姉が年々面倒になっていくのを弟と押し付けあっていたのですが、手に負えない厄介者は他にいたようです

珠宮さくら

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シュリティは、姉を勘違いさせるような行動をしたマヘンドラが、どうして婚約者を間違えたのかが引っかかった。あの人は、そんな勘違いをしないはずだ。

その辺も、ちゃんと調べたら何かわかるはずだが、その両親があっさり何も調べずに勘当したことにも首を傾げた。

王女が激怒しているからと言って、なぜそんな勘違いをしたか気にならないものだろうか?

シュリティの両親のようなら、まだしも。そう、マヘンドラをさっさと勘当したい何かがあったのではなかろうか。

シュリティの両親の場合、シュリティが王太子と婚約したのもあり、台無しにされたくなかったのが大きく影響しているようだ。

両親は、シュリティが戻って来てから、しばらくシュリティの機嫌を取ろうとしているのがわかって、そこからシュリティはすり寄って来る2人につれなくしたため、向こうもあまり機嫌を悪くさせすぎても大変だとばかりにして、いつものようになるのも、すぐだった。

とてもわかり易い人たちだ。そんな、両親を姉弟は白けた目で見ていた。両親がいる時は、会話は最低限となっていた。

両親がいなくなるとあれやこれやと姉弟は、話をした。荒んでいた弟が、昔のように笑顔になるのもすぐだった。


「それで、王太子とどうなの?」
「会話するのが、とにかく楽しいのよ」


ラケシュは何気なしに聞いているようだが、シュリティはサラッと答えた。いつも話している内容を話すと……。


「姉さん、そんなことは話すのかよ」
「うん」


凄い顔をされた。でも、いつもなら、興味なさげに別の話題になるのだが、今回はそうはならなかった。何やら考え込んでいるのを見てシュリティは……。


「ラケシュ。勉強しといて損はないわよ」
「……姉さん」
「ん?」
「勉強、教えてくれる?」
「もちろん」


学園が長期休暇の間、ラケシュに勉強を教えた。最初は、勉強するのに抵抗が凄くあったようだが……。


「姉さん。教え方、上手いね」
「そう?」
「うん」


弟は、初歩的なところでわからなくなっていて、そこがわかるとスルスルと理解が進んだようだ。

部屋に閉じこもって勉強するより、外で実験をしたりしたのが楽しかったようだ。

ラケシュは、興味のあるものに対してはの勉強は物凄く進んだが、興味のないものには全くだった。

それでも、ちょっとずつ変わっていこうとする弟をシュリティは微笑ましそうにしていた。

色々と調べたいが、まずは弟を構い倒すことにした。学園が始まれば、そんな風な姉弟の時間はなくなるものと思って、チャーヤがいた時にはできなかったことをした。

勘違いしていたとは言え、王女の婚約者と色んなところに出かけていたのは事実だ。浮気しているつもりはないでは済まされない。そのため、チャーヤを心配してもシュリティたちがそれを言葉にすることはなかった。

アガルワル伯爵家では、姉弟の仲が益々よくなったのは言うまでもない。


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