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しおりを挟む国王は、アンネリースの存在を持て余し始めていた。いや、最初から持て余していたのだが、それだとバカ丸出しだから、そうだと思わないようにした。
学園のこともそうだが、侍女のことでも、物凄く怒っていたようで、侍女長が震え上がっていた。
あの侍女長は、国王ですら恐ろしいと思うことがあるのにそれを震え上がらせたのだ。
馬鹿にしてはいけない人を馬鹿にしたせいだと気づいたようだ。それすなわち、あの侍女に何かしたら、国王が今度は震え上がることになる。
だが、そんなことはする気はない。侍女のことなど、国王はどうでもよかった。
「そんなに頭が良かったとは……」
利用する存在のはずが、フェイル国でアンネリースの評判が国中でなされていて、更には頭まで良いことが噂されているのだ。
しかも、侍女のことを大事にしている。
それに比べて呼ぶだけ呼んでも、新しい王太子もまたアンネリースに相応しくないと言われていた。
アンネリースの側にいるのが、隣国の王弟の息子だったこともあり、頭が物凄くよく、アンネリースもまたそれに匹敵する頭を持っていたのだ。
「くそっ、呼ぶ前より酷くなっているではないか!」
国王は苛立っていた。こんな予定ではなかったのだ。顔がいいだけで、嫁に迎えるのにうってつけだと思っていたのにこれでは、噂で聞いたのと違う。
国王は、そんなことを思っていた。その噂がどこからもたらされていたかを気にもしなかった。今の状況が、誰かの思惑の上で予定通りに動いていることを知りもしなかったし、気づく余裕もなかった。
そんな時に隣国から、評判を聞いたアンネリースをこちらの学園にと熱烈歓迎していた。
「ふん。あんなのを面倒見てくれるなら、願ったり叶ったりだ」
自分に扱いきれないものは、他でも扱いきれないと国王は思っていた。厄介払いできるなら、越したことはない。
その話をアンネリースにすぐにした。
「隣国に……?」
「そうだ。あなたの評判を聞いて、ぜひにと言って来てるんだ」
「……」
どうにも、この国で持て余し始めたアンネリースを厄介払いしたいように思えた。
(あっちに行くってことは……)
「あの、護衛の皆さんは?」
「連れて行って構わない」
「……」
その言い方に眉を顰めた。どうやら、アンネリースのためにだけ動くのを再び、城勤めの護衛に戻す気はないようだ。
(置いて行ったら、下積みからやり直しとか冷遇されそうね)
連れて行ってもいいのかを再度確認して、隣国がオリフィエルの祖国だと知ってびっくりもした。
「あー、あそこは、実力主義の連中が多くいるから護衛を連れて行っても、姫さんと護衛を見て判断する連中ばかりだ」
「……」
(わかりやすい国ね)
しかも、頭の良さもフェイル国より遥かにいいようだ。
「こっちの学園入って、あそこの中で普通より上なだけでもすげぇのだけはよくわかった」
「弟さんは、その上ってことね」
「あぁ、遥かに上だ」
「……」
それを聞いて、アンネリースは行かないなんて選択肢はなかった。
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