私と異国からきた水神さま

かず斉入道

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第29話 恐怖が町を覆い始める? (1)

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「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「皆待った?」

 アスマンちゃんが私やさっちゃん、芽衣ヤーイーちゃんへと、年頃の少女らしく、可愛く手を振りながら告げ、駆け寄ってくる。

 そんな彼女を見ながら私や幸ちゃん、芽衣ヤーイーちゃんも微笑みながらアスマンちゃんへとやはり可愛く手を振り返しつつ。

「うぅん、大丈夫」
「大丈夫だよ」
「全然大丈夫だって~」

 と言葉を返す。

「だって紗枝がいつものようにまだ集合場所へと着いていないから、アスマン、大丈夫だから気にしなくていいよ」

 今日も朝からハッキリと物を申す芽衣ヤーイーちゃんが、朝寝坊さんの紗枝ちゃんがまだ到着していないからと苦笑いを浮かべつつ説明をする。

「やっぱり、そうなんだ?」
「うん」
「そう。あっ、ははは」

 アスマンちゃんの問いかけに対して幸ちゃんが頷けば、。

 芽衣ヤーイーちゃんが笑いだす。

「紗枝のことを家で待っていたんだけれど。あまりにも遅いから、先に集合場所へと行ったのかな? と思って私、慌ててきたのだけれど。紗枝は朝寝坊さんだから来ていなかった……」

 芽衣ヤーイーちゃんの笑う顔を見ながら、アスマンちゃんが少し顔色を変えた。

「うん、まあ、紗枝ちゃんはいつものことだからね。あっ、ははは」

 私もアスマンちゃんの気を逸らす……。

 そう、多分彼女は、朝でもお構いなしに事件が発生する治安の悪化した世の中だから、紗枝ちゃんの身が心配になってきたといった顔を始めだしたから。この場の雰囲気を変えるために私は笑い誤魔化すけれど。

「でも紗枝ちゃん一人だろうから、余り遅くならない方がいいよね」

 紗枝ちゃんが余りにも朝寝坊さんだから、幸ちゃんが顔色を変え心配を始めだす。

「うん」
「そうだよね」

 私とアスマンちゃんが幸ちゃんの言葉に頷くと。

「もしもの事があったらいけないから出来るだけ、登校する子達が多いい時間に登校する方がいいよね。人攫や神隠しにあったらいけないから」

 幸ちゃんに続き、芽衣ヤーイーちゃんも自分の顔色を変え、落ち着きない様子で、いつも紗枝ちゃんが手を振り、笑いながら。ごめん、ごめんね、ごめんなさいと両手を合わす方向を遠目で見詰め始めるから。

 私と幸ちゃんも、自分達の顔色を変えながら紗枝ちゃんがいつも走ってくる方角を悲しい目で見詰めるのだ。
 私達の大事な幼馴染が無事にこの場所へと辿りつくようにと願いを込めてだ。



 ◇◇◇

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