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ルイーザは婚約破棄となってから、隣国に留学することにした。元婚約者とクレールにあれこれ言われることになるだろうから、あの家どころか。国から出ることにしたのだ。
元からギュスターヴと婚約したのも、クレールが欲しがるように仕向けてくっつけようとしたことが始まりだった。
ギュスターヴの弟が、できの悪い兄に意地悪いことをされてているのをたまたま見かけたことから、クレールをどうにかするのに使えると思ってしまったのだ。
するとギュスターヴの弟も、色々と起こりそうだからと両親に留学を勧められたようで、留学先で会った時にルイーザたちはびっくりしてしまった。
「あ、あなたは……」
「ルイーザ嬢も、留学それていたんですね」
「えぇ、巻き込まれたくなくて」
「私もです。両親が、面倒になるからと留学させてくれました」
ギュスターヴの弟の名前は、オーギュスト・バシュロン。兄に色々意地悪いことをされてきても、仕返しをすることをしない子息で、両親もそれを知っていて留学させたようだ。
ルイーザは、父親や兄、アンリエットが何か言う前に留学するつもりでいたが、オーギュストは逃げも隠れもする気はなかったようだ。
「あの、オーギュスト様。なぜ、ギュスターヴ様に言い返したりなさらないのですか?」
「あの人、言い返したところで、都合よくしか覚えていないんですよ。何をしても、しなくても変わらないから、そのうち何もする気にならなくなってしまって」
ルイーザは、それに目をパチクリさせた。オーギュストは、面倒くさくなって放置することにしたようだ。
それを聞いてルイーザも……。
(確かに都合よく覚えるから、中々クレールと婚約させるのに苦労したわ)
「ルイーザ嬢は、なぜ、あの人と婚約なんてしたんですか?」
オーギュストは物凄く不思議そうにしていて、ルイーザは明々後日の方を向きたくなった。
「義妹にピッタリだと思っていて、くっつけるために婚約しただけです。義妹は、欲しいものを父に直接言える子ではないので、私の持っているものじゃないとそう言えないんです」
嘘をつきたくなくて、ケロッとそんなことを暴露した。
するとオーギュストは、きょとんとした後で、大笑いし始めた。
「あなたは、優しい方ですね」
「……」
ルイーザは、一瞬嫌味だろうかと思ってしまったが、オーギュストは本気で優しいと思っているようだ。本当に優しかったら、とことん向き合い続けたはずだ。でも、ルイーザはそれをしなかった。
(あの2人が、いつ真実に気づくかよね)
クレールは養子のままマンディアルグ侯爵家にいるが、養子縁組をしているわけではないのだ。リンジーがマンディアルグ侯爵と離婚した時にクレールに説明していたが、覚えているかは定かではない。
ギュスターヴも、クレールがルイーザの義妹の妹だと言うことは知っていても、養子縁組をしていないことまで知らないのか。知っていても、その辺のことを詳しく知らないのか。何とも思っていないようだった。
彼の両親が散々確認していることにも、煩わしさしか感じていなかったようだ。
クレールと婚約したことで、跡継ぎから外す口実ができたことにもギュスターヴは気づいてもいないのだ。それに気づいても、どうにもならないことになっていることを2人が理解できるかの問題だけだ。
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