ぎには向いていないと親戚の男の子を養子にして跡を継がせることになっているため、言わずともゲラーシーはわかっていて、こちらは跡継ぎなままなのだからと話していなかったのだ。

それこそ、二人とも、そんな肝心な話をせずにいたせいで、何とか婚約して取り繕っていたが、どちらも正直に全部話していなかったというのに嘘をついていたと大喧嘩となった。

それを留学してきたスヴェーア国の王女は見ることになり...。


「こっちのもてなし方って、ずいぶんと変わってるわね。痴話喧嘩で、もてなされるとは思ってなかったわ」


王女の辛辣な言葉にシーラは、苦笑してしまった。


「シーラ嬢」
「マティアス様……?」


そこにアルヴァの婚約者の子息が留学生にいて、シーラは驚いてしまった。


「ふふっ、驚いた? 彼、アルヴァと婚約破棄したのよ」
「え?」
「もっと早く破棄しておけばよかったんだが」
「よく、あんな元婚約者に寄り添おうとしたものだわ。っと、言い過ぎたわね」
「いえ、あの、何があったんですか?」
「知りたい? ふふっ、そのお話、シーラにしたかったのよ」
「あー、アウギュスタ。その、よく来たね」


王太子を見て、王女は反応薄くしていたが、どっかで話したいんだけどと言うと王太子は、すぐに準備させていた。


「王女殿下」
「シーラ。それ、やめて。同じ学園に通う間は、王女の肩書は少し忘れたいわ」
「アウギュスタ様。マティアス様、紹介します。私の義兄のヴァジム・バシュキルツェフです。お義兄様、王女と……えっと、侯爵家の令息のマティアス・アルムフェルト様です」


そこに王太子が、部屋を確保したと戻って来て、アウギュスタがこの人が婚約者でここの王太子だとサクッとマティアスに紹介したのだ。


「は、初めまして、マティアス・アルムフェルトです」
「ようこそ、心から歓迎するよ。アウギュスタ。私も、聞いてもいいかな?」
「シーラとマティアスが、よければね」


王太子は、懇願するような目を二人にした。


「えっと、義兄も同席していいなら」
「その方がいっぺんに終わりそうね。……でも、シーラ。かなり凄いことになってるから、その辺は侯爵家の当主から聞いた方がいいわ」
「……そこまでですか?」


アウギュスタは、空いている部屋に入るなり、マティアスの破棄の理由が我慢の限界を超えまくっていたからだと話したのだ。


あなたにおすすめの小説

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。 ※不定期更新

『婚約破棄?結構ですわ。わたくしは何もしないで生きていきます』

鷹 綾
恋愛
内容紹介 王太子ユリウスの婚約者だった伯爵令嬢リュシエンヌは、公衆の面前で一方的に婚約を破棄される。 だが彼女は泣かず、怒らず、復讐も選ばなかった。 「働かないと、決めましたの」 婚約者として担ってきた政務補佐、調整、裏方の仕事をすべて手放し、彼女は“何もしない”生活を始める。 すると王宮は静かに軋み、これまで彼女が支えていた日常だけが浮き彫りになっていく。 新たな婚約者を得た王太子。 外から王宮を支える女性。 そして、何もせず距離を保つ元婚約者。 誰も声高に責めず、誰も派手なざまぁをしない。 それでも、関係は変わり、立場は入れ替わり、真実だけが残っていく。 これは、頑張らないことで人生を取り戻した令嬢の物語。 婚約破棄のその先で、“何もしない”という最強の選択をした女性が、静かに自由を手に入れるまでの40話。

妹なんだから助けて? お断りします

たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。

猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。 ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。 しかし、一年前。同じ場所での結婚式では―― 見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。 「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」 確かに愛のない政略結婚だったけれど。 ――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。 「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」 仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。 シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕! ――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。 ※「小説家になろう」にも掲載。 ※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。