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「二人の娘も、次々と婚約破棄になって、あなたの時のように修道院に入れと言ったそうよ」
「二人にも……?」
シーラならまだしも、そんなあっさりと姉と妹までも追い出されることになるとは思っていなかった。
「えぇ、自分には血の繋がった息子ができるから、役に立たない娘なんていらないと言ったらしいわ」
「っ!?」
王女の言葉にシーラは、ムッとした。
(そういうことなわけね。男の子がほしかったんだわ)
やっと謎が解けた気がした。父にとっての娘なんて、その程度でしかなかったのだろう。その中でシーラが一番気にくわなかったが、残った娘たちも息子ができれば、用済みということのようだ。
「それで、アルヴァとリネーアは?」
「物凄く荒れ狂っていたけど、修道院に行くと見せかけて、新しい継母がシーラのところに行って助けを求めればいいわって言ったとか」
「え……?」
王女の言葉にシーラは、ここにあの二人が来るのかと顔色を青くした。
「っと、シーラ。ここには来ないわ。安心して」
「え?」
「二人の友人が、こっそり継母の援助で隣国に行くって聞いたらしいんだけど、それがよくよく聞いたら、この国じゃなかったのよ」
「それって……」
シーラは、来ないと聞いて喜んでいいのか。悪いのかがわからなくなっていた。
「あの継母は、恐ろしいわ。すっかり騙されて安心しきった義理の娘たちを別の隣国に送り届けたの。あの二人、地理に疎かったようね。全然違う国に着くことになることも知らずに友人に話して、シーラのように伯母に養子にしてもらうんだって好き勝手なことを話していたそうよ。あまりにも、楽しそうにしていたから、国を間違えてるって言うのをうっかり忘れたまま、見送ったそうよ。とっくにここではないところに着いてるだろうけど、気づいているかはわからないわ」
「……」
「私は、それが終わってから耳にしたのよ? 知っていたら、あなたの実の姉妹だもの。それなりに助けようとしていたわ」
「……そうでしょうね。アウギュスタ様は、お優しい方ですから」
王女は、あっさりと話していたが、ヴァジムは絶句していて、マティアスも何とも言えない顔をしていた。
ダヴィットは、アウギュスタが優しいと言われているのを聞いて大きく頷いていたが。
「まぁ、向こうに着いてしまったわけですし、気づいたところで、ここまで来るのは無理でしょうね」
「行くのは容易くても、出て来るのは難しいところだもの。その上、継母は厄介払いができたってわけよ。恐ろしいわよね」
アウギュスタも、中々に恐ろしいが、それを指摘する者はいなかった。
「私が、養子になっていなければ、私も厄介払いされて、伯母たちには会えなかったかも知れませんね」
「そんなことさせないわ。私の大事なお友達だもの。そんなことをシーラにしたとわかったら、どこの後妻だろうと許してないわ」
王女の言葉に素敵だと惚れ直していたのは、王太子のみだった。
シーラは、心強すぎる友達に王女が暴走することにならなくてよかったと思っていた。
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