☆なんちゃってクエスト★

Natsu

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■闘魔悪、白と黒と悪魔編

【10】

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 闘国の中にある学院がくいん
 その学院の広い道場で、数十人の生徒が座り、光力こうりょく使用禁止の実戦形式じっせんけいしき模擬戦闘もぎせんとうを見ていた。

「──ぐっ」

 模擬戦闘中だったゼンスは良い一撃を食らい、その場に膝をついた。

「そこまで。相手の隙を見逃さずに、良い攻撃を当てたな。さすがじゃねえか」

 そう言って闘王は、ゼンスに膝をつかせた対戦相手の生徒のそばに寄った。
 ゼンスは息をあらくしながら、立ち上がって試合場しあいばからろうとする。

「おい待て、れいを忘れてるぞ。何回も言わせんな」

 闘王の言葉に小さく舌打ちをしてから、ゼンスは対戦相手と向き合ってからお辞儀じぎをした。
 その後、整列すると、闘王は今回の授業の評価点などを一通ひととおり話した。

「よし、解散。あとはゆっくり休め」

 めの言葉と共に、生徒たちは疲れたような顔で道場から出ていく。

「おいゼンス、待てこの野郎」

 名を呼ばれると同時に肩に腕を回され、足を止めるしかなくなったゼンスはからんできた闘王を横目で見る。

「なんだよ?」

「今日は調子悪いのか? いくらなんでも、あんなに美味しく一発食らうことはねえだろ」

「……うるせえな。あっさり負けたお説教か?」

「違えよ、じつはちょっとの間だが国を離れることになってな。お前がさびしくならないように、今のうちに愛を注いでおこうと思ってよ」

「殴るぞお前」

「当たると思うなら殴ってみろ。いつも言ってるが、闘気なしで相手してやる」

 闘王はけらけら笑い、そして真顔になる。

「いいかゼンス。俺が不在中は、絶対に闘気は使うなよ? 俺でも一瞬遅れるぐらいには、お前の暴走は危険だ。俺が国にいれば俺が止めるの遅かったと言い訳できるが……いないとくるまぎれの言い訳もで」

 しゃべっている闘王をさえぎり、ゼンスは乱暴に腕を払いのけた。

「もう暴走なんてダサいことはしねえ。馬鹿にすんな」

 ゼンスが言うと、闘王は一瞬きょとんとした顔になり、またけらけらと笑いながら口を開く。

「するに決まってんだろガキが。でかい口叩くなら、まず俺に一発でも当て」

 その瞬間、握られたけんが闘王の顔面に飛んできた。
 闘王は顔に当たる寸前で、手のひらで拳を受け止める。

「──ふん、まだ当たらねえよ」

 余裕そうに笑いながら言う闘王に、ゼンスは片眉を上げた。

「おい、今闘気使っただろ? 光力なしの素の身体能力でいつでも相手してやるんじゃねえのかよ」

「……は、はあ? 使ってませんけど?」

「いや、一瞬だけど青くひかっただろ」

「光ってませんけど? 使った証拠あんのか? いつ何時何分何秒か言ってみろ、言えねえだろ、ほら見ろお前の勘違いだ。負けた言い訳やめとけ見苦しいぞ。だいたいお前はいつもなんたらかんたら」

 逆に使ったと暴露ばくろしているような見苦しい言い訳を始めた闘王に、負けず嫌いのガキはお前じゃねえか、とゼンスはため息をつきながら思わず微笑んだ。
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