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しおりを挟む「……ヴァランティーヌ。似ているのだろ?」
「そう、思っていましたが、でも、そんなのを娘にあてがうなんて、私には……」
ヴァランティーヌには考えられないとばかりにして、それを聞いてヨランダは益々泣きそうな顔をした。
エミリアンも、この国で生まれ育っているからこそ、理解できないものがあった。眉を顰めたままだった。
「ヨランダ。他に何か言われたことはないか?」
「え、あの、やりたいことをやれと言われました」
「やりたいことを……? ヨランダのやりたいことは、留学生に選ばれることだったか?」
「えぇ、それが夢でした」
それを聞いてクロードは、簡単ではないかと思ってしまった。
「そういうことじゃないか?」
「え??」
「旦那様は、おわかりになられたのですか?!」
「え?! 教えてください!」
どうやら、ヴァランティーヌよりも、クロードの方がヨランダの母親に思考が似ていたようだ。
「あちらの国では、こっちに留学するだけでも、男漁りだと言うところだ。婚約者がいないままでは、ヨランダが大変な目にあうのはわかりきっていることだろ?」
「っ、そ、そうでしたわ! あちらでは、そういう子息をあてがうのが、普通ですものね。こっちの考え方でなかったのに」
「あ、あの!」
「どうした?」
「留学するだけで、男漁りというのは、どういうことですか?」
「「「……」」」
ヨランダは、ガイエ国の考え方を全く知らなかったようだ。
エミリアンも、知らなかったようだが、ヨランダが知らないことに驚いていた。
「そ、そんな、男漁りだなんて、わ、私、勉強がしたかっただけです!」
「わかっているとも。こちらで、そう思う者はいない。安心していい。みんな、才女しか留学して来ないのをよく知っている」
「さ、才女?! そんな、私、そこまででは……」
どうやら、ヨランダは頭が良いのがどの程度なのか自覚がないようだ。
何はともあれ、誤解だったとわかり、母に嫌われていなかったとわかってヨランダは、大泣きした。更にそこまで思ってくれていたのになんてことをしたのかとヨランダは、反省しっぱなしだったが、クロードが勝手来たケーキをみんなで食べながら、もう養子になることに嬉しいという気持ちしかなくなったことで、そこからすぐに養子の手続きが取られることになった。
「流石、父上ですね」
「本当ね。頼りになるわ」
「そんなことないだろ。ヴァランティーヌとて、気が動転していただけだ。こちらに嫁いで来て、すっかり考え方が、この国の夫人になっているからな」
「あ、あの、そのお話、もっと詳しくお聞きしても? 私、あの国がそんなに偏見まみれとは全く知らなくて、今後は、フェルギエール侯爵家に恥じない者になります」
「恥だなんて、知らなければ、知っていけばいいだけよ。私なんて、留学に来た時から、この国のこと知らないことだらけで、色々やらかしたもの」
ヴァランティーヌの昔話は、エミリアンも聞いたことなかったようだが、やらかしたと聞いてすぐに想像できたようでクロードを見た。
息子の視線に気づきながら、掘り下げることはなかった。
そこから、この家では、こんな風に話すことが当たり前となって言った。
ヨランダも、母のみならず、父とは無理でも他の人と話していたら、周りが気になりすぎて、留学するのを諦めていたかも知れない。
そうならないようにヨランダの母はしたかったようだ。
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