私と異国からきた水神さま

かず斉入道

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第28話 新しい友人の不思議な話(2)

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「……でもアスマンちゃん? 隣のクラスの子が行方不明になっているのならば学校でも、先生達の口から気をつけるようにとの注意や登下校の指示があると思うのだけれど? 家のクラスはそんな事はなかったよ……。それに地方番組のテレビのニュースでも恐ろしい事件が起こった可能性がある? とか、放映されていなかったよ。だからその子は両親と喧嘩をして家出をしただけじゃないの?」

 私達がアスマンちゃんの恐ろしい話を聞き、顔色を変え動揺……。各自が震え慄いていると。いつも強気で元気のいい芽衣ヤーイーちゃんがアスマンちゃんへと苦笑いを浮かべながら大袈裟な話ではないのかと尋ねた。

「あのね……」

 アスマンちゃんはここまで言葉を漏らせば、急に周りも見渡し始める。それも彼女は困惑した表情で私は幸ちゃん、紗枝ちゃんの顔も見るから。

「アスマンちゃん、どうしたの?」

 彼女と最初にクラス内で仲良くなった紗枝ちゃんが首を傾げつつ尋ねると、

「紗枝ちゃんと幸ちゃん……。それと美月ちゃんも私の話を聞いて、嫌な思いをしないでね」とアスマンちゃんから告げられて、「お願いね」と釘まで刺されたから。
「うん、わかった」
「大丈夫」
「私達三人は大丈夫だから」と、私が紗枝ちゃんと幸ちゃんに続き告げると。

 アスマンちゃんはまた小声で当たりの様子をうかがいつつ、「実はね」と私達四人へと告げてきた。






「……行方不明になった娘はね、日本人の子だから学校の先生も皆に報告しないらしい。それにテレビや新聞の方も……」
「えっ! そうなんだ?」

 アスマンちゃんの言葉を聞き、幸ちゃんが驚嘆すれば、

「うん」とアスマンちゃんはうなずく。

「そうか~、じゃ、学校の方も生徒を怖がらせて、SNS等に日本人の行方不明事件がまた起きたと投稿をされ、。それがSNS内で取り上げられ、政府批判を拡散されるとまずいから国の指示を受けている学校側も言わないのだね」

 紗枝ちゃんがフムフムと探偵さんのようになって推理をすれば。

「うん、多分そう」

 アスマンちゃんも紗枝ちゃんの推理に対して同意見だと伝えた。

「今の世の中……。テレビや新聞等も日本政府の指示で外国の人達の犯罪の方も極力隠し通すからね……。過去の政治家達が法案化した法律が失敗したのだと世に知られたくないから隠しているのだと誰かが言っていた……」

 お口がよく動く紗枝ちゃんがここまで話をしたところで。

「あっ!」だ。

 そして「ごめんね、二人共……」と紗枝ちゃんはアスマンちゃんと芽衣ヤーイーちゃんへの二人へと深々と頭を下げて謝罪をした。

 でも二人は「いいよ、気にしないで」と。
「別に紗枝が気にする事では無い。みんな今の日本の政治家達が未だにちゃんとした外国人も裁ける方を作らないのが原因だから。紗枝が気にする必要はないから」

 何でも物事をハッキリと言える芽衣ヤーイーちゃんが腕を組み、仁王立ちで鼻息荒く紗枝ちゃんに気にするなと告げたのだが。
 紗枝ちゃんはお父さんが日本人でお母さんがフィリピン国籍だった人だから、他国の二人の目の前でも、ハッキリとらしいと言えることができるけれど。
 私と幸ちゃんは日本人だから、そんな差別扱いになりそうな言葉はとても大きな声で告げることなどできないよ、と思えば。

「何で犯人が外国の人だと言った話が流れているの? もしかして隣のクラスの娘が誰かに連れ去られるの見た人がいるの?」

 幸ちゃんがアスマンちゃんへと尋ねる。

「うん、見た人がいると言うかさ? ここ、つい最近さね、外国人の男性による夕刻以降の付きまとい。ストーカーじみた不審者が現れたと警察の方には通報が何度もあったみたい」

 幸ちゃんの問いかけにアスマンちゃんは答えた。

「えっ! 警察の方に不審者情報が入っていたのに。警察の方はパトカー巡回パトロールとかしなかった訳?」

 二人の会話を聞いていた芽衣ヤーイーちゃんがアスマンちゃんへと尋ねる。

「パトロールはしていたみたいよ。日本の警察の方も。でも不審者は他国の人だから職務質問は差別扱いを受ける可能性があるから。何かそれらしい人が居てもパトカーを停めて、職務質問とか出来なかったみたい。だからまた日本人の娘が神隠しに遭ったと。家の町内の方では騒いでいたみたい。行方不明になった娘が家の小学校学区の子だからと。家のパパが言っていたよ。だから今日から夜回りの方も自衛団で強化をするらしいよ。犯人の男を捕まえて殴ってやるのだと張り切っていたからね」

 アスマンちゃんは苦笑いを浮かべながら、自分達の地元の自衛団の活動内容を詳しく教えてくれた。

「そうか~」
「見つかると良いね~」
「うん、そうだね」

 幸ちゃんや紗枝ちゃんに続き私がうなずけば。

「きっと見つかるよ! 大丈夫だよ!」

 私達は面識がない娘だけれど。やはり同級生の子が犯罪に巻き込まれ、二度と家に帰れないと思うと、悲しくて可愛そうだと思うから、気落ちをして下を向けば芽衣ヤーイーちゃんが大丈夫! 隣のクラスの娘は見つかるよ! と。いつも元気でハツラツしている彼女が落ち込むみんなのことを叱咤激励してくれた。

「そうだね!」
「確かに!」
「まだ殺害されたと言った話は流れていないしね」
「うん、そうだね!」
「まあ、ここで諦めたら試合終了の笛が鳴るしさ」

 芽衣ヤーイーちゃんがマンガの名セリフを告げ、この場の暗い雰囲気を穏やかにしてくれるから。

芽衣ヤーイーちゃんはまるで○西先生みたい~」

 私が笑いながら、この場を穏やかにしてくれた芽衣ヤーイーちゃんを褒め称えると。

「えぇ~、酷い美月ちゃん……。私あんなにお腹出ていないよ~。芽衣ヤーイーちゃんが不満を言ってきた。」

 だからこの場の雰囲気が更に穏やかになり、私達五人は中学生の少女らしく、キャキャ、ワイワイと中学校へとスクールゾーンを安全に歩きながら向かう。



 ◇◇◇




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