私と異国からきた水神さま

かず斉入道

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第7話 早咲き桜が咲けば(3)

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「うわぁ~、綺麗~! とっても綺麗だわ~!」

 私は【早咲き桜】を、天を仰ぐように見つめながら、自分の両足で相変わらず力強く『えいや~、ほら~! よっ、こら、しょい!』と思いながら自転車愛車のペダルを回転させるの。
 自分の目の先に見える【早咲き桜】の並木に向けて歓喜するの。

 だって自転車を走らす私に対して【早咲き桜】の木々達は、自身の持つ沢山の腕に飾る花……。それも満開で咲いている【早咲き桜】の花弁を少しばかり早い春風に乗せて自転車を駆る私の視界へと意図的に視界を遮るように自分達の桜色の花弁を舞い散らしてくれるのだ。

 フワフワと春風に乗せてくれる。

 だから【早咲き桜】の花弁の舞いを見ている私、【神童美月】は何とも言えない気分に陥るのだ。

 そう、まるで数日前に私に起きた真っ白いイチゴケーキのような甘い出来事……。

 私が今いる早咲き桜の並木がある河川公園よりも下流にある桃の並木……。

 そこで数日前に会った桃の精霊さまのような銀髪の麗しい男の子……。

 私、神童美月が天から舞い降りた、桃の精霊さまと勘違いをしてしまうほど麗しかった彼との出会いの場面を走馬灯でも見るように思い出してしまうほど、早咲き桜の並木は美しい。

 そんな私の心を奪うほど麗しい早咲き桜の木々を見つめながら自転車愛車を走らせ──。私は自身の心の中でまた後悔を始めるのだ。

 何で私はあれほど彼とお話しをしていたのに。あの男の子が何処に住んでいる人なのか?

 何処の中学校へと通っている人なのか? 

 そして何年生なのかを尋ねることをすっかり忘れてしまったのだろうか? と後悔すると。
 私に対して優しく微笑み、会話をしてくれた、麗しい彼は今元気にしているのだろうか? と思えば。
 私はもしかして 彼に見入り、一目惚れをしたのかな? とも。

 そう私は春らしく、彼に甘い恋心を抱いたのかも知れない と思うぐらい【早咲き桜】の並木の花達は本当に綺麗に色づき。私を魅了してくれるから。

「わぁ~、凄い。凄い……。本当に綺麗、綺麗だね~。早咲き桜の花や花弁は……。特に花弁が風で散り。舞う時なんてぇ、まるで? 蝶が飛び、舞っているみたいに幻想的に見えるくらい本当に綺麗、綺麗だなぁ~」

 私の口から更に歓喜の声が漏れ、我が愛車も更に早咲き桜の並木の奥へと駆け抜けていくのだ。

 すると早咲き桜の花弁が少し冷たい春先の風に揺れ、舞い──。そしてヒラリヒラリと散りゆく中で私はある者を見て、眼が合うから。

「あっ!」と驚嘆するけれど、。

 私と目が合った彼からは、「……ん?」と首を傾げる声が耳に聞こえてきた。


 ◇◇◇




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