20 / 37
それから
15.生徒会の新しい仲間
しおりを挟む
そんなこんなで夏休みが終わり、新学期が始まった。
私はと言えば、道場の建設も事業も順調だ。
学園の方はロイエの退学がじわじわと騒ぎになっていたが、まあ、私に直接聞きに来られる人は少ないわけで。それなりに平和な時間を過ごせている。
え?ルト様とフォンス様?……それはまあ、それなりにと言いますか……二人とも、気遣ってくれている感じかな。手紙のやりとりとかで。……ちょっと甘めで、うっ、となることも多いのだけれど……うん、それぞれ忙しさもあるので、ひとまずは。
そして生徒会も基本は毎日あるのだけれど。今日は日直で少し遅くなってしまった。
「失礼致します。遅れてしまって……」
ノックをして、生徒会室に入る。あら?ルト様に並んで、何だか見慣れない子がいるわ。
「構わないよ、リア。今日は日直だったものね。ちょうど彼を皆に紹介していたんだ。生徒会のひとつ空いてしまった席を頼める人物」
「まあ!決まったのですね」
そう、実はロイエの抜けた穴を任せられる人材を生徒会で探していたのだ。結構仕事量もあるので、あんなクズでも抜けたら響く。まあ、あんなになる前は仕事もちゃんとしてたしね。
「うん。彼はグレイ=ヘンドラー子爵令息。私達のひとつ下だが、優秀でね。アーロンのお墨付きだ」
アーロンとは、現生徒会役員で侯爵家のご嫡男。彼も社交上手なのよね。でも、人を見る目は確か。ちなみにアーロンの他は、私と同じ学年の伯爵家のご令嬢アメリアと、アーロン達の学年の伯爵家のご令嬢メリーヌがメンバーだ。
「でしたら間違いないですわね。これから宜しくお願い致します、ヘンドラー子爵令息」
私は笑顔で挨拶をしたのだが、ヘンドラー子爵令息は眉間にシワを寄せて微妙な顔をしている。
うん?私的にマナー違反とかないはずだけどな?毎日隣には怖いアネシス先生がついてるし。シスの表情を読むと、相手の態度が気に入らないと顔に書いてある。表面笑顔なので、普通にはわからないレベルだけれど。
「……こちらこそ宜しくお願い致します、アウダーシア公爵令嬢」
うぅん、間違ってないけど、何ですかね?私達、初対面ですよね?私、何かしましたか?と聞き出したくなる顔だ。
二人の女子メンバーも、苦笑いの表情をしている。そうなるよね?
「こら、グレイ、顔。シャルリア様すみません。こいつ基本こんな顔で……いいやつなんですけど」
「顔は仕方ないだろう」
「お前ね、そうじゃなくだな……」
「何だ」
いつも見ているであろうアーロンが言うのであるならば、そういうお顔なのかしら。それにしてもの威圧感だけど。それでも辺境騎士団に囲まれて夏休みを過ごしてきた私は耐性があるけれど、アメリア達の反応を見ても、クラスの女の子達は大丈夫なのかしらと心配になるわ。
「はあ~。そんなんだから、怖がられて勘違いされるんだよ……シャルリア様にお礼を言いたかったんだろ?」
「私に、お礼?」
全く身に覚えがないことに、私はちょっと首を傾げた。その様子を見ていたヘンドラー子爵令息は、更に苦虫を噛み潰したような顔になっている。
「とてもお礼と言うお顔では……」
「あ!まったく!お前はそれを何とかしろ!」
思わず出てしまった私の呟きに、アーロンが慌ててヘンドラー子爵令息に突っ込む。そして彼は更に渋い顔になる。
あまりの表情に、他の女子メンバーも震えて……ん?よく見ると、あれは笑いを堪えている?ん?
どういうことかな?
私はと言えば、道場の建設も事業も順調だ。
学園の方はロイエの退学がじわじわと騒ぎになっていたが、まあ、私に直接聞きに来られる人は少ないわけで。それなりに平和な時間を過ごせている。
え?ルト様とフォンス様?……それはまあ、それなりにと言いますか……二人とも、気遣ってくれている感じかな。手紙のやりとりとかで。……ちょっと甘めで、うっ、となることも多いのだけれど……うん、それぞれ忙しさもあるので、ひとまずは。
そして生徒会も基本は毎日あるのだけれど。今日は日直で少し遅くなってしまった。
「失礼致します。遅れてしまって……」
ノックをして、生徒会室に入る。あら?ルト様に並んで、何だか見慣れない子がいるわ。
「構わないよ、リア。今日は日直だったものね。ちょうど彼を皆に紹介していたんだ。生徒会のひとつ空いてしまった席を頼める人物」
「まあ!決まったのですね」
そう、実はロイエの抜けた穴を任せられる人材を生徒会で探していたのだ。結構仕事量もあるので、あんなクズでも抜けたら響く。まあ、あんなになる前は仕事もちゃんとしてたしね。
「うん。彼はグレイ=ヘンドラー子爵令息。私達のひとつ下だが、優秀でね。アーロンのお墨付きだ」
アーロンとは、現生徒会役員で侯爵家のご嫡男。彼も社交上手なのよね。でも、人を見る目は確か。ちなみにアーロンの他は、私と同じ学年の伯爵家のご令嬢アメリアと、アーロン達の学年の伯爵家のご令嬢メリーヌがメンバーだ。
「でしたら間違いないですわね。これから宜しくお願い致します、ヘンドラー子爵令息」
私は笑顔で挨拶をしたのだが、ヘンドラー子爵令息は眉間にシワを寄せて微妙な顔をしている。
うん?私的にマナー違反とかないはずだけどな?毎日隣には怖いアネシス先生がついてるし。シスの表情を読むと、相手の態度が気に入らないと顔に書いてある。表面笑顔なので、普通にはわからないレベルだけれど。
「……こちらこそ宜しくお願い致します、アウダーシア公爵令嬢」
うぅん、間違ってないけど、何ですかね?私達、初対面ですよね?私、何かしましたか?と聞き出したくなる顔だ。
二人の女子メンバーも、苦笑いの表情をしている。そうなるよね?
「こら、グレイ、顔。シャルリア様すみません。こいつ基本こんな顔で……いいやつなんですけど」
「顔は仕方ないだろう」
「お前ね、そうじゃなくだな……」
「何だ」
いつも見ているであろうアーロンが言うのであるならば、そういうお顔なのかしら。それにしてもの威圧感だけど。それでも辺境騎士団に囲まれて夏休みを過ごしてきた私は耐性があるけれど、アメリア達の反応を見ても、クラスの女の子達は大丈夫なのかしらと心配になるわ。
「はあ~。そんなんだから、怖がられて勘違いされるんだよ……シャルリア様にお礼を言いたかったんだろ?」
「私に、お礼?」
全く身に覚えがないことに、私はちょっと首を傾げた。その様子を見ていたヘンドラー子爵令息は、更に苦虫を噛み潰したような顔になっている。
「とてもお礼と言うお顔では……」
「あ!まったく!お前はそれを何とかしろ!」
思わず出てしまった私の呟きに、アーロンが慌ててヘンドラー子爵令息に突っ込む。そして彼は更に渋い顔になる。
あまりの表情に、他の女子メンバーも震えて……ん?よく見ると、あれは笑いを堪えている?ん?
どういうことかな?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
374
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる