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第4話 飼い主はみんな親バカ

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「お前からかよ」
 今度は耳に刹の声が触れた。
「いいじゃん、刹は那由太の初チュー奪ったんでしょ」
「違いねえな」
「っ……!」
 俺は無言で首を振った。

 ──男のそれを咥えるなんて、俺には絶対に無理だ。

「大丈夫だよ那由太。さっきシャワー浴びてきたばかりだから」
「そういう問題じゃな……む、無理ですっ!」
 逃げようとした俺の腰に、背後から刹の両腕が巻きついてくる。

「初日に俺がしてやっただろ。あれと同じことをすればいいだけだ」
 刹の手がトラ柄パンツの上から俺の股間にあてがわれ、曲線をなぞるように指先で二度、三度、撫でられた。
「んっ……!」

 頼りない薄い生地一枚を隔てて、骨張った刹の指が俺の敏感な部分をくすぐる。何故だか直接触れられるよりも刺激が強く、俺は後ろから回された刹の腕を掴んで必死に歯を食いしばった。

「指先一つで反応しちまうのは、この感覚がずっと欲しかったからだろ」
「ふ、っう……うっ、……」
「既に染みてきてるし」

 布越しに先端ばかりをくすぐられて、嫌でも腰が痙攣してしまう。刹の人差し指が俺のそこを撫でたり弾いたりする度に段々と体に力が入らなくなって、頭の中がふわふわしてきて……

「は、あぁっ……、やだ、……も、もう触るなぁっ……!」
「可愛い声になったね」
 炎珠さんが俺の鼻先にキスをして、頭に置いた手へ力を込めてきた。

「もう触られたくない? 刹にやめてって俺から言ってあげようか?」
「あ、う……やだっ……」
「お利口な那由太は、その代わりに何すれば良いか分かるよね?」

 普段は子供みたいにはしゃいで笑っている炎珠さんなのに、今俺が見ている彼は人が変わったような目付きになっている。長い睫毛に縁取られた目は鋭く光り、まるで俺の全てを支配しているみたいだ。

「……う、……」
 その視線に上から押さえ付けられるような形で、俺はゆっくりと床に膝をついた。ファスナーが下ろされた炎珠さんのジーンズ。中の下着がずらされて行くのを、息を飲んでじっと見つめる。

「炎珠のなら咥えるのにそこまで苦労しねえよ」
「う、うるさいなぁ刹はぁ……」
 言いながら炎珠さんが下着を完全に下ろし、俺の顔面ぎりぎりに男のそれを露出させる。

「っ……」
 他人のモノを見たことがない訳ではないが、若干とはいえ反応しているモノを見るのは初めてだ。本当にこんなものを口に入れても大丈夫なんだろうか……でも、刹は俺にしていたし。

「躊躇する気持ちは分かるよ。那由太はまだコレの良さを知らないから、今は嫌悪感しかないもんね」
 苦笑する炎珠さんの言葉を聞いて、刹が笑った。
「そのうち自分から咥えたいって言い出すようになる」
「ああ……その時がとっても楽しみだね」

 恐る恐る伸ばした舌で、俺は炎珠さんのそれに触れた。裏側の曲線を下から上に向けて一度、もう一度。
 シャワーを浴びたと言うなら、これはただの皮膚。手や腕や顔と同じ、ただの肌だ。

「……可愛い」
「もう少し口を開けて、半分まで咥え込んでみろ」
 刹の手が俺の頭を前に押した。
「んんっ……」
 口に含んだ炎珠さんのそれが、中で更に硬さを増す。舌で触れると一瞬ビクリと脈打ち、同時に炎珠さんの腰が震えた。
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