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第一章 大岳ダンジョン編
第7話 迷宮令嬢現る
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■DAI Prark Dungeon Villege 出会いの広場
出会いの広場と呼ばれる冒険者達の交流が行われる場所では、キッチンカーが数台出ている。
近くには保存食を扱う店もあるので買ってきたものや試供品の試食をしている一団もあった。
俺達も缶詰や、自衛隊などが持っている一式入った食料キット……いわゆるミリ飯のダンジョン版でもあるアド飯(アドベンチャラー飯の略らしい)を買い込んで広場に来ていた。
夏休み期間ということもあってか、人込みができている。
なんとか、空いている一画を見つけて焚火を囲んで座った。
姫野がやってきたので、写真を撮るものや、サインを強請るものがいるが姫野は笑顔で答えている。
「チャンネル登録者100万人の美少女はやはり違うもんだな」
「サグルもすぐにあのレベルになれるさ」
「あんまりなりたくないんだが……ファンサービスなんて柄じゃない」
「有名探検家になるようなもんなんだから、ファンサは大事よ」
「それもそうか……慣れなきゃならないか……」
俺とイカルは賞味期限がやばくて半値で売っていたアド飯のため湯を沸かす。
「〈収納〉ってスキルは便利そうだね。それなら弁当とか買い込んで入れてもっていけるんじゃない?」
「持ってはいけるし、冷めないのも確認している……だがな、イカル。お前はキャンプに行ったとき食べるのがコンビニ弁当で満足するか?」
「なるほど、雰囲気も調味料ってわけね」
イカルは納得したように沸いた湯の中でレトルトパックになったものを3人分入れていった。
ファンサービスが終わったのか、やや疲れ気味の姫野が俺の隣に座る。
「お疲れだ。姫野」
「作ってくれていたんですね。でも、どうせなら一緒に作るところとか動画投稿用に取りたかったです」
しょんぼりとポニーテールまで元気がなくなっている姫野の頭を俺は撫でた。
とたんに姫野の顔が赤くなり、戸惑いつつも気持ちよさそうに目を細める。
「サグル、お前そういうのはセクハラにもなりかねないから無作為にやるなよ」
「そうか……すまないな、姫野」
「えっ、あ、あの……はい……」
姫野が恨めしそうな眼でイカルをみるが、なぜそうなったのかは俺にはわからない。
女心は難しいものだな。
「お隣、よろしくて?」
そんなことを考えていたら、不意に声がかかった。
見上げれば、金髪を短くまとめた外国人女性が立っている。
もちろん、知り合いではない。
「相席ということなら、狭くていいなら構わん」
〈危険感知〉が警鐘を鳴らしていないのならば安全だと踏んで、俺は少しずれて場所を譲る。
俺の右隣には姫野がいるので、 金髪は左隣に座った。
二重の意味で狭い。
物理的な部分と、周囲の視線的な意味でだ。
「なんだか、僕ちゃん自信をなくしちゃうねぇ。渋谷とかじゃモテモテなんだけどなぁ……」
ぼそぼそというイカルを無視して、俺は金髪女の方に向き直る。
周囲のざわめきから、金髪女がただものではないことが理解できた。
「なかなかいい体付きですわね。埋もれて来た原石を見つけた気分でしてよ」
「はぁ……いったい、なんなんだ? 人の体を勝手に障るのはセクハラになるんだぞ」
先ほどイカルに言われたことをそのまま女に返しながら俺は金髪を見る。
姫野の方から〈危険感知〉が鳴り始めているので、早めにどうにかしたかった。
「失礼しました。わたくしはこういうものですわ。ご存じだと思ったので、名乗らなかかったのですが……」
名刺をもらい確認すると、そこにはこう書かれていた。
「DAI日本支部 支部長、キャサリン・スメラギか……どこかできいたことあるような……」
「サグルさんご用達のDAIブランドを立ち上げた才女であり、S級冒険者ですよ。二つ名は”迷宮令嬢”」
「以後、お見知りおきをサグル様」
ニッコリとほほ笑む金髪美女を前に俺は腹が減ったなと別のことを考えていた。
出会いの広場と呼ばれる冒険者達の交流が行われる場所では、キッチンカーが数台出ている。
近くには保存食を扱う店もあるので買ってきたものや試供品の試食をしている一団もあった。
俺達も缶詰や、自衛隊などが持っている一式入った食料キット……いわゆるミリ飯のダンジョン版でもあるアド飯(アドベンチャラー飯の略らしい)を買い込んで広場に来ていた。
夏休み期間ということもあってか、人込みができている。
なんとか、空いている一画を見つけて焚火を囲んで座った。
姫野がやってきたので、写真を撮るものや、サインを強請るものがいるが姫野は笑顔で答えている。
「チャンネル登録者100万人の美少女はやはり違うもんだな」
「サグルもすぐにあのレベルになれるさ」
「あんまりなりたくないんだが……ファンサービスなんて柄じゃない」
「有名探検家になるようなもんなんだから、ファンサは大事よ」
「それもそうか……慣れなきゃならないか……」
俺とイカルは賞味期限がやばくて半値で売っていたアド飯のため湯を沸かす。
「〈収納〉ってスキルは便利そうだね。それなら弁当とか買い込んで入れてもっていけるんじゃない?」
「持ってはいけるし、冷めないのも確認している……だがな、イカル。お前はキャンプに行ったとき食べるのがコンビニ弁当で満足するか?」
「なるほど、雰囲気も調味料ってわけね」
イカルは納得したように沸いた湯の中でレトルトパックになったものを3人分入れていった。
ファンサービスが終わったのか、やや疲れ気味の姫野が俺の隣に座る。
「お疲れだ。姫野」
「作ってくれていたんですね。でも、どうせなら一緒に作るところとか動画投稿用に取りたかったです」
しょんぼりとポニーテールまで元気がなくなっている姫野の頭を俺は撫でた。
とたんに姫野の顔が赤くなり、戸惑いつつも気持ちよさそうに目を細める。
「サグル、お前そういうのはセクハラにもなりかねないから無作為にやるなよ」
「そうか……すまないな、姫野」
「えっ、あ、あの……はい……」
姫野が恨めしそうな眼でイカルをみるが、なぜそうなったのかは俺にはわからない。
女心は難しいものだな。
「お隣、よろしくて?」
そんなことを考えていたら、不意に声がかかった。
見上げれば、金髪を短くまとめた外国人女性が立っている。
もちろん、知り合いではない。
「相席ということなら、狭くていいなら構わん」
〈危険感知〉が警鐘を鳴らしていないのならば安全だと踏んで、俺は少しずれて場所を譲る。
俺の右隣には姫野がいるので、 金髪は左隣に座った。
二重の意味で狭い。
物理的な部分と、周囲の視線的な意味でだ。
「なんだか、僕ちゃん自信をなくしちゃうねぇ。渋谷とかじゃモテモテなんだけどなぁ……」
ぼそぼそというイカルを無視して、俺は金髪女の方に向き直る。
周囲のざわめきから、金髪女がただものではないことが理解できた。
「なかなかいい体付きですわね。埋もれて来た原石を見つけた気分でしてよ」
「はぁ……いったい、なんなんだ? 人の体を勝手に障るのはセクハラになるんだぞ」
先ほどイカルに言われたことをそのまま女に返しながら俺は金髪を見る。
姫野の方から〈危険感知〉が鳴り始めているので、早めにどうにかしたかった。
「失礼しました。わたくしはこういうものですわ。ご存じだと思ったので、名乗らなかかったのですが……」
名刺をもらい確認すると、そこにはこう書かれていた。
「DAI日本支部 支部長、キャサリン・スメラギか……どこかできいたことあるような……」
「サグルさんご用達のDAIブランドを立ち上げた才女であり、S級冒険者ですよ。二つ名は”迷宮令嬢”」
「以後、お見知りおきをサグル様」
ニッコリとほほ笑む金髪美女を前に俺は腹が減ったなと別のことを考えていた。
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