姉と妹の常識のなさは父親譲りのようですが、似てない私は養子先で運命の人と再会できました

珠宮さくら

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「まぁ、その話はここまでにしましょ。旦那様」
「……あぁ、シーラに婚約の話が来ている」
「え?」


突然のことにシーラは、物凄く驚いてしまった。そんな話が出てくることは予想もしていなかったのだ。


「どこのどいつですか?」


ヴァジムが、いけ好かない奴なら許さないみたいな顔をしていた。


「ドニエ国の侯爵家の令息マティアス・アルムフェルトだ」
「っ!?」
「それって……」


姉の元婚約者で、留学して来ている子息だ。

彼の母親の従姉が、シーラによくしてくれた。その時に彼が、心配していることも教えてくれていた。


「彼が、留学して来た理由も、あなたがどうしているかを見たくて来たようよ」
「っ、」
「とても幸せそうにしているから、安心したらしいわ。婚約して、結婚することになったら、あなたがあの国で再び生活することになる。それが、嫌ならこの国にいる親戚の養子になって、そこを継ぐことにしてもいいとあちらの家は言ってくれてるのよ」
「……」


シーラは、そんなことまで言ってくれていることに相変わらず優しいと思って泣きそうになってしまった。


「すぐに答えを出さなくてもいいわ。でも、どんな答えをあなたが出しても、ボリスも、私も、応援するわ。ヴァジムは、頼りないかも知れないけど……」
「母上! 私だって、応援くらいできます!」
「……何もするな」
「ち、父上!?」


ボリスの言葉に息子が情けない声をあげた。


「お前は、何もしなくていい」


もう一度、言い聞かせるように言ってヴァジムは、シーラを見た。


「シーラ」
「お気持ちだけで、大丈夫です」
「っ、」


ヴァジムは、義妹にまで笑顔でそう言われてしまい、がっくりとしていた。

それに他の面々は、笑っていた。

インガは、連休で帰って来たヴァジムとシーラにとびっきりの料理を振る舞ってくれた。

使用人たちも、楽しげに談笑しながら食事する面々を見て、にこにことしていた。








シーラは、その日の夜に部屋で一人になって色々と考えていた。


(彼に家を捨てさせるなんてことは出来ない。戻れば、父や再婚相手やその子供と会うことになる)


シーラは、姉と妹のことをあまり心配はしていなかった。あの調子で、なんだかんだとどこであろうと図太く生きていくことになるだろう。

父も、再婚相手も、そうだ。あの二人は、自分たちで好き勝手にしたのだ。心配などする気もない。ざまぁみろとも思わない。


(でも、生まれて来た子供は? 男の子として生まれたのに期待通りでなくなった原因のようになるのかしらね。こっちにいては、何もしてあげられない。あっちに行っても見ているしかできないかも知れないけれど、それでも幸せになってほしいものだわ)


シーラは、マティアスと婚約して、彼の家に嫁ぐことを決めた。マティアスは、無理をしているのではないかと心配してくれたが、シーラがその話をすると笑顔でそういうことならと納得しつつ、自分も気になっていたと言ったのを聞いて、シーラほ笑顔になった。


(こういう方なのよね)


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