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■結成編
【17】
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静寂が支配する。
もう動くものはなく、残されたのは人間が国と呼んでいたものの残骸だけが散らばっていた。
『結局、この身体も我の魔力に耐えられなかったか……しょせんは屍をいじった出来損ないではあったが竜の身体ゆえに少し期待したんだがな』
残骸と共に力尽きたように倒れているドラゴンは、くくく、と楽しげに笑う。
『いや、さすがに遊びすぎてダメージを受けすぎたのは我のミスか。だが、得るものは確かにあった』
黒い光が蠢くようにドラゴンの背中に集まり、見るものを身震いさせるような大きな輝きを作りだす。
『一番嬉しい誤算は、神、貴様が介入してくれたことだ。あきらかに我の邪魔をしたな。我らが直接干渉しあうのはこの世界とやらのなかではルール違反だろう。なにをあせったのか』
ドラゴンの背中で輝く黒い光が徐々に小さくなっていき、なにかを形作るようにまた蠢く。
『新しい勇者か……貴様がそれを守ったことになにか意味があるなら、我もそれに意味を見いだしてみよう』
蠢く黒い光、闇が形を整えていく。
それと同時に変化が起き、さきほどまで黒いもやに覆われて見えなかったドラゴンの瞳がむき出しになっており、今は生気のない濁った目を確認することができる。
そして、ドラゴンの背中の上に、1人の少年が立っていた。
『新たな実験だ。我の力で人間を作りだし、それらがどこまで成長するのか。そしてそれを使ってなにができるのか』
年齢でいえば10歳程度であろう少年は黒い光を輝かせ、瞳を黒いもやで隠したまま口元に笑みを浮かべる。
──少年、否、魔王は黒く輝く天に顔を向けた。
『神よ、貴様は我が気に食わないのだろうが我とて同じだ。我はこの世界が気に食わない。魔王として生み落としておきながら、なぜ──』
突如、魔王の身体がふらついた。
『……みろ、我自身の身体は魔王の名をゆうしながらドラゴンの屍よりも脆い。これほど脆弱な魔王がいてたまるか。ましてやそれが我などと……これほど屈辱的なことがあっていいはずがない』
魔王を包む黒い光がどろりと滴り落ちていき、足元に水たまりのような空間を作りだした。
『聞いていたな神? これは宣戦布告だ。世界のルールなどという縛りのなかで魔王という道化で終わる気はない。そう、我は──』
最後まで語ることはなく、まるで水たまりに飲み込まれるように魔王は姿を消した。
残されたのは国と呼ばれた残骸、ドラゴンの屍、そして──
『聞いていたよ。本当に馬鹿なんだから』
少女のようにあどけなさが残る声だけだった。
もう動くものはなく、残されたのは人間が国と呼んでいたものの残骸だけが散らばっていた。
『結局、この身体も我の魔力に耐えられなかったか……しょせんは屍をいじった出来損ないではあったが竜の身体ゆえに少し期待したんだがな』
残骸と共に力尽きたように倒れているドラゴンは、くくく、と楽しげに笑う。
『いや、さすがに遊びすぎてダメージを受けすぎたのは我のミスか。だが、得るものは確かにあった』
黒い光が蠢くようにドラゴンの背中に集まり、見るものを身震いさせるような大きな輝きを作りだす。
『一番嬉しい誤算は、神、貴様が介入してくれたことだ。あきらかに我の邪魔をしたな。我らが直接干渉しあうのはこの世界とやらのなかではルール違反だろう。なにをあせったのか』
ドラゴンの背中で輝く黒い光が徐々に小さくなっていき、なにかを形作るようにまた蠢く。
『新しい勇者か……貴様がそれを守ったことになにか意味があるなら、我もそれに意味を見いだしてみよう』
蠢く黒い光、闇が形を整えていく。
それと同時に変化が起き、さきほどまで黒いもやに覆われて見えなかったドラゴンの瞳がむき出しになっており、今は生気のない濁った目を確認することができる。
そして、ドラゴンの背中の上に、1人の少年が立っていた。
『新たな実験だ。我の力で人間を作りだし、それらがどこまで成長するのか。そしてそれを使ってなにができるのか』
年齢でいえば10歳程度であろう少年は黒い光を輝かせ、瞳を黒いもやで隠したまま口元に笑みを浮かべる。
──少年、否、魔王は黒く輝く天に顔を向けた。
『神よ、貴様は我が気に食わないのだろうが我とて同じだ。我はこの世界が気に食わない。魔王として生み落としておきながら、なぜ──』
突如、魔王の身体がふらついた。
『……みろ、我自身の身体は魔王の名をゆうしながらドラゴンの屍よりも脆い。これほど脆弱な魔王がいてたまるか。ましてやそれが我などと……これほど屈辱的なことがあっていいはずがない』
魔王を包む黒い光がどろりと滴り落ちていき、足元に水たまりのような空間を作りだした。
『聞いていたな神? これは宣戦布告だ。世界のルールなどという縛りのなかで魔王という道化で終わる気はない。そう、我は──』
最後まで語ることはなく、まるで水たまりに飲み込まれるように魔王は姿を消した。
残されたのは国と呼ばれた残骸、ドラゴンの屍、そして──
『聞いていたよ。本当に馬鹿なんだから』
少女のようにあどけなさが残る声だけだった。
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