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しおりを挟む長くエルフたちと付き合うことを繰り返し続けたアンジェリーカは、人間たちのことを散々に言う姿を見続けるうちに眉をしかめることが多くなっていた。
助けた後で、ねちっこくエルフたちの国から帰させまいとするメンフィスたちに段々とイライラし始めてするいた。
(どうして、人間を見下し続ける人たちを助けようとしてるんだっけ? 自分たちの種族が助かれば、その後、人間たちがどうなろうと気にしないような人たちを私は命がけで救おうとしなきゃいけないの? そもそも、エルフが天国にも、地獄にも逝ってないようだけど、これって行き先が違ってことなんじゃ……)
エルフのことに必死になってアンジェリーカが、救世の乙女だと言われて助けている間に人間たちの方が散々な目にあってしまうのだ。
それをエルフたちは、耳にするたび自業自得だとあざ笑うばかりで、アンジェリーカが戻ろうとするのすら何かと理由をつけて邪魔するのだ。
(自分たちが、この先、幸せになれば他はどうでもいいってことよね。そもそも、人間が心から嫌いなようだし。ここまでして、どうして、そんなにも人間が嫌いなのかしらね。異常よね)
異常なほど人間嫌いなこともあり、アンジェリーカはそのことが気になっていった。
エルフが、どうして存続の危機に陥ることになったのかをそもそも知らなかったことに気づいて、アンジェリーカは眉を顰めていた。
(よく知りもしないで、助けようとしてたものだわ。ちゃんと調べてみなきゃ、人間を救いきれなくなってしまう一方だわ)
そんなことを思い、エルフのことについて調べてみると意外な事実が判明することになった。
「……何、これ」
エルフのところで、過去のことを調べることになった。メンフィスはエルフのことをもっとよく知りたいとアンジェリーカが言うのを鵜呑みにして、1番古い記録を見る許可をくれた。
メンフィスだけでなくて、エルフたちはエルフのことをもっとよく理解しようとしていると思ったようで、アンジェリーカがしようとしていることの邪魔をすることはなかった。
それによって、人間たちのところから綺麗さっぱりと消えた記録を見つけることになった。昔は、今のエルフたちのようにエルフが一番偉くて凄いのだと天狗になってはいなかったようで、改竄されたもののように誇張されたところはなかったと思う。
(他所の世界から、ここに移り住んだみたいね。元々人間しかいないところにエルフが住み着くようになって、数百年に一度人間に助けてもらわないと存続の危機に陥るのにその人間を見限った。祝福と魔力を勘違いしたから離れたようだけど、今は同じように勘違いしているのは、エルフも変わらないじゃない)
そんなことをアンジェリーカは思っていた。戻ろうとするアンジェリーカを止め続け、無理やり戻ってみれば、アンジェリーカのことだけが綺麗に人間たちの記憶から消え去っているのを知ることになり、戻す気がエルフたちには全くなかったことを思い知ることになった。
「何で、こんなことをしたの?」
「何でって、君のことを散々に酷く扱って来た奴らじゃないか」
さも、当たり前のようにメンフィスはアンジェリーカに何をそんなに怒ることがあるかのようにしていた。
それを見てアンジェリーカは、気持ち悪いと思ってしまったのは早かった。
メンフィスたちに人間たちの記憶を一々消すのを止めさせようとしたり、人間のことを誤解しているとアンジェリーカは何度となくやり直しながら、エルフたちに根気よく力説し続けた。
でも、それを聞いてくれるエルフは誰もいなかった。それどころか、アンジェリーカはこんなことを言われるようになっていた。
「所詮、君も人間ということだな」
「っ、」
(何で、そうなるのよ!?)
エルフの世界を救いに行く条件を少しずつ、色々と付け足すようになったアンジェリーカにメンフィスが、そんなことを言うようになったのも、その頃からだった。
条件つきなら、聞いてもらえると思ってのことだが、それが気に入らなかったようだ。
「君は、我らの弱みに漬け込んで、条件を出んだな」
「っ!?」
(弱みって、そんなつもりで、これまでどれだけエルフの人たちを救って来たと思ってるのよ!? あんまりだわ。……このエルフの王子は……、ううん。エルフは、みんなそんなこと思ってたんだ。救世の乙女だと言いながらも、人間に助けられることが嫌だったんだわ)
アンジェリーカが呆然としているとメンフィスから罵詈雑言を浴びせかけられることになった。人間に助けを求めるためにエルフたちをどれだけ説得するのが大変だったかを彼は切々と語ったのだが、アンジェリーカは……。
(それが、何だと言うのよ。力を借りるのにプライドが邪魔したってだけじゃない。……私、何で、このエルフに感激したんだろ。何だか知れば知るほど、幻滅していくわ)
エルフたちの見目の良さは心の現れだと思っていたところがあったのかも知れない。でも、中身は全く違っていた。人間よりも腹黒い生き物にしか見えなくなっていた。
アンジェリーカは、祝福と魔力をみんなのために使いたいと思っていた。みんなが幸せになる未来のために。でも、エルフは自分たちのことしか、どんなにやり直しても考えてくれないのだ。あまつさえ、助ける条件が気に入らないとして、散々なことを言われることになったアンジェリーカは、考えを改めることにした。
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