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第2章
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しおりを挟むもう、ジュニパーのように知っている人や似た人に会うことは勘弁してほしいとウィスタリアは思わずにはいられなかった。だが、その願いを聞いてくれる者は、この世界にはいなかったようだ。
元より、どうしてウィスタリアがここにいるのかもわからない。ジュニパーに名前も中身も、親友だと思っていたあの女に似ているのが天姫として存在しているのだ。
あちらも、別のところから来たのはウィスタリアと一緒だとしても、同じところから来たようには見えない。
向こうが、ウィスタリアのように知っているのなら、あの程度では済まなかったはずだ。
最低最悪なお茶会が終わってから、数日して再びウィスタリアの心を抉るような出会いがあるとは思いもしなかった。どうせなら、心を抉るのは一度で済ませたかった。
ジュニパーのそっくりさんだけでも、ウィスタリアは色んな意味でショックでしかなかった。ここでも、そっくりさんが上手く立ち回っているのだと思うと出遅れた状態で、すっかりアウェイとなっているウィスタリア。それを覆すのは厳しいことは誰の目から見ても明らかだった。
それでも、天姫ではないと思っているし、なりたいとは思っていなかったのだが……。
(最悪すぎるわ。それこそ、天姫はジュニパーだと思っているのなら、さっさと解放してほしかったのに。あの方にそっくりな方が、再び別の女性を選ぶのを見る日が来るなんて……)
フロリアンにそっくりな第一皇子が、ジュニパーこそ天姫だと言ったのだ。ウィスタリアのことを見ようともせずに。部屋に入ってくるなりジュニパーだけを見て、その手を取ったのを見て、昔を思い出して泣きそうになってしまった。
ずっと知らせを待っていたのにウィスタリアが選ばれなかったことで、婚約者がジュニパーとなったと聞いた時、ウィスタリアはひっそりと泣いた。
この後も、そうなりそうで悔しかった。
(そっくりなだけよ。あの方ではない。何を今更泣く必要があるのよ。あの人だと思っていたのは、第2王子だったのよ。彼は、どこにもいない。彼が、生まれ変わりだとしても、私のこと覚えてないのだもの。そんなのただ似ているだけの他人じゃない)
ウィスタリアは、そんなことを思って冷静になろうとした。選ばれたことを喜んでいるジュニパーのことも視野に入れないようにした。そんな顔を見るのは二度目だ。見なくともわかる。顔も、名前もすることもまるで一緒のようで、フロリアンにそっくりな皇子が揃う姿を益々見たいとは思わなかった。それを見てしまったら、ここにこれを見るために来た気がして、もっとおかしくなりそうだった。
名前だけが違うと思おうとしていても、複雑で厄介な気持ちが綺麗に消えることはなかった。
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