最愛の亡き母に父そっくりな子息と婚約させられ、実は嫌われていたのかも知れないと思うだけで気が変になりそうです

珠宮さくら

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留学生ではなくなって、ヨランダは侯爵令嬢となったため、編入試験を受けたが、その試験結果は素晴らしいものだった。


「この結果なら、いつからでも大丈夫そうですよ。まずは療養をしっかりなさって、無理ない範囲からがよいでしょうね」
「そのことなのですが、ヨランダは選択授業を全て受けたがっているのです。そうなると途中からというのも難しいかと」
「選択授業を全てですか?」
「はい。そちらを受けたくて留学しようとしていたので」
「そうでしたか。……私の受け持つ選択授業は、長期休暇中に毎回、遅れている生徒がいるので補講に出て追いつくというのもありかと思いますが、他は先生方に聞いてみないと難しいですね」


だが、やる気に満ちていて、独学でも勉強していたヨランダは途中からでもいくつかの授業は問題なかった。

それによって、フェルギエール侯爵家の養子になったヨランダが一目置かれるようになって、何かと婚約者のいない子息たちが話しかけるのを見かねて、令嬢たちがヨランダの側にいるようになった。

そんな風にしてくれる令嬢が、ガイエ国にいなかったこともあり、友達ができたことにヨランダは喜んでいた。

彼女たちは、聡明なヨランダの側で勉強の仕方やわからないことをあれこれ聞いて、自分たちももっと頑張らなければと思う者ばかりだった。

その令嬢たちは、婚約者のいる者たちばかりで、婚約者の子息に恥をかかせたくないと色々と頑張っているものたちだった。

益々、素敵になっていこうとする婚約者の令嬢たちを見て、子息たちもヨランダが困っていると助けるようになった。


「全く、婚約者を探すのも結構だが、そんなことを頑張るより他にやるべきことがあるだろうに」
「本当ですね。追い払っても、追い払っても、寄って来るのですもの。厄介な虫ですわ」
「あの、ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」


ヨランダは、思わず謝ってしまった。すると謝ることないとすぐに言われた。


「ヨランダ様は、それだけ魅力的なだけですわ」
「そうですとも。あんな群がって来るのより、素敵な方はたくさんいるのですよ」
「こらこら、追い払って置きながら、自分たちの身内を紹介しようとするな」


あわよくばと紹介しようとするのをやんわり止めたりしてくれた。

特に移動中や休み時間とかにヨランダの側に寄って来たりするので、1人では決していないようにした。

ヨランダが、何も知らないと思って、婚約者に無理やりなろうとした子息が現れたのだ。

それを知ったフェルギエール侯爵夫妻やエミリアンは、怒り心頭となり、その子息とその家に苦情と抗議がなされて、両親が息子を伴って平謝りに来たが、子息の方は……。


「こんな大事にすることないだろ」
「え?」
「嫌なら、私に断れば済んだのに」
「……」


子息は、ヨランダにポロッとそんなことを言ったのだ。それに絶句していると……。


「謝罪に見えられたのでは?」


すぐさま、クロードがギロッと伯爵夫妻を睨みつけた。ヴァランティーヌも、殺気立っていた。


「っ、も、申し訳ありません! 馬鹿者!! お前が、そんな考え方だから私たちか頭を下げることになるんだろうが!!」
「え? 何言ってるんですか。この女が告げ口しなければ、こうはなってないですよ」


侯爵令嬢をこの女呼ばわりしたのは、伯爵家の家の子息だった。

それを見ていて、ヨランダは元婚約者のことを思い出してしまっていた。

怒り心頭になる養父母と平謝りする伯爵夫妻とヨランダを未だに睨む子息と睨まれている方は、ぼんやりと元婚約者たちがどうしているかを考えていた。

ガイエ国にいた時は、養父母や今繰り広げられている彼の両親のようにヨランダの味方はいなかったのだ。

それこそ、目障りなヨランダがいなくなって、アンリエットたちは幸せを貪っていそうだ。それにしても、好き勝手にするお金は、一体どこから出ているのだろうか。

いくら、使用人たちの給料をケチっても、あそこまで好き勝手にできるお金はなかったはずだ。そこが、ヨランダは不思議に思えていた。


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