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ヴァレリオの家では、すぐにジョヴァンナの家から色々と言われることになり、息子を問い詰めたようだが、それは彼の両親にも理解不能なことだった。まぁ、理解できる人は少ないはずだが、少なくともこの両親はまともだった。
「は? 婚約者でもない令嬢になぜ、そんなことをする必要があるのよ」
「それが、優しい紳士のすることだからです」
「何をわけのわからないことを言うのよ。優しい紳士は、婚約者を大事にすればいいのよ。それ以外は、身内である母や姉妹たちより、婚約者とはこれから家族になるのだから、誰よりも大事になる。それだけのことじゃない」
ヴァレリオは、母親の言葉に何もわかっていないかのように残念なものを見る目をした。
「母上。たった1人に優しくするより、みんなに優しくすることこそ、大変なんだ。父上なら、わくってくれますよね?」
「お前は、何を馬鹿みたいなことを偉そうに話しているんだ?」
「へ? ち、父上??」
父なら、わかってくれるとヴァレリオは思っていたようだが、そうはならなかった。なるはずがないと思うが、ヴァレリオはなぜか父親ならわかってくれると思っていた。
だが、ヴァレリオは学生時代から妻一筋の父を知らなさすぎたようだ。
そこから、とんとん拍子に両家で話すことになったが、それでもヴァレリオは味方してくれる人がいると頑なに思っていた。ジョヴァンナの父親なら、わかってくれると思っていたようだ。
「全くわからないな」
「そ、そんな」
誰もわかってくれないことにヴァレリオがなぜか逆ギレしたようだが、そんなヴァレリオをジョヴァンナが笑顔で言いたいことを言い始めるとすぐに怖くなり始めたのか。彼の顔色が悪くなっていくのも、時間の問題となった。
そんなことがルクレツィアが寝込んでいる間にあり、婚約破棄となって、ヴァレリオはあの家から勘当され追い出されることになった。その前に他の令嬢に貢いでいた分を支払えと言われたようだが、その額を見て、彼はぎょっとした。
「こんなの何かの間違えです。ボッタクリもいいところだ」
「ボッタクリではないぞ」
そう言って、きちんと調べられたものを見せられ、ヴァレリオの顔色はようやく悪くなったと言った。
そのうえ、頼み込んで出かけてもらっていた令嬢たちにも慰謝料をもらうとジョヴァンナの父親が言えば、ヴァレリオは益々顔色を悪くさせた。
「そんな、どうして!?」
「どうして、とは? 婚約者がいる子息から、高価なものを強請って娘が買わせたかのようにしたんだろう?」
「それは……」
「婚約しているのを知っていながら、出かけていたのだもの。当然、浮気になるわ」
「そんな、やめてください。そんなことをしたら、可哀想だ。婚約している者や婚約が決まっている令嬢たちなんだ」
ヴァレリオは、その令嬢たちが可哀想だと言っても、ジョヴァンナへの気遣いは何もなかった。
「なら、その慰謝料も、君が支払ってくれるなら構わない」
「へ? わ、私が?」
彼は自分がこの後、どうなるかを理解していなかったようで、慰謝料分とこれまで散財していた分を自力で支払えと言われた。
それが嫌なら、勘当すると言われて、支払いをするために数日頑張ってみたが駄目だとわかったのと頼み込んで、出かけてもらった令嬢たちに怒鳴り散らされて追いかけ回されたのが、よほど怖かったようだ。
ヴァレリオのせいで、婚約を破棄される令嬢や婚約の話がなしになった者は多かった。
更に慰謝料を支払うことになり、ジョヴァンナに文句を言いに来たのも多かったようだが、いつもの調子でやり返すうちにすっかりいなくなった。
そんな話をルクレツィアはジョヴァンナか聞かされて、どんな顔をして良いのかがわからなくなっていた。
ただ、幼なじみが清々しい顔をしているのだから、これでよかったのだとは思うが、とんでもないのと婚約していたとは思えないほど、ジョヴァンナはあったことを話してくれた。
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