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しおりを挟む休み明けになり、留学から戻っていたシュリティは学園に普通に何事もなかったように通った。
シュリティを見かけて、気軽に話しかけて来る人は、そんなにいなかった。チャーヤのことがあったせいだろうが、それが一転したのは婚約者が王太子だとわかった後だ。
話しかけて来るなみたいなオーラから一転して気さくに話しかけて来るのにシュリティはげんなりしてしまった。それこそ、わかりやすいことに姉が隣国の王太子と婚約したと聞いて、ラケシュの方にもチャーヤのことで無視していた子息が話しかけて来るようになったようだ。
あちらも、色々あったから、そういう応対には長けていた。シュリティも、王太子のことを根掘り葉掘り聞いて来るのにあちらでもしたのと同じことをしたことで、ドン引きされた。
そんな中で、手紙で帰って来るなと寄越したシュリティの友達の令嬢は相変わらずだった。
彼女は、王太子のことなどシュリティに聞いて来ることはなかった。それより、彼女もシュリティと同じで気になっていたようだ。
「あれ、仕組まれたことよ」
「仕組まれた?」
シュリティは、そうなのではなかろうかと思っていたが、はっきり言われるとは思っていなかった。
これまで、その話題をシュリティにして来る人は誰もいなかった。
「あれ、あなたのお姉さんと浮気させたかったんじゃなくて、あなたとさせたかったのよ」
「……」
誰がとは友達は言わなかった。更にそこまで掴んでいるなら、追求してくれても良かったなんてこともシュリティは思うことはなかった。誰だって関わりたくない。
今だって関わらないようにしたかったはずだが、シュリティにだけ教えてくれたのだ。そんな友達をこれ以上、シュリティは巻き込めなかった。
そこから、シュリティはすぐに調べ上げた。すると苦労させられるかと思いきやそんなことはなかった。
王女の本命の子息が、シュリティと婚約するのを狙っていると耳にして、自分の婚約者を使って台無しにしたかったようだ。
そんなことをした王女は、本命と婚約できたかというとできていなかった。それをどうにかしようとして、すっかり本命の子息に王女は嫌われているようだ。
それに対して、シュリティはざまぁみろと思ってしまったが、それだけでは済ます気はなかった。
シュリティは調べ上げて、ラケシュにその話をした。シュリティでも、調べ上げられたのだ。どちらの家も、簡単にできたはずだ。
シュリティの両親は、そんな面倒なことを元からする人ではないとしても、マヘンドラの両親は妙だった。
そして、案の定というか。シュリティたちは、それを両親にも伝えたのだが……。
「はぁ? シュリティ、お前まで、何を言い出すんだ」
「そうよ。王女のせいにするなんて、そんなこと他所ではしないで頂戴」
「「……」」
姉弟は、こうなると思っていた。
弟のみならず、シュリティまでも厄介ごとを持って来たとばかりにされて、真に受けることはなかった。
「お前は、王太子と婚約しているんだ。それを台無しにするようなことに首を突っ込むな。もう終わったことだ」
「そうよ。そんなこと蒸し返さないで、おとなしくしていなさい」
全てが終わったことだと言う両親にシュリティは、こんなにも時間の無駄だと思うことになるとは思いもしなかった。
期待なんてとっくにしていなかったが、ここまでだとは思わない。自分たちさえよければそれでいいのだ。
シュリティは、自分だけが幸せになれても嫌だが、この両親は子供の幸せより、自分たちが一番のまま、変わることはないのだ。
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