私の欲する愛を独占している双子に嫉妬して入れ替わったら、妹への恨み辛みを一身に受けましたが、欲しかったものは手にできました

珠宮さくら

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「エレインのせいよ。あの女が、全ての元凶なのに何で私がこんな目に合わなきゃならないのよ」


次第にそう思い込むようになっていくが、ユーフェミアが嫌われることになったのも、学園に入る前に色々とありすぎたからに他ならない。

母が自分に似ているからとわがまま三昧な日々を送らせていたからであり、それが当たり前になりすぎたせいもあったのだが、ユーフェミアはそれを分かっていなかった。


「エレインばっかりずるい!」
「……」
「私も食べたい!」


ずるい、ずるいとお菓子をエレインが食べている時に連呼しては、甘ったるいお菓子を好んで食べるようになった。

双子というので、相変わらずお茶会や婦人会に母に連れ立って参加することの多い双子は、そこで出されるお菓子にユーフェミアがハマってしまったようだ。

甘いお菓子をそこまで好きではないエレインにとっては、それを何度もお代わりして食べるものではなかった。それを好む片割れが、信じられなかった。正気の沙汰とは思えないくらいだった。

そんなものを好んで食べるせいで、一時期は明らかに食べすぎてしまったのが顕著に現れていた。ユーフェミアはエレインよりも太っていた。明らかに成長期では済まされない時もあった。

そう、厳密に言えばそっくりではない時もちょっとの間あった。だが、その後、色々あってからは再びそっくりに戻った。

美少女で将来有望視されていたはずの双子は、その頃には有望視されているのはエレインのみになっていた。明確な差が生まれてしまっていた。見た目のみならず、中身のことでも色々あったせいだ。


「何がずるいのかしらね」
「口を開けば、姉のことをずるいと言うばかり。双子の姉妹だからと前まで見ていて飽きなかったけど、ここまで差が出ると妹の方は呼びたくもないわね」
「あら、それを言うなら、双子の母親もそうよ。双子をあそこまで区別と差別しているのを見ていて、気分がいいものではないわ」


それでも、エレインだけを呼ぶなんてできないかのようにしていた。

でも、度を越しすぎたわがままで王妹が主催したパーティーでユーフェミアが大暴れしたことがあった。


「あんたばっかりずるいのよ!!」
「っ、!?」


甘すぎるケーキをお代りしすぎると注意されたことで癇癪を起こしたユーフェミアが、食べきれずにちまちまと食べていたエレインのケーキを皿ごと叩き落としてドレスも皿も、それどころか。パーティーすら台無しにしたことがあった。

その時も、母親はユーフェミアを庇い、エレインを悪者にして、見ていて気分のいいことにはならなかったのだ。

それに腹を立てた主催の王妹が笑顔で……。


「次からは、エレインちゃんだけ呼ぶことにするわ」
「え? な、なぜですか?!」
「二度とパーティーを台無しされたくないからよ。子供が必死に謝罪しているのに親のあなたが、そもそもできないで見るからに理不尽に暴れている方を叱りもせずに庇うのを見ていて、呼べるわけがないわ」


そんなことを言って、他の夫人たちもそれに便乗するようにエレインだけを呼ぶと言い出したのだ。

オロオロするエレインに王妹は、ドレスの替えを用意してくれ、更には自分も同じように汚したら替えをもらえると思ったユーフェミアが暴れ回ったらしく、それに益々腹を立てて追い返した。

エレインは、着替えて王妹の用意したドレスを着て帰宅して、それを知った父が激怒したが母は、相変わらずユーフェミアを庇う事ばかりを言い、ユーフェミアは……。


「エレインばかりをドレスをもらってずるいわ!」


何で怒られているかをわかるより、ドレスをもらったことにずるいと大騒ぎしてこれまで見たことないほど、父が激怒していることを理解することはなかった。

そこから、益々ずるいを連呼したのもエレインだけが本当に呼ばれることになったせいだ。

それには、母もせっかくの自慢の場を取られたとばかりに益々エレインに対して当たりが強くなることになり、エレインは周りに心配や気にかけてもらうことが増えるたび、母と妹との間に見えない何かが築かれていくようだった。

それこそ、母がしていることをどうにかできないが、エレインだけとは今後も仲良くしていきたいとばかりにしているあからさまな態度が、その後エスカレートしていくことになるとも知らず、気にかけてくれる人たちにぼとぼとにしてほしいとエレインは言えずに母と妹が、以前よりずっと一緒にいるのを見ることになって、何とも言えない感情を燻らせることに繋がった。


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