ユキトカミ

Natsu

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【2】

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 3匹の猫は街を歩いていた。

 路地は怖かった。
 もうあそこにはいたくなかった。

 だから、3匹の猫は街を歩いていた。

 白い妖精はまだまだ降りてくる。
 空にはどれだけの妖精が住んでいるのだろう。

 黒猫は空を見上げ、不思議に思った。
 冷たい風が吹いた。

 風が体を撫でると、1匹の白猫がその場に倒れた。

 2匹の猫は、白い妖精に埋もれた白猫を起き上がらせようとする。
 倒れた白猫は小さな鳴き声をあげた。

 もう無理だ。
 もう歩けない。

 そうあきらめる白猫を、2匹の猫は必死に起き上がらせた。

 まだ大丈夫だ。
 まだ歩ける。

 そう励ますと、白猫は立ち上がった。

 3匹は街を歩きだす。
 白い妖精が支配する街の中を歩いた。

 少しでも暖かい場所を求めて歩き続けた。

 黒猫は足を止めた。
 そばにある街灯の光が消えてしまったのだ。

 黒猫は目を見開いた。
 そばにある街灯の前に、1人の人間が立っていた。

 黒いコートを着て、大きな鎌を背負っている老人だった。

 3匹は震えた。
 老人は人間ではなく、死神なのだから。

 白い妖精が支配する世界で、黒い死神は手招きをした。

 死神に呼ばれた3匹は震えた。
 だが、先ほど倒れた1匹の白猫が歩きだす。

 行くな。

 黒猫は白猫を止めようとした。

 止められなかった。

 白猫が弱々しい足取りでやってくると、死神は優しい手の平で包み込む。

 3匹の猫は、2匹の猫になった。
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