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第一章 大岳ダンジョン編
第8話 スポンサー契約の申し出
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■DAI Prark Dungeon Villege 出会いの広場
”迷宮令嬢”キャサリン・スメラギが俺達の輪に入ってきて、騒がしくなったがすぐに周囲を黒服が囲んでくれたので静かになる。
さすが、令嬢と言われるだけはあるようだ。
飯もゆっくり済ませたので、本題に入るとしよう。
「それで、その迷宮令嬢さんが俺に何の用なんだ?」
「単刀直入にいいますと、サグルさんの活動をDAIが専属スポンサーとして支援させていただけないかと」
「なんとぉ!? そんなに大きな話になるのか!?」
スメラギの言葉に俺よりもイカルの方が驚いていた。
大学の探検サークルに入っているだけの探検家にダンジョン装備の販売ショップ大手のDAIがスポンサーになるなんて確かにありえない。
「もし、了承していただけるのであれば、今回、ここで買われた商品の代金は後で返金対応させていただきますわ」
「願ってもない申し出だ。ただ、俺にそんな価値があるとは思えないんだが……」
「サグルさんはご自身の価値を低く見過ぎですよっ。私なんかよりもよっぽど強いですよ?」
「そういうものなのか?」
俺の右腕をぐっと掴んで姫野が引っ張ってくる。
スメラギとの距離をあけようとしているのが分かった。
子供っぽいところがあるんだな……。
「先行投資先としては、サグル様は十分魅力的ですわよ。わたくしも冒険者の端くれですけれど、あの鮮やかなスコップ捌きは並大抵の実力ではできませんわ」
「ですです! 専属スポンサーになってもらうならDAIは悪くないですよ?」
「装備は消耗品でもあるし、確かにスポンサーから提供してくれるなら、ダンジョンでの探検は楽になるか……イカルはどう思う?」
「断る理由はないよね。ただ、条件がまだ不透明なんで、すぐにはYESと言わない方がいいかな?」
「あら、ヤリ手のマネージャーさんがいらしているのね」
「俺はバカなんでな、イカルがいてくれて助かっている」
クスクスと悪びれることなく微笑むスメラギに俺は悪い印象を抱かなかった。
ただ、条件についてはもっともなところだと詳細を詰めることにする。
「条件についてはここでは人の目もありますので、また後日改めて……。あと、もう一つの要件としてサグル様を私の冒険者パーティ【インペリアル・フロンティア】へ勧誘したいですわ」
パーティ勧誘の話がでると、ぐいっと姫野が俺とスメラギの間に入ってきた。
「サグルさんを勧誘するのはダメです!」
「あら、織姫さんはサグル様の恋人でして? そうでなければ大人の取引に首を挟まないでくださる?」
バチバチと二人の間に見えない火花が飛び散っているように見える。
「おい、止めなくていいのか?」
「こういうのは当人同士が白黒納得つけなきゃいけないんだよ。女心の勉強もサグルはしないとねぇ」
イカルは楽しそうに二人の様子を写真にとり、俺の公式SNSに上げていた。
いつの間に作ったんだ……飲んだ時にいろいろ話したりした気がするが、行動の速さには驚かされる。
「で、それはいいとしてこの【クレイジー・エクスプローラーズ】ってなんだよ」
「サグルの冒険者パーティ名兼法人名。俺が代理で手続きしておいたよ」
「え、なんで勝手にやってるんですか!?」
「本当にやりてのマネージャーですわね……」
「勧誘合戦が起こるのはもうわかりきっていることだからね、先手を打ってサグルがリーダーのパーティをギルドに登録しておいたのよ」
ふふんと自慢げに笑うイカル。
対する姫野とスメラギは悔しそうに歯ぎしりをしていた。
「とはいっても、消化不良でしょ? ここの施設って装備の試し用にモンスターと戦うシミュレーターがあるそうじゃないか。それで対決してみたら? 商品はサグルの1日レンタル権で」
「「その話乗った!」」
イカルの提案に二人が乗り気になり、シミュレータルームへと俺達はいくことになる。
俺の同意なしに話がいろいろ進んでるんだが、俺はどうしたらいいんだ?
「さぁ、実況と解説は俺らがやって、【クレイジー・エクスプローラーズ】としての第1回動画企画にしよう!」
「まったく、お前には本当に敵わないな……」
ダンジョンに潜る前にもっとイカルと相談するべきだったなと、俺は改めて頼もしい相棒の横顔を見るのだった。
”迷宮令嬢”キャサリン・スメラギが俺達の輪に入ってきて、騒がしくなったがすぐに周囲を黒服が囲んでくれたので静かになる。
さすが、令嬢と言われるだけはあるようだ。
飯もゆっくり済ませたので、本題に入るとしよう。
「それで、その迷宮令嬢さんが俺に何の用なんだ?」
「単刀直入にいいますと、サグルさんの活動をDAIが専属スポンサーとして支援させていただけないかと」
「なんとぉ!? そんなに大きな話になるのか!?」
スメラギの言葉に俺よりもイカルの方が驚いていた。
大学の探検サークルに入っているだけの探検家にダンジョン装備の販売ショップ大手のDAIがスポンサーになるなんて確かにありえない。
「もし、了承していただけるのであれば、今回、ここで買われた商品の代金は後で返金対応させていただきますわ」
「願ってもない申し出だ。ただ、俺にそんな価値があるとは思えないんだが……」
「サグルさんはご自身の価値を低く見過ぎですよっ。私なんかよりもよっぽど強いですよ?」
「そういうものなのか?」
俺の右腕をぐっと掴んで姫野が引っ張ってくる。
スメラギとの距離をあけようとしているのが分かった。
子供っぽいところがあるんだな……。
「先行投資先としては、サグル様は十分魅力的ですわよ。わたくしも冒険者の端くれですけれど、あの鮮やかなスコップ捌きは並大抵の実力ではできませんわ」
「ですです! 専属スポンサーになってもらうならDAIは悪くないですよ?」
「装備は消耗品でもあるし、確かにスポンサーから提供してくれるなら、ダンジョンでの探検は楽になるか……イカルはどう思う?」
「断る理由はないよね。ただ、条件がまだ不透明なんで、すぐにはYESと言わない方がいいかな?」
「あら、ヤリ手のマネージャーさんがいらしているのね」
「俺はバカなんでな、イカルがいてくれて助かっている」
クスクスと悪びれることなく微笑むスメラギに俺は悪い印象を抱かなかった。
ただ、条件についてはもっともなところだと詳細を詰めることにする。
「条件についてはここでは人の目もありますので、また後日改めて……。あと、もう一つの要件としてサグル様を私の冒険者パーティ【インペリアル・フロンティア】へ勧誘したいですわ」
パーティ勧誘の話がでると、ぐいっと姫野が俺とスメラギの間に入ってきた。
「サグルさんを勧誘するのはダメです!」
「あら、織姫さんはサグル様の恋人でして? そうでなければ大人の取引に首を挟まないでくださる?」
バチバチと二人の間に見えない火花が飛び散っているように見える。
「おい、止めなくていいのか?」
「こういうのは当人同士が白黒納得つけなきゃいけないんだよ。女心の勉強もサグルはしないとねぇ」
イカルは楽しそうに二人の様子を写真にとり、俺の公式SNSに上げていた。
いつの間に作ったんだ……飲んだ時にいろいろ話したりした気がするが、行動の速さには驚かされる。
「で、それはいいとしてこの【クレイジー・エクスプローラーズ】ってなんだよ」
「サグルの冒険者パーティ名兼法人名。俺が代理で手続きしておいたよ」
「え、なんで勝手にやってるんですか!?」
「本当にやりてのマネージャーですわね……」
「勧誘合戦が起こるのはもうわかりきっていることだからね、先手を打ってサグルがリーダーのパーティをギルドに登録しておいたのよ」
ふふんと自慢げに笑うイカル。
対する姫野とスメラギは悔しそうに歯ぎしりをしていた。
「とはいっても、消化不良でしょ? ここの施設って装備の試し用にモンスターと戦うシミュレーターがあるそうじゃないか。それで対決してみたら? 商品はサグルの1日レンタル権で」
「「その話乗った!」」
イカルの提案に二人が乗り気になり、シミュレータルームへと俺達はいくことになる。
俺の同意なしに話がいろいろ進んでるんだが、俺はどうしたらいいんだ?
「さぁ、実況と解説は俺らがやって、【クレイジー・エクスプローラーズ】としての第1回動画企画にしよう!」
「まったく、お前には本当に敵わないな……」
ダンジョンに潜る前にもっとイカルと相談するべきだったなと、俺は改めて頼もしい相棒の横顔を見るのだった。
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