初恋の人への想いが断ち切れず、溺愛していた妹に無邪気な殺意を向けられ、ようやく夢見た幸せに気づきましたが、手遅れだったのでしょうか?

珠宮さくら

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第3章

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(ウィスタリアに非はないってことね。全ては、頭の良し悪しで、判断しただけだったってわけね)


何とも馬鹿らしい理由で決められたことで、ウィスタリアは泣いていたようだ。

その時点で、王太子は自分の思うままにして、その後どうなるかを全く考えずに決めたのだ。

そもそも、婚約者と2人で乗り越えようとしていたとは思えない。授業にも王太子は出ずに忙しいと免除されていたはずだ。

その間も、勉強なんてしていなかったのだろう。しかも、自分より勉強ができないのをわざわざ選んだのにその後で、どうなるかを考えずにいたせいで、野放し状態となっていたジュニパーに散々な目にあわされてきたのだ。

あれは、王太子に構ってもらえないストレスもあった気がする。


(そんなのが、結婚するってだけなのよね。婚約して、すぐに結婚が決まるほどなら、今の王太子より断然頭がいいはずだけど、よくそんなのと結婚する気になったものだわ)


王太子は、色々ありすぎて焦っているのかも知れない。恥も外聞もなく、前回のような令嬢を婚約者にしたら、大変だと思って真逆な令嬢を選んだのだろう。

リーリエとて、他の世界で違う生き方をしたから、きっぱりと判断できたが、前までなら王太子のことを言えなかった気がする。……そこまで極端なことを流石にしないとは言えない。

妹を利用して、ウィスタリアの時に人生を終えたのだ。王太子のことをあれこれ言えないことをしているなと思って苦笑していた。


(まぁ、何にせよ。結婚するなら、良かったのよね。どんな人と結婚するかは、あまりというか。全く興味ないけど。婚約してから、結婚までスピーディーだったんだから、令嬢の方もそれなりの覚悟がある人のはずだし。ジュニパーの時より期待できそうだけど)


リーリエは、王太子妃となる令嬢が気になってきていた。

それに王太子が、そんなことを思って婚約したジュニパーが可哀想な令嬢に思えてならなかった。そんな風に選ばれたとは思うまい。

両親の反対を押し切って養子にまでなって、やっと婚約できたのに王太子より勉強ができないから選ばれたのなら、王太子妃としての勉強だってやる気が失せるのも仕方がない。


(……やっと選ばれたのに。選ばれた理由が、それだってことに彼女はいつ知ったのかしらね)


もしかするとプリムローズのおかげで婚約できたと言って回っていた時には、わかっていたのかも知れない。


(だから、親友って言いながら、あんなことしていたとしたら、ウィスタリアとジュニパーも、振り回されただけってことになるのかな)


そう思うと王太子がやっと婚約したと喜びにわく街の人たちのようにリーリエは喜ぶことが、どうしてもできなかった。


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