私と異国からきた水神さま

かず斉入道

文字の大きさ
9 / 175

第9話 彼は首を傾げる(2)

しおりを挟む
「そ、そんなことはありません!」
「嘘をつくなよ~、お前~、俺のことが好きなのだろう~?」
「い、いいえ、貴方のことなんか好きではありません~。嫌いです」

 私の前でケラケラと意地悪く笑う桃の精霊さま、じゃなかった! 魔王さまだった! まあ、そんな彼に私は半分は図星を指摘され。多分今は真っ赤な顔をしながら彼の指摘を真っ向から否定している最中……。

 それも私のことを知らないと平然と嘘をつくゴブリン化している彼へとムキになって告げ、吠えていると思う?

 だからもう既に桃の精霊さまから魔王さまへとなられた彼は更に私へと悪態をついてくるのだ。

「おい! 馴れ馴れしいお前! この俺様と仲良くなりたいのだろう? ほら、スマホ貸してみろ。お前は顔だけは良いから、俺が直接L〇NEの番号を記入してやるよ。そして俺の女友達の一人に加えてやるから、ほら、スマホを貸せ!」と。

 魔王さまは苦笑を浮かべながら真っ赤な顔をしている私に手を出し、スマートフォンを貸せと上から目線で下知をだしてきた。

「いやです!」

 私は天狗さまにもなっている魔王さまの差し伸べてきたた手を荒々しく叩きながら告げ、拒否をした。

 だから天狗さまになっている魔王さまは唖然、呆然するのだ。

 多分魔王さまの先ほどからの私への悪態……。女の子への労りのない態度を見れば魔王さまは自分の意思とは無関係に女の子達に言い寄られ、茶化されているに違いないと私は思うのだ。

 実際彼は性格の方が大変にあまのじゃくあまのじゃくで性格が歪んでいるとしても、私が前回お会いした時に、彼の言う通りでのような麗しい銀髪、蒼い瞳の彼に一目で魅入り、恋に堕ちたと思う? と。
 今まで異性に対して恋愛感情を持たなかった私の、もしかすると初恋だったのかもしれない?

 でも私はこんな軽いノリのナンパ師は好みではないから。唖然、呆然としている彼へと

「すいません」と告げ、慌てて自転車愛車へと跨り──。私は乗車すれば自転車のハンドルを力強く握り、両足を使用して、ペダルを力強く踏み込み、クルクル回転させながらペダルを回して──!

 私はその場から……。

 そうと桜の花弁が春先の風に吹かれ舞う姿、様子は本当に見ごたえがあり。その光景が自分の心の中に深く残るのだが
 私はあの生意気な男の子……魔王様がいるから長々と見惚れ、堪能することもできずに、と彼の前から逃げるように姿を消していくのだ。ちゃんと恋愛小説の別れのシーンのように自身の両目に涙を一杯貯め、ポロポロと流しながら、ね。


 ◇◇◇

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ

暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】 5歳の時、母が亡くなった。 原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。 そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。 これからは姉と呼ぶようにと言われた。 そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。 母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。 私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。 たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。 でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。 でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ…… 今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。 でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。 私は耐えられなかった。 もうすべてに……… 病が治る見込みだってないのに。 なんて滑稽なのだろう。 もういや…… 誰からも愛されないのも 誰からも必要とされないのも 治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。 気付けば私は家の外に出ていた。 元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。 特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。 私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。 これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

買われた彼を解放しろと言うのなら返品します【完】

綾崎オトイ
恋愛
彼を解放してあげてください!お金で縛り付けるなんて最低です! そう、いきなり目の前の少女に叫ばれたルーナ。 婚約者がこの婚約に不満を感じているのは知っていた。 ルーナにはお金はあるが、婚約者への愛は無い。 その名前だけで黄金と同価値と言われるほどのルーナの家との繋がりを切ってでも愛を選びたいと言うのなら、別に構わなかった。 彼をお金で買ったというのは、まあ事実と言えるだろう。だからルーナは買ってあげた婚約者を返品することにした。 ※勢いだけでざまぁが書きたかっただけの話 ざまぁ要素薄め、恋愛要素も薄め

処理中です...