最愛の亡き母に父そっくりな子息と婚約させられ、実は嫌われていたのかも知れないと思うだけで気が変になりそうです

珠宮さくら

文字の大きさ
12 / 15

12

しおりを挟む

「どういうことだ!?」
「何かの間違いです」
「そうですよ。この子を妬んでいる者にはめられたに決まってます」


だが、アンリエットは知らぬ存ぜぬを繰り返し、その母親も一緒になって酷いことをする者がいると嘆いた。

子爵も同じようにしたが、証拠がわんさか出ているのもあり、そんなのと婚約したのかとギャルヴァン伯爵夫人は息子と騒いでいたが、ギャルヴァン伯爵の方は……。


「何を今更、言っているんだ。そっちと婚約するなら、自分たちでどうにかしろと言っただろ。お前たちで、どうにかしろ」


元よりギャルヴァン伯爵は、ヨランダを気に入っていたのもあり、婚約破棄して、義姉のアンリエットと婚約すると言った時にそう言っていた。


「それにお前は、この家を継ぐ気でいるようだが、お前は婿入りだ。この家を継ぐのは、お前ではない。そこをよく考えて、婚約破棄するかを決めろ」
「へ?」
「だ、旦那様?! この子は長男なんですよ!?」
「そんなのに跡を継がせられるわけがないだろうが。卒業もギリギリなんだぞ。そんなギリギリより下の成績しか取れていない令嬢なら、卒業も難しいはずだ」


そんなことを言われて、元よりアポリネール子爵家とはそういう約束で婚約していたからと言われて、アンリエットに確認すると……。


「え? 婿入りするつもりなんですか?!」
「っ、お前も、知らなかったのか」


アンリエットは、母に聞くも、母親もギャルヴァン伯爵家に嫁ぐものと思っていた。アポリネール子爵も、なぜか驚いていた。


「は? いや、ここは困る」
「困る?」
「ここの跡を継がせる子息がいるんだ。そこから色々と優遇してもらっているんだ。それを駄目だとなれば、これまで借りた分を全額返さなければならなくなる」


アポリネール子爵は、前妻のしたことだとしてギャルヴァン伯爵家の方にアンリエットを嫁がせようとしたが、書類にアポリネール子爵自身がサインしているものがあり、今更どうにもならなかった。

宙ぶらりんのまま、アリステッドとアンリエットは勉強が手につかなかったと言い訳して、卒業に必要な成績を取りそこねたと言っても、それで卒業できるわけもなく、留年することになった。

アリステッドは、留年した途端、ギャルヴァン伯爵家とは縁もゆかりも無いと勘当されることになっていたらしく、本人も流石に留年はしないと思っていたため、その手の書類にサインして好き勝手なことをしていたツケを支払うことになり、アンリエットも酷い成績で留年することになり、そんなのがアポリネール子爵家の娘なのかと援助しているところから言われたことから、援助をしてもらえなくなると困るアポリネール子爵は、再婚した妻と離婚して、その連れ子を追い出した。

だからといって、数年したら自分も養子に爵位を譲って追い出されることになるのだが、なぜか面倒は見てもらえるものと思っていたようだ。

そんなアポリネール子爵だ。再婚相手とその連れ子をすぐに切り捨てたあたりから、都合のよい相手としか見ていなかったようだ。

アポリネール子爵家を継がせる養子にする子息の家から援助が出ていたのも、ヨランダの母親が頼み込んでそうなったようだ。

ヨランダがいるのだから、爵位を継がせるなら婿入りさせると言っても、他所に嫁がせるからと頼み込まれたようだ。

それで、ずっとヨランダのように娘のことがそこまで嫌いなのかと勘繰っていたが、こんなことになって、アポリネール子爵を継がせるどころか。この国からも遠ざけるために策を巡らせていた事を知って、ヨランダのように勘違いしていたと申し訳なく思っていたようだ。

ヨランダの母親が見初めた、アポリネール子爵家に継がせたい子息は、幼い頃はそこまでではなかったが、成長するにつれて当確を見せた。

彼は、ヨランダが隣国で幸せにしていることを耳にするたび、自分の姉のことのように嬉しそうにしていたが、実際に会うことはなかった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

処理中です...