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しおりを挟む両親にほとほと愛想が尽きてしまった。それは、シュリティだけではない。ラケシュもだ。
「姉さん」
「この家に未練は?」
「全くないよ」
「お姉様にしたことの仕返しをするわよ」
「姉さんは、やらない方がよくない?」
ラケシュは、王太子と婚約しているシュリティを心配していた。
シュリティは、これから色々やらかすからと王太子に手紙を出していた。婚約を破棄してほしいと。
でも、その返事は驚くほど早く来ていた。どうやら、シュリティは王太子の婚約者というので護衛がついているようだ。何をやらかすかまで手紙に書いていないのに知っているようだった。
「やるわ。お姉様は、とばっちりを受けただけだもの。私に向けたかったのなら、私が返礼しなきゃ」
「……姉さんが一番怖そうだな」
「ん? 何か言った?」
「ううん。何でもない」
「?」
何やら弟の顔色が少し悪かったが、シュリティは何を言ったのかまでは聞こえなかった。
姉弟揃って、王女に仕返しをして何をしたかが白日のもとに晒されることになった。
王女は、そんなことしていないと言い張っていたが、証拠を突きつければ最終的にシュリティが気に入らなかったと怒鳴りだし、シュリティのせいで姉がこんな目に合ったかのように言って来て、残念な目を向けてしまった。
なぜ、そこで、シュリティのせいになるのやら。王女の言葉を聞いて国王と王妃は、激怒していたがわけのわからない主張を繰り返す王女に頭痛を覚えたようだ。
シュリティとして、怒鳴り散らしてもいいが、姉やシュリティに謝罪してほしかったが、対面しても謝るなんてできそうもないのにげんなりしてしまった。
アガルワル伯爵家からの慰謝料は返してくれることになり、逆に慰謝料を払うと言うので、それは姉に直にしてほしいと思ったが、両親が受け取る方向で話を進めていて、シュリティたちは眉を顰めずにはいられなかった。
「お姉様の勘当は白紙になるのですよね?」
「いや、それは……」
王女がしでかしたことだと国王たちですらみとめたのにシュリティたちの両親は、それをすんなり認めたくなさそうにした。
それなのに慰謝料を自分たちの懐に入れることだけを考えている両親にシュリティたちは、何とも言えない顔をしていた。
「……する気がないとしても、慰謝料はお姉様に渡すのですよね?」
「は?」
「何で、あの子に渡すのよ?」
「何でって、今回の被害者はお姉様とマヘンドラ様だからに決まってるじゃないですか」
それを伝えても、両親はあーでもないこーでもないと難癖をつけて自分たちの懐を潤す以外に使うなんて、したくなさそうにしていた。
流石にここまでだとはシュリティも思っていなかった。
勘当された姉が、どうしているかの心配なんて両親はしていなかった。
王女にはめられたとわかっていながら、それでもチャーヤも騙されるようなところがあったのがいけないとばかりにしていて、それにもシュリティたちは呆れるばかりだった。
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