46 / 61
~にがっき!~赤色の新星
45話目:7月■日ノフェルの手記①
しおりを挟む
教師などという、吾輩に最も向いていないであろう役につけられてから三か月。
非効率な職務そのものには慣れたであろう。
しかし問題は山積みである。
生徒というものは課題というエサを与えるだけで育つ雛ではない。
どうエサを取るか、どう咀嚼するかを教えねばならない。
それを逐一教えたとして血肉となるかは定かではなく、望んだ通りに育つとも限らない。
なんとも面倒で厄介な仕事か。
このような非効率な雑事に身を投じる先人達には哀れみすら覚えてしまう。
あの英雄もこのように頭を悩ませているのであろうか。
だとすれば、一つだけ共感できるものが見つかったというものだ。
無論、あちらは吾輩のことなど覚えてはおらぬだろうが。
さて、吾輩も哀れなる先人の一人になったことだ。
次の課題を与えるとしよう。
次の日、己でも嫌気がさすようなダンジョンへと生徒達を送り出した。
流石にヒントとして、時間制限を過ぎれば<遭難者>となることを伝えたが、何人が気付くであろうか。
よしんば理解できたとしても、克服や突破ができるかは別の問題であるが。
そういえば≪ヘイズ≫のアカネ生徒は、他の教諭や生徒から期待の新星とまで呼ばれていたな。
このダンジョンをどう突破するのか、見物である。
………
………………………
………………………………
既に半日が経過した頃、ようやく一つのパーティーがダンジョンから戻ってきた。
「ハヴラ生徒のパーティー、減点」
<鉱術>で生み出した下僕に生徒を運ばせて、次から次へと出てくる生徒に減点を言い渡す。
このダンジョンは最も命の危険がない<ダンジョンの挿枝>から誕生したもの。
ただし、最も恐ろしいダンジョンとも言われている。
何故か?
ここに出現するトラップ、モンスター全てが<探索者>を絡めとるような仕組みになっているからだ。
モンスターの一撃で悶絶したところに、別のモンスターがその<探索者>を拉致。
慌てて追う<探索者>もトラップにより無力化、拘束されて力を奪われ続ける。
なんともまぁ趣味の悪いダンジョンであろうか。
「減点、減点、減点、減点」
それでもこうやって戻ってくるだけ、マシだろう。
無駄に頑張り<遭難者>になるくらいならば潔く自死すべきだ。
死ぬべき時に死ねなかった者の生は、見るにも耐えないくすんだ色にしかならぬからな。
こうしてほとんどの生徒達が減点されながらも戻ってきたことは予測通り。
残りは≪ヘイズ≫のアカネ、≪ドルイド≫のテクマ、≪レギオズ≫のエヴェド、≪キメラ≫のアタレフ生徒の四人だ。
何もできず哀れにもがいているのか、それでもまだ大地を踏みしめているのか確かめてみるとしよう。
ダンジョンにはレベル制限があるが、吾輩にはあまり関係ない。
今のレベルならば指二本で問題ないと判断し、右手から外してダンジョンへと潜り込ませる。
石人たる≪ゲンマ≫の吾輩ならではの方法だ。
意識も感覚も共有されている為、ダンジョンの中でも戦闘に支障はない。
そうしてダンジョンの奥へ奥へと進むと、生徒達を見つけることに成功した。
それと同時に、こちらを察知したアタレフ生徒が襲い掛かる。
指二本とはいえ、生徒に敗北するならば教職を辞すべきであろう。
吾輩は即座に<鉱術>で生み出した土くれの柱で、叩きのめした。
「ふむ、反応は悪くない。ただ、未知に対して咄嗟に攻撃するならば思考して動きたまえ」
「その声……ノフェル先生なんですか!?」
驚くアカネ生徒の頭上から毒蟲が飛び掛かるのを察知した為、<緑の大槌>で叩き潰す。
「アカネ生徒、注意力散漫のため減点だ」
「すみません……でも、本当に先生なんですね。指だけって、どうやって……?」
「減点、それは今思考に割くべき問題ではない。さて、パーティーの現状を確認するとしよう」
≪ドルイド≫のテクマ生徒は荒い呼吸でアカネ生徒に寄りかかっている。
≪レギオズ≫のエヴェド生徒は槍を杖にし、息も絶え絶えといった状態。
≪キメラ≫のアタレフ生徒は傷口から体液が漏れ出ており、多少の疲労が見える。
≪ヘイズ≫のアカネ生徒は比較的に無事、仲間を盾にして温存したのであれば加点の余地あり。
「では、この体たらくについて説明してもらおうか」
その後は予想通りの話であった。
油断していたテクマが最初に罠にかかり、襲い掛かるモンスターから守る為にエヴェドが庇う。
そうしてお互いに庇い合い、消耗し、徐々に追い詰められていったといったところだ。
アカネとアタレフは<遭難者>になる可能性を考え、己の身を守ることを優先したと。
「ここまでいい、予測の範疇である。吾輩が聞きたいのは、なぜその足手まといを連れてダンジョンを進んでいるのかということだ」
アカネとアタレフはまだいい。
しかしテクマとエヴェド、この二人はもう駄目だ。
盾にすらならん足枷だ。
「……テクマさんはまだこちらの指示で<色術>が使えます。エヴェドくんも――――」
「アカネ生徒、減点だ」
言い訳を最後まで聞くことなく、吾輩は足手まといとなる二人を<鉱術>で作り出した大鎌で首を刎ねた。
「当ててやろう。あの二人を殺したことで恨まれるのが怖かった、だから殺せなかった。ならばアタレフに頼めばいいが、それすらできないならほど甘いならば、減点するしかあるまい」
彼女は何かを言おうと口を開くも、すぐに閉じた。
何を言ったところで言い訳にしかならないことを理解したようだ。
「……先生、オレには減点はないんすか?」
「ない。役立たずが足手まといに気を使っている間、お前が周囲を警戒しなければならなかったからな。そこまで求めるほど、期待してはおらん」
不審なものを見つけた瞬間に攻撃動作に移れたところからも、及第点だ。
「さて……別のダンジョンにいた者共も皆、治療室へと運ばれていった。残りはお前達だ」
「待ってください!」
「……なんだね? まさか、今になって死ぬのが怖いとでも言うつもりか?」
「いいえ。先生は足手まといを連れてダンジョンを進むつもりかと仰いました……今、もうその足手まといはいません。二人で進ませてください!」
どうやらまだ心が折れていないらしい。
なるほど、こういった所に惹かれるが故に他の生徒や教師から注目されているのだろう。
「<遭難者>になることが怖くないのかね?」
「このまま減点されたままの方が怖いですね。少しは加点してもらわないと」
「ふむ……よかろう。己の無力さを痛感する機会に恵まれたな」
「ありがとうございます! それで、アタレフくんに聞きたいことがあるんだけど――――」
先ずは互いにこのダンジョンで気付いたこと、対処すべき優先度を確認しあった。
こんな場所でやるべきことではないが、恐らく吾輩がいるが故にこの場は安全だと判断したのであろう。
吾輩を巻き込んでおきながら利用するその面の皮については、多少評価してやってもいい。
しっかりと相談し、休憩した後の行動は早かった。
敵の拘束攻撃も全てに対応するのではなく、片手や片足程度なら放置。
敵がこちらを無力化させていることに特化しているということは、片手で対処できる程度ということでもある。
なので処理すべき優先度さえ間違えなければ問題ない。
他にも既に複数の状態異常におかされているアタレフを突っ込ませ、消耗してきたら回復する。
何度も同じ症状を回復するよりも効率的だ。
そして初見のものがあれば最初に全力の<色術>で対処する。
近づくことすらリスクになるのであれば、これが最適解と言えるだろう。
途中、危ぶまれるところもあったが、最小の怪我とリスクで切り抜ける。
アタレフには遠慮がないこともあり、効率的に戦い、リスクも管理できているようだ。
ではどうして今より余力のある四人パーティーの時にあそこまで追いつめられていたのか?
恐らく遠慮が出てしまう相手がいると本来の力を発揮できないのだろう。
皆が仲間になろうと群がるというのに、肝心の本人はそのせいで力を発揮できないとは皮肉なものだ。
仲間を道具として見られたならば、少しは楽であったろうに。
……と、そんなことを考えている間にも二人の生徒はダンジョンの主の間へと到達した。
そこには巨大な大蛙が鎮座していた。
このダンジョンの主に相応しく、毒に麻痺に拘束技。
文字通り生殺しにする手管が何十通りもある害悪なものである。
「先生! あれを倒したら加点ありますかね?」
「ああ、考えておこう」
肩で息をしながらも勢いがある。
もしかしたならば、あの大蛙を倒せるかもしれぬな。
そんな二人を、吾輩は<鉱術>による槍で頭を撃ち抜いた。
……いや、アタレフだけは驚異的な勘で躱したか。
なまじ横着するものではないと己を戒め、次は百の槍を持って全身を射抜いた。
さて……こうして最後の二人もダンジョンに戻ってきた。
最後に教訓を伝え、授業を終えるとしよう。
「吾輩がいるから何とかなるという甘えが見えた。あの消耗状態でダンジョンの主に挑むべきではない。アカネ生徒、減点。」
何か言いたそうな顔をしていたが、構わず治療室に運ぶ。
「アタレフ生徒、吾輩を潜在的な脅威として注意できていたな。しかし、それならば同行者にも伝えるべきだった。減点である」
こちらも不服そうな顔をしていたが、無視して治療室へと運ぶ。
ほどなくして指も戻り、全てのダンジョンは閉じられた。
一息つき、色あせた昔を思い出す。
もしも吾輩にも、同じように指導する教師がいたならば結末は違っただろうか。
あの英雄に、あのような顔をさせる事はなかっただろうか。
……これでは仮定ではなく、妄想だ。
何の生産性もない思考に費やす無駄など、吾輩には残されていないというのに。
いつしか全ての無駄を排した時には、また色が戻るのであろうか。
非効率な職務そのものには慣れたであろう。
しかし問題は山積みである。
生徒というものは課題というエサを与えるだけで育つ雛ではない。
どうエサを取るか、どう咀嚼するかを教えねばならない。
それを逐一教えたとして血肉となるかは定かではなく、望んだ通りに育つとも限らない。
なんとも面倒で厄介な仕事か。
このような非効率な雑事に身を投じる先人達には哀れみすら覚えてしまう。
あの英雄もこのように頭を悩ませているのであろうか。
だとすれば、一つだけ共感できるものが見つかったというものだ。
無論、あちらは吾輩のことなど覚えてはおらぬだろうが。
さて、吾輩も哀れなる先人の一人になったことだ。
次の課題を与えるとしよう。
次の日、己でも嫌気がさすようなダンジョンへと生徒達を送り出した。
流石にヒントとして、時間制限を過ぎれば<遭難者>となることを伝えたが、何人が気付くであろうか。
よしんば理解できたとしても、克服や突破ができるかは別の問題であるが。
そういえば≪ヘイズ≫のアカネ生徒は、他の教諭や生徒から期待の新星とまで呼ばれていたな。
このダンジョンをどう突破するのか、見物である。
………
………………………
………………………………
既に半日が経過した頃、ようやく一つのパーティーがダンジョンから戻ってきた。
「ハヴラ生徒のパーティー、減点」
<鉱術>で生み出した下僕に生徒を運ばせて、次から次へと出てくる生徒に減点を言い渡す。
このダンジョンは最も命の危険がない<ダンジョンの挿枝>から誕生したもの。
ただし、最も恐ろしいダンジョンとも言われている。
何故か?
ここに出現するトラップ、モンスター全てが<探索者>を絡めとるような仕組みになっているからだ。
モンスターの一撃で悶絶したところに、別のモンスターがその<探索者>を拉致。
慌てて追う<探索者>もトラップにより無力化、拘束されて力を奪われ続ける。
なんともまぁ趣味の悪いダンジョンであろうか。
「減点、減点、減点、減点」
それでもこうやって戻ってくるだけ、マシだろう。
無駄に頑張り<遭難者>になるくらいならば潔く自死すべきだ。
死ぬべき時に死ねなかった者の生は、見るにも耐えないくすんだ色にしかならぬからな。
こうしてほとんどの生徒達が減点されながらも戻ってきたことは予測通り。
残りは≪ヘイズ≫のアカネ、≪ドルイド≫のテクマ、≪レギオズ≫のエヴェド、≪キメラ≫のアタレフ生徒の四人だ。
何もできず哀れにもがいているのか、それでもまだ大地を踏みしめているのか確かめてみるとしよう。
ダンジョンにはレベル制限があるが、吾輩にはあまり関係ない。
今のレベルならば指二本で問題ないと判断し、右手から外してダンジョンへと潜り込ませる。
石人たる≪ゲンマ≫の吾輩ならではの方法だ。
意識も感覚も共有されている為、ダンジョンの中でも戦闘に支障はない。
そうしてダンジョンの奥へ奥へと進むと、生徒達を見つけることに成功した。
それと同時に、こちらを察知したアタレフ生徒が襲い掛かる。
指二本とはいえ、生徒に敗北するならば教職を辞すべきであろう。
吾輩は即座に<鉱術>で生み出した土くれの柱で、叩きのめした。
「ふむ、反応は悪くない。ただ、未知に対して咄嗟に攻撃するならば思考して動きたまえ」
「その声……ノフェル先生なんですか!?」
驚くアカネ生徒の頭上から毒蟲が飛び掛かるのを察知した為、<緑の大槌>で叩き潰す。
「アカネ生徒、注意力散漫のため減点だ」
「すみません……でも、本当に先生なんですね。指だけって、どうやって……?」
「減点、それは今思考に割くべき問題ではない。さて、パーティーの現状を確認するとしよう」
≪ドルイド≫のテクマ生徒は荒い呼吸でアカネ生徒に寄りかかっている。
≪レギオズ≫のエヴェド生徒は槍を杖にし、息も絶え絶えといった状態。
≪キメラ≫のアタレフ生徒は傷口から体液が漏れ出ており、多少の疲労が見える。
≪ヘイズ≫のアカネ生徒は比較的に無事、仲間を盾にして温存したのであれば加点の余地あり。
「では、この体たらくについて説明してもらおうか」
その後は予想通りの話であった。
油断していたテクマが最初に罠にかかり、襲い掛かるモンスターから守る為にエヴェドが庇う。
そうしてお互いに庇い合い、消耗し、徐々に追い詰められていったといったところだ。
アカネとアタレフは<遭難者>になる可能性を考え、己の身を守ることを優先したと。
「ここまでいい、予測の範疇である。吾輩が聞きたいのは、なぜその足手まといを連れてダンジョンを進んでいるのかということだ」
アカネとアタレフはまだいい。
しかしテクマとエヴェド、この二人はもう駄目だ。
盾にすらならん足枷だ。
「……テクマさんはまだこちらの指示で<色術>が使えます。エヴェドくんも――――」
「アカネ生徒、減点だ」
言い訳を最後まで聞くことなく、吾輩は足手まといとなる二人を<鉱術>で作り出した大鎌で首を刎ねた。
「当ててやろう。あの二人を殺したことで恨まれるのが怖かった、だから殺せなかった。ならばアタレフに頼めばいいが、それすらできないならほど甘いならば、減点するしかあるまい」
彼女は何かを言おうと口を開くも、すぐに閉じた。
何を言ったところで言い訳にしかならないことを理解したようだ。
「……先生、オレには減点はないんすか?」
「ない。役立たずが足手まといに気を使っている間、お前が周囲を警戒しなければならなかったからな。そこまで求めるほど、期待してはおらん」
不審なものを見つけた瞬間に攻撃動作に移れたところからも、及第点だ。
「さて……別のダンジョンにいた者共も皆、治療室へと運ばれていった。残りはお前達だ」
「待ってください!」
「……なんだね? まさか、今になって死ぬのが怖いとでも言うつもりか?」
「いいえ。先生は足手まといを連れてダンジョンを進むつもりかと仰いました……今、もうその足手まといはいません。二人で進ませてください!」
どうやらまだ心が折れていないらしい。
なるほど、こういった所に惹かれるが故に他の生徒や教師から注目されているのだろう。
「<遭難者>になることが怖くないのかね?」
「このまま減点されたままの方が怖いですね。少しは加点してもらわないと」
「ふむ……よかろう。己の無力さを痛感する機会に恵まれたな」
「ありがとうございます! それで、アタレフくんに聞きたいことがあるんだけど――――」
先ずは互いにこのダンジョンで気付いたこと、対処すべき優先度を確認しあった。
こんな場所でやるべきことではないが、恐らく吾輩がいるが故にこの場は安全だと判断したのであろう。
吾輩を巻き込んでおきながら利用するその面の皮については、多少評価してやってもいい。
しっかりと相談し、休憩した後の行動は早かった。
敵の拘束攻撃も全てに対応するのではなく、片手や片足程度なら放置。
敵がこちらを無力化させていることに特化しているということは、片手で対処できる程度ということでもある。
なので処理すべき優先度さえ間違えなければ問題ない。
他にも既に複数の状態異常におかされているアタレフを突っ込ませ、消耗してきたら回復する。
何度も同じ症状を回復するよりも効率的だ。
そして初見のものがあれば最初に全力の<色術>で対処する。
近づくことすらリスクになるのであれば、これが最適解と言えるだろう。
途中、危ぶまれるところもあったが、最小の怪我とリスクで切り抜ける。
アタレフには遠慮がないこともあり、効率的に戦い、リスクも管理できているようだ。
ではどうして今より余力のある四人パーティーの時にあそこまで追いつめられていたのか?
恐らく遠慮が出てしまう相手がいると本来の力を発揮できないのだろう。
皆が仲間になろうと群がるというのに、肝心の本人はそのせいで力を発揮できないとは皮肉なものだ。
仲間を道具として見られたならば、少しは楽であったろうに。
……と、そんなことを考えている間にも二人の生徒はダンジョンの主の間へと到達した。
そこには巨大な大蛙が鎮座していた。
このダンジョンの主に相応しく、毒に麻痺に拘束技。
文字通り生殺しにする手管が何十通りもある害悪なものである。
「先生! あれを倒したら加点ありますかね?」
「ああ、考えておこう」
肩で息をしながらも勢いがある。
もしかしたならば、あの大蛙を倒せるかもしれぬな。
そんな二人を、吾輩は<鉱術>による槍で頭を撃ち抜いた。
……いや、アタレフだけは驚異的な勘で躱したか。
なまじ横着するものではないと己を戒め、次は百の槍を持って全身を射抜いた。
さて……こうして最後の二人もダンジョンに戻ってきた。
最後に教訓を伝え、授業を終えるとしよう。
「吾輩がいるから何とかなるという甘えが見えた。あの消耗状態でダンジョンの主に挑むべきではない。アカネ生徒、減点。」
何か言いたそうな顔をしていたが、構わず治療室に運ぶ。
「アタレフ生徒、吾輩を潜在的な脅威として注意できていたな。しかし、それならば同行者にも伝えるべきだった。減点である」
こちらも不服そうな顔をしていたが、無視して治療室へと運ぶ。
ほどなくして指も戻り、全てのダンジョンは閉じられた。
一息つき、色あせた昔を思い出す。
もしも吾輩にも、同じように指導する教師がいたならば結末は違っただろうか。
あの英雄に、あのような顔をさせる事はなかっただろうか。
……これでは仮定ではなく、妄想だ。
何の生産性もない思考に費やす無駄など、吾輩には残されていないというのに。
いつしか全ての無駄を排した時には、また色が戻るのであろうか。
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
田舎おじさんのダンジョン民宿へようこそ!〜元社畜の俺は、民宿と配信で全国初のダンジョン観光地化を目指します!〜
咲月ねむと
ファンタジー
東京での社畜生活に心身ともに疲れ果てた主人公・田中雄介(38歳)が、故郷の北海道、留咲萌町に帰郷。両親が遺したダンジョン付きの古民家を改装し、「ダンジョン民宿」として開業。偶然訪れた人気配信者との出会いをきっかけに、最初の客を迎え、民宿経営の第一歩を踏み出す。
笑えて、心温かくなるダンジョン物語。
※この小説はフィクションです。
実在の人物、団体などとは関係ありません。
日本を舞台に繰り広げますが、架空の地名、建造物が物語には登場します。
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら
リヒト
ファンタジー
現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。
そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。
その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。
お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。
ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。
お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる