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第8話 彼は首を傾げる(1)
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「この間はどうも」
私はまだ冬の寒さも残る春先の晴天の中で、自分の自転車のペダルを力強く回し、スピードを上げる行為をやめ、愛車を停車した。
で、その後は愛車のサドルから腰を下ろして地面に立てば彼……。例の少年……。
そう桃の木の満開時にお会いした、桃の精霊の様のように麗しく、優しい男の子が、今度はこの【早咲き桜】の木々が立ち並び、花が咲き──まだ冬の寒さが残る春先の風に吹かれ、舞う中で。桃の並木でお会いした時と同じように、私は彼と偶然にもお会いする事ができたから本当に嬉しい。
だから私は愛車の横に立ち彼に挨拶をするのだが。
「…………」
でも彼はこの通りの無表情で無反応……。桃の花弁が舞う中で会った時のように。私の呼びかけに対して桃の精霊さまのように麗しい彼は温かい笑みを浮かべ、気さくに声を返してくれないどころか?
彼は私の顔見て、声を聞き、困惑や動揺をするだけではなく。私に対して怪訝な表情へと変え、睨みながら。
「はぁ、お前誰だ?」
桃の精霊さまは、私が予想もつかないような台詞を唸るように問いかけてきた。
「えっ!」
だから私は驚嘆して驚きを隠せない顔をするのだけれど。
「お前、赤の他人の俺様に対して、少し馴れ馴れしくないか?」
彼は以前とは違い、私の御機嫌伺いをする訳もなく、荒々しい態度で唸り、吠えてきた。
「えっ! あの……」
大変に恐ろしい顔で怒声を吐いてきた彼へと私は怯えながら声を漏らすと。
「あ、あの、貴方とは数日前に、この河川敷公園の下流の桃の並木がある場所でお会いして、私と会話をされたと思うのですが?」
私は銀髪に蒼い瞳を持つ異国情緒溢れる彼のことを他人と見間違えることはないので恐る恐ると小さな声音で怯えながら尋ねてみた。
「……ん?」
彼は私の説明を聞き、食い入るように見詰め。「う~ん」と唸りながら少しばかり悩んだ顔をし始め。その後は天を見上げながら考える人へと変化……。また「う~ん、う~ん」と唸れば。また私の方へと顔の向きを変え、蒼い瞳で睨むように見詰めてくると。
「俺はお前のような奴は知らん! 会うのも初めてだ!」
彼は数日前に桃の花の木の下で私と会い、和気藹々と会話をしたはずなのに、あの時と同じように流暢な日本語で知らない、会うのは初めてだと否定をしてきた。
「えっ! うそ?」
だから私はまた驚嘆するのだけれど。
「嘘ではない、本当のことだ!」
でも彼は怪訝な表情で、自分の言葉に嘘偽りはないのだと言葉を返してきた。
でもみなさんも知っての通り、彼とは数日前に桃の花弁舞う下で会い。私が生まれて初めてのデートに近い会話をした仲だから。
私自身も彼の顔と声音も間違えるはずはない。
それでも彼は私と会うのは初めてだと突き放すから。
「そんな……」
私が目の前で不快感を募らせ、怒りをあらわにしている桃の精霊さまから視線をそらし、下を向きつつ落胆しながら嘆くように呟く。
「……ん? あっ! お前、もしかして俺に一目惚れをしたから。俺と仲良くなりたいと思い、嘘偽りを告げ、話しかけてきたのか?」
「えっ! 私が、ですか?」
「ああ、そうだ、女! お前だ!」
まあ、ふざけていると言うか? 何~~~、この人は~~~!? と私が呆れ声で大声にして叫びたい衝動に駆られるほど桃の精霊のように優しかった彼は、前回お会いした時とは違い……。
そうまるで別人? 今回は魔王の如く振る舞い。彼は自身の口の端を釣り上げながら薄ら笑いを浮かべいやらしく私が自分に気があるのだろう? と。
私の顔色が変わりドキッ! とすることを告げ、尋ねてくるから。
「わ、私ですか?」と動揺しながら言葉を返してしまうので。
「ほら、図星じゃないか」と指摘され。
「俺はタメ、年上、年下関係なくマジでモテるからな、お前も俺に一目惚れをして近づいてきたのだろう?」
彼は私に対して誠意のある言葉ではなく揶揄……。まあ、チョイワル風にケラケラといやらしく、マジで信じられない! と言った悪態を本当に桃の精霊なのかな? と思うほどついてくる。
(お願い)
レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)
私はまだ冬の寒さも残る春先の晴天の中で、自分の自転車のペダルを力強く回し、スピードを上げる行為をやめ、愛車を停車した。
で、その後は愛車のサドルから腰を下ろして地面に立てば彼……。例の少年……。
そう桃の木の満開時にお会いした、桃の精霊の様のように麗しく、優しい男の子が、今度はこの【早咲き桜】の木々が立ち並び、花が咲き──まだ冬の寒さが残る春先の風に吹かれ、舞う中で。桃の並木でお会いした時と同じように、私は彼と偶然にもお会いする事ができたから本当に嬉しい。
だから私は愛車の横に立ち彼に挨拶をするのだが。
「…………」
でも彼はこの通りの無表情で無反応……。桃の花弁が舞う中で会った時のように。私の呼びかけに対して桃の精霊さまのように麗しい彼は温かい笑みを浮かべ、気さくに声を返してくれないどころか?
彼は私の顔見て、声を聞き、困惑や動揺をするだけではなく。私に対して怪訝な表情へと変え、睨みながら。
「はぁ、お前誰だ?」
桃の精霊さまは、私が予想もつかないような台詞を唸るように問いかけてきた。
「えっ!」
だから私は驚嘆して驚きを隠せない顔をするのだけれど。
「お前、赤の他人の俺様に対して、少し馴れ馴れしくないか?」
彼は以前とは違い、私の御機嫌伺いをする訳もなく、荒々しい態度で唸り、吠えてきた。
「えっ! あの……」
大変に恐ろしい顔で怒声を吐いてきた彼へと私は怯えながら声を漏らすと。
「あ、あの、貴方とは数日前に、この河川敷公園の下流の桃の並木がある場所でお会いして、私と会話をされたと思うのですが?」
私は銀髪に蒼い瞳を持つ異国情緒溢れる彼のことを他人と見間違えることはないので恐る恐ると小さな声音で怯えながら尋ねてみた。
「……ん?」
彼は私の説明を聞き、食い入るように見詰め。「う~ん」と唸りながら少しばかり悩んだ顔をし始め。その後は天を見上げながら考える人へと変化……。また「う~ん、う~ん」と唸れば。また私の方へと顔の向きを変え、蒼い瞳で睨むように見詰めてくると。
「俺はお前のような奴は知らん! 会うのも初めてだ!」
彼は数日前に桃の花の木の下で私と会い、和気藹々と会話をしたはずなのに、あの時と同じように流暢な日本語で知らない、会うのは初めてだと否定をしてきた。
「えっ! うそ?」
だから私はまた驚嘆するのだけれど。
「嘘ではない、本当のことだ!」
でも彼は怪訝な表情で、自分の言葉に嘘偽りはないのだと言葉を返してきた。
でもみなさんも知っての通り、彼とは数日前に桃の花弁舞う下で会い。私が生まれて初めてのデートに近い会話をした仲だから。
私自身も彼の顔と声音も間違えるはずはない。
それでも彼は私と会うのは初めてだと突き放すから。
「そんな……」
私が目の前で不快感を募らせ、怒りをあらわにしている桃の精霊さまから視線をそらし、下を向きつつ落胆しながら嘆くように呟く。
「……ん? あっ! お前、もしかして俺に一目惚れをしたから。俺と仲良くなりたいと思い、嘘偽りを告げ、話しかけてきたのか?」
「えっ! 私が、ですか?」
「ああ、そうだ、女! お前だ!」
まあ、ふざけていると言うか? 何~~~、この人は~~~!? と私が呆れ声で大声にして叫びたい衝動に駆られるほど桃の精霊のように優しかった彼は、前回お会いした時とは違い……。
そうまるで別人? 今回は魔王の如く振る舞い。彼は自身の口の端を釣り上げながら薄ら笑いを浮かべいやらしく私が自分に気があるのだろう? と。
私の顔色が変わりドキッ! とすることを告げ、尋ねてくるから。
「わ、私ですか?」と動揺しながら言葉を返してしまうので。
「ほら、図星じゃないか」と指摘され。
「俺はタメ、年上、年下関係なくマジでモテるからな、お前も俺に一目惚れをして近づいてきたのだろう?」
彼は私に対して誠意のある言葉ではなく揶揄……。まあ、チョイワル風にケラケラといやらしく、マジで信じられない! と言った悪態を本当に桃の精霊なのかな? と思うほどついてくる。
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