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「あ……ああ……っ!!」
タカシの悲鳴がリビングに響き渡りました。
おむつを替えてもらい、ようやく立ち上がろうとしたその時、置いていたスマホが狂ったように震え始めたのです。
通知の主は、クラスの男子全員が入っているグループLINE、そしてタカシも参加している「文化祭実行委員」のグループでした。
拡散:プリンセス・タカシの降臨
恐る恐る画面を開くと、そこには昨日、佐藤が撮影した「あの瞬間」が鮮明な動画でアップされていました。
佐藤:【悲報】ウチのクラスのタカシ、帰省先で赤ちゃんに転生www
**男子A:**マジかよ!その格好、妹の服だろ?
**男子B:**よく見ろよ、股間の膨らみ……おむつ履いてね?
**男子C:**てか、持ってるパッケージ「女児用」じゃねーか!www
さらに追い打ちをかけるように、委員長の高橋さんが入っているグループでは、彼女が困惑した様子でメッセージを送っていました。
**高橋:**昨日、タカシ君に会ったんだけど……その、大変そうだったよ。おねしょしちゃったみたいで……。
「……終わった。もう学校に行けない。死ぬしかない……」
タカシが絶望の淵で項垂れていると、サキが横からスマホを覗き込みました。
「あーあ、すごい勢いで拡散されてるね。ほら、Twitter(X)にも載ってない? 『#おねしょ高校生』とかで」
「やめろ、見るな! 返せ!」
タカシがスマホを取り返そうと手を伸ばしますが、おむつの厚みが邪魔をして動きが鈍い。サキはひらりと身をかわし、さらに無慈悲な行動に出ました。
「ねえ、佐藤君たちが『今の姿も気になる』って言ってるよ。……よし、ビデオ通話繋いじゃおっか」
「は!? 何考えてんだ、やめろ!」
タカシの制止も虚しく、サキはグループLINEのビデオ通話ボタンをタップしました。一瞬で「承認」が相次ぎ、画面には佐藤をはじめ、冬休み中の暇を持て余したクラスメイトたちの顔が次々と並びました。
『うわっ! マジだ! 今もその格好かよ!』
『タカシ、お前……今、何履かされてんの?』
サキはニヤリと笑うと、スマホのカメラをタカシの腰元へと向けました。
「みんな見てー! 今日のタカシお兄ちゃんは、昨日よりグレードアップしてまーす。今朝もおねしょしちゃったから、**さっき私がおむつを替えてあげたところなの。**ほら、柄見える?」
サキがタカシのショートパンツをグイッと引き下げ、新しく履かされたばかりの「プリンセス柄」を画面いっぱいに映し出しました。
『ギャハハハハ! 本当におむつだ!』
『似合いすぎだろ! プリンセス・タカシ!』
『おい、お礼言えよ! おむつ替えてもらったんだろ?』
画面越しの嘲笑。目の前ではユナが「お兄ちゃん、有名人だね!」と囃し立て、親戚たちは「今時の子はオープンだねえ」と呑気に笑っている。
タカシは、画面の向こうで震えている高橋さんのアイコンを見つめながら、おむつのガサガサという音と共に、自分のカーストが「最下層の赤ちゃん」に固定されたことを悟りました。
「……もう、どうにでもなればいい……」
画面の向こうで爆笑するクラスメイトたち。そして、その様子をさらに「証拠」として録画しているであろう佐藤。タカシはついに、抵抗することをやめました。糸の切れた人形のように、プリンセス柄のおむつを晒したまま、畳の上にペタンと座り込みました。
「あはは! 見てよみんな、お兄ちゃん、完全に『赤ちゃん』として自分を受け入れたみたい!」
サキはスマホを片手に、座り込んだタカシの周りをぐるぐると回りながら配信を続けます。
「ほら、佐藤君。お兄ちゃんに何か質問ある? 今なら何でも答えてくれるよ。ねえ、お兄ちゃん?」
画面越しに、クラスの調子乗りたちが次々と声を上げます。
『タカシ、そのおむつ、履き心地はどうだよ? ちゃんと吸ってくれたか?』
サキがタカシの口元にスマホを突き出しました。タカシは虚ろな目で画面を見つめ、震える声で答えました。
「……すごく、あったかくて……さっき、サキお姉ちゃんに替えてもらったばかりだから……さらさら、してる……」
『ギャハハハ! お姉ちゃん、だってよ! 最高!』
その時、画面の片隅にいた高橋さんが、小さく口を開きました。
『……タカシ君、本当に……それでいいの? 学校に来るときも、その、おむつ……履いてくるの?』
クラス全員が固唾を飲んで見守る中、サキがタカシの背中を強く叩きました。
「ほら、委員長が聞いてるよ。どうなの? 学校でも赤ちゃんやるの?」
「……僕は、おねしょが治らない、赤ちゃんお姉ちゃんだから……学校でも、おむつを履いて、サキに替えに来てもらいます……」
「……っ!」
画面の高橋さんが、ついに耐えきれなくなったように通話を切りました。彼女の姿が消えたことで、タカシの心は完全に死にました。
「はい、じゃあ配信はここまで! 続きが見たい人は、お兄ちゃんの『おむつ日記』でも作ってあげるから楽しみにしててね!」
サキが通話を切ると、リビングには異様な静寂が訪れました。……と思いきや、ユナがタカシのおむつの上に馬乗りになりました。
「ねえ、お姉ちゃん! 次はこれに名前書こうよ! **『タカシ・赤ちゃん』**って!」
ユナが油性マジックを取り出し、タカシの股間のプリンセスの絵柄のすぐ横に、大きな文字で名前を書き始めました。キュッキュッとおむつの表面を滑るマジックの音。
「よし! これで迷子になっても安心だね、お兄ちゃん」
タカシは、名前を書かれたおむつを履き、妹のパフスリーブを着た姿で、親戚一同の笑い声に包まれながら、ただ静かに「ガサッ……」と、新しいおむつの音を響かせることしかできませんでした。
タカシの悲鳴がリビングに響き渡りました。
おむつを替えてもらい、ようやく立ち上がろうとしたその時、置いていたスマホが狂ったように震え始めたのです。
通知の主は、クラスの男子全員が入っているグループLINE、そしてタカシも参加している「文化祭実行委員」のグループでした。
拡散:プリンセス・タカシの降臨
恐る恐る画面を開くと、そこには昨日、佐藤が撮影した「あの瞬間」が鮮明な動画でアップされていました。
佐藤:【悲報】ウチのクラスのタカシ、帰省先で赤ちゃんに転生www
**男子A:**マジかよ!その格好、妹の服だろ?
**男子B:**よく見ろよ、股間の膨らみ……おむつ履いてね?
**男子C:**てか、持ってるパッケージ「女児用」じゃねーか!www
さらに追い打ちをかけるように、委員長の高橋さんが入っているグループでは、彼女が困惑した様子でメッセージを送っていました。
**高橋:**昨日、タカシ君に会ったんだけど……その、大変そうだったよ。おねしょしちゃったみたいで……。
「……終わった。もう学校に行けない。死ぬしかない……」
タカシが絶望の淵で項垂れていると、サキが横からスマホを覗き込みました。
「あーあ、すごい勢いで拡散されてるね。ほら、Twitter(X)にも載ってない? 『#おねしょ高校生』とかで」
「やめろ、見るな! 返せ!」
タカシがスマホを取り返そうと手を伸ばしますが、おむつの厚みが邪魔をして動きが鈍い。サキはひらりと身をかわし、さらに無慈悲な行動に出ました。
「ねえ、佐藤君たちが『今の姿も気になる』って言ってるよ。……よし、ビデオ通話繋いじゃおっか」
「は!? 何考えてんだ、やめろ!」
タカシの制止も虚しく、サキはグループLINEのビデオ通話ボタンをタップしました。一瞬で「承認」が相次ぎ、画面には佐藤をはじめ、冬休み中の暇を持て余したクラスメイトたちの顔が次々と並びました。
『うわっ! マジだ! 今もその格好かよ!』
『タカシ、お前……今、何履かされてんの?』
サキはニヤリと笑うと、スマホのカメラをタカシの腰元へと向けました。
「みんな見てー! 今日のタカシお兄ちゃんは、昨日よりグレードアップしてまーす。今朝もおねしょしちゃったから、**さっき私がおむつを替えてあげたところなの。**ほら、柄見える?」
サキがタカシのショートパンツをグイッと引き下げ、新しく履かされたばかりの「プリンセス柄」を画面いっぱいに映し出しました。
『ギャハハハハ! 本当におむつだ!』
『似合いすぎだろ! プリンセス・タカシ!』
『おい、お礼言えよ! おむつ替えてもらったんだろ?』
画面越しの嘲笑。目の前ではユナが「お兄ちゃん、有名人だね!」と囃し立て、親戚たちは「今時の子はオープンだねえ」と呑気に笑っている。
タカシは、画面の向こうで震えている高橋さんのアイコンを見つめながら、おむつのガサガサという音と共に、自分のカーストが「最下層の赤ちゃん」に固定されたことを悟りました。
「……もう、どうにでもなればいい……」
画面の向こうで爆笑するクラスメイトたち。そして、その様子をさらに「証拠」として録画しているであろう佐藤。タカシはついに、抵抗することをやめました。糸の切れた人形のように、プリンセス柄のおむつを晒したまま、畳の上にペタンと座り込みました。
「あはは! 見てよみんな、お兄ちゃん、完全に『赤ちゃん』として自分を受け入れたみたい!」
サキはスマホを片手に、座り込んだタカシの周りをぐるぐると回りながら配信を続けます。
「ほら、佐藤君。お兄ちゃんに何か質問ある? 今なら何でも答えてくれるよ。ねえ、お兄ちゃん?」
画面越しに、クラスの調子乗りたちが次々と声を上げます。
『タカシ、そのおむつ、履き心地はどうだよ? ちゃんと吸ってくれたか?』
サキがタカシの口元にスマホを突き出しました。タカシは虚ろな目で画面を見つめ、震える声で答えました。
「……すごく、あったかくて……さっき、サキお姉ちゃんに替えてもらったばかりだから……さらさら、してる……」
『ギャハハハ! お姉ちゃん、だってよ! 最高!』
その時、画面の片隅にいた高橋さんが、小さく口を開きました。
『……タカシ君、本当に……それでいいの? 学校に来るときも、その、おむつ……履いてくるの?』
クラス全員が固唾を飲んで見守る中、サキがタカシの背中を強く叩きました。
「ほら、委員長が聞いてるよ。どうなの? 学校でも赤ちゃんやるの?」
「……僕は、おねしょが治らない、赤ちゃんお姉ちゃんだから……学校でも、おむつを履いて、サキに替えに来てもらいます……」
「……っ!」
画面の高橋さんが、ついに耐えきれなくなったように通話を切りました。彼女の姿が消えたことで、タカシの心は完全に死にました。
「はい、じゃあ配信はここまで! 続きが見たい人は、お兄ちゃんの『おむつ日記』でも作ってあげるから楽しみにしててね!」
サキが通話を切ると、リビングには異様な静寂が訪れました。……と思いきや、ユナがタカシのおむつの上に馬乗りになりました。
「ねえ、お姉ちゃん! 次はこれに名前書こうよ! **『タカシ・赤ちゃん』**って!」
ユナが油性マジックを取り出し、タカシの股間のプリンセスの絵柄のすぐ横に、大きな文字で名前を書き始めました。キュッキュッとおむつの表面を滑るマジックの音。
「よし! これで迷子になっても安心だね、お兄ちゃん」
タカシは、名前を書かれたおむつを履き、妹のパフスリーブを着た姿で、親戚一同の笑い声に包まれながら、ただ静かに「ガサッ……」と、新しいおむつの音を響かせることしかできませんでした。
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