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第1章 リアルドとジーヴス
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「ベル、 買い物を頼んでもいいかな?」
「はい、 勿論です」
10時前の今から街が活気づく、 そんな時間にベルライナはカーマインに呼ばれた。
内容は買い物で、 その量はなかなか多い。
クーフェンは小さな紙をベルライナに渡す。
「明日にね、 アイリスが来るんだ。だから買い出し頼みたいんだよね」
「アイリス様……かしこまりました。」
「少し荷物が多いんだけど1人で大丈夫かな」
「はい、お任せ下さい」
「……荷物受け取り指定今日にしなければ良かったかなぁ……気をつてけてね、 無理なら途中で買い物中断していいから」
「中断…はい」
アイリスはカーマインの幼なじみ兼、 従姉妹である。
カーマインの事を幼い頃から好いていて、 優しくされるジーヴスのベルライナを快く思ってはいなかった。
勿論そんな事は一切表には出さず、 ベルライナは一礼して部屋を出た。
紙を見たベルライナは、 明日用意する物を買い出しリストから考え下準備をしないと…と考える。
おもてなしをしない選択肢はないのだ。
ベルライナは今日の予定を立て直しながら買い物準備を急いだ。
早歩きで動くベルライナがチラチラと見えるのを、 カーマインは椅子に座りながら微笑ましいなぁと見ていた。
穏やかな日常は2人にとってルーティーンではあるが、 この日常が酷く愛おしい。
クーフェンはまだ暖かい紅茶を口に含んでゆっくりと飲み干した。
「……えっと、 後は……」
籠いっぱいに買った物を入れたベルライナは空を何度も見ていた。
雲行きが怪しいのだ。
屋敷を出て1時間、 徒歩で行動するベルライナは雨雲がかかってきたのに気づき眉を寄せながら買い物を続けている。
忘れ物をしては大変、 そう思いしっかりと買い物リストと照らし合わせチェックをしながら購入。
これで最後!と、 籠に果物を入れた時だった。ポツポツと雨が降ってくる。
「………雨、 降り出してしまいましたか、 濡れてしまうのは困りますね」
籠を見たベルライナはため息1つ付いて、 カーマインが新しく買ってくれた紺色に赤の線が入った上着を脱ぎ籠にかけた。
防水加工が施されているその上着がある為それ程濡れないだろうと思っていたが、 雨足は急激に酷くなり籠を守る為と、 ベルライナは躊躇しなかった。
髪や服が体に張り付くが、 籠が濡れないように…それだけを考えて足早に歩く。
チラッと上着をめくり濡れてないのを確認したベルライナは頷く。
そんな時だった。
「おい!濡れたんだけど!!ちゃんと持てよ!それくらいも出来ないのか!?」
「も、 申し訳ございませんご主人様!!」
18歳くらいのリアルドが16歳くらいのジーヴスに傘を持たせている。
風に吹かれて傘が傾き、 リアルドは肩に水滴が少し着いただけで激昂した。
勢い良く平手打ちされ、 ずぶ濡れのジーヴスは軽くよろめきながらもリアルドが濡れないように震える手で傘を持ち続けながら謝るのだ。
「まったく、 本当に使えねぇ」
「申し訳…………」
虫でも見るかのような視線を俯くジーヴスに向ける男性はわざとらしくため息を付き、 ジーヴスにドロで汚れた靴で足を踏み付けていた。
そんなサクリファイス(主従)を見てベルライナは眉を顰める。
しかし、 表情を歪めてリアルドを見る、 ジーヴスの様子を他のリアルドに見つかってしまったら、 主人であるカーマインに迷惑がかかってしまう。
それは困ると下唇を噛み締めて歩き出した。
この世の中、 ジーヴスには生きづらい。
常にリアルドに指示され虐待に近い暴力をされるジーヴスが居るのは事実だし、 そんなジーヴスにとっては日常である。
ベルライナは運が良かった。
優しいご主人様に巡り会え、 暖かな居場所をくださる。
自分は果報者だ。
目の前で泣きながらも必死でリアルドに着いていくジーヴスに、 ベルライナは悲しそうに顔を伏せた。
いつかジーヴスにも優しい世界が訪れるように…そう願う事もジーヴスには難しいのだ。
だからこそ、 ベルライナは思う。
私は幸せなジーヴスです、 と。
大半のジーヴスが虐げられる姿を見る度に気持ちが沈む。
なぜ、 世界はこんなにも残酷なのか。
私にはわからない。
でも、 こういう時決まってご主人様は私の目を手で覆い隠す。
辛いことから目をそらす様に。温もりを分け与えてくれるように。
そして、 手を離した時には優しく蕩けるような笑みを見せてくれるのだ。
君は何も心配せずに、 俺だけを見てなよ
そう、 言って。
「……ただいま戻りました」
「おかえりべ………ル…………」
玄関があき声を掛けた事によりカーマインは奥から現れた。
笑顔で迎えたカーマインの顔が凍りつく。
ずぶ濡れに張り付いた髪や衣服。
芯まで冷えた体はカタカタと震えていた。
「ベル!ずぶ濡れじゃないか!雨が降ってたのかい?」
「途中から降り出してしまいました。大丈夫です、 買ったものは濡れていません」
「そうじゃないだろ!?君がこんなに濡れてしまって風邪でも引いたらどうするんだ!……こんなに冷え切っちゃって……ほら!早く入って温まらないと」
「このままでは家が濡れて……」
「そんなのは後でいいから!」
この家は防音加工がされていて、 あまり外の音に気付かない。
カーマインは読書をしていて最後に外を見たのはまだ雨が降り出す前だった。
かなり集中していたのか 、 ベルライナの声でやっと顔を上げたのだった。
玄関に買った籠と上着を放り出したカーマインはすぐにベルライナを暖炉の前に連れていく。
毛布を1枚持ってきて
「濡れた服は全部脱いで毛布に包まって温まってて!すぐにお湯の準備をするから!!」
「カーマイン様!そのような事は……」
「ダメだよ!本当に風邪引いたらどうするの」
「………はい」
頷くベルライナを確認してから、 カーマインは走り出し浴槽の準備に取り掛かった。
そんな主人を見送り服を脱ぎ出すベルライナ。
毛布に包まりながら息を吐き出した。
「……ご主人様にお世話をさせる…私は駄目なジーヴスです」
「またそんな事を言う」
「ご主人様……」
「カーマインでいいと言ってるのに」
「そういう訳には……」
暖炉の前に座り込むベルライナの隣には雨を吸い重くなった服が置いてある。
カーマインはそれを持ち、 すぐに洗濯機を回して戻ってきた。
「……すみません、 お手間を…」
「むしろごめんは俺の方」
ベルライナの後ろに座ったカーマインは後ろから温めるように強く抱きしめた。
カーマインの温もりが毛布越しに伝わりベルライナは慌てて後ろを見ようとするが、 カーマインに頭を撫でられた事でピタリと止まる。
「雨が降るとは思わなかったな、 一緒に行ってたら良かった…それなら雨が降る前に買い物も終わっていたかもしれないのに。ごめんね、 こんなに冷え切って」
「…カーマイン様が謝る事なんでありません」
「もう…こんな時しか名前を呼んでくれないんだから」
強く抱きしめたベルライナの体はまだ震えていた。
温まらない体にカーマインは眉を顰めて額に手を当てる。
「……熱はないね」
「私、 元気だけが取り柄です」
「元気なのはいい事だけど、 無理はしないの。買い物だって雨が降った時は無理しなくて良いって言ったでしょ?ましてや上着を籠に掛けるとかしちゃダメだよ!ベルが濡れるじゃないか」
「ですが…アイリス様のおもてなしの品ですし」
「そんなのよりベルの体の方が大事!」
はぁ…とベルライナの肩に額を預ける。
「受け取りの荷物があるから残ったけど、やっぱり一緒に行くべきだったなぁ」
見るからに後悔するカーマインにベルライナは眉を下げた。
自分の不甲斐なさで主人を悲しませている、と。
しかし、 顔を少し動かしたカーマインはベルライナの瞳を見つめる。
「次は一緒に行くよ。ベルライナ、 ごめんね」
カーマインはとても優しい。
ジーヴスであるベルライナにいつも優しい笑顔を向ける。
周りのジーヴスよりも明らかに境遇がいいのにベルライナは時折酷く泣きたくなる。
だが、 同時に幸福感が胸に広がりほんの少しだけ苦しさも混じり複雑な感情をここ数年ベルライナは感じていた。
「はい、 勿論です」
10時前の今から街が活気づく、 そんな時間にベルライナはカーマインに呼ばれた。
内容は買い物で、 その量はなかなか多い。
クーフェンは小さな紙をベルライナに渡す。
「明日にね、 アイリスが来るんだ。だから買い出し頼みたいんだよね」
「アイリス様……かしこまりました。」
「少し荷物が多いんだけど1人で大丈夫かな」
「はい、お任せ下さい」
「……荷物受け取り指定今日にしなければ良かったかなぁ……気をつてけてね、 無理なら途中で買い物中断していいから」
「中断…はい」
アイリスはカーマインの幼なじみ兼、 従姉妹である。
カーマインの事を幼い頃から好いていて、 優しくされるジーヴスのベルライナを快く思ってはいなかった。
勿論そんな事は一切表には出さず、 ベルライナは一礼して部屋を出た。
紙を見たベルライナは、 明日用意する物を買い出しリストから考え下準備をしないと…と考える。
おもてなしをしない選択肢はないのだ。
ベルライナは今日の予定を立て直しながら買い物準備を急いだ。
早歩きで動くベルライナがチラチラと見えるのを、 カーマインは椅子に座りながら微笑ましいなぁと見ていた。
穏やかな日常は2人にとってルーティーンではあるが、 この日常が酷く愛おしい。
クーフェンはまだ暖かい紅茶を口に含んでゆっくりと飲み干した。
「……えっと、 後は……」
籠いっぱいに買った物を入れたベルライナは空を何度も見ていた。
雲行きが怪しいのだ。
屋敷を出て1時間、 徒歩で行動するベルライナは雨雲がかかってきたのに気づき眉を寄せながら買い物を続けている。
忘れ物をしては大変、 そう思いしっかりと買い物リストと照らし合わせチェックをしながら購入。
これで最後!と、 籠に果物を入れた時だった。ポツポツと雨が降ってくる。
「………雨、 降り出してしまいましたか、 濡れてしまうのは困りますね」
籠を見たベルライナはため息1つ付いて、 カーマインが新しく買ってくれた紺色に赤の線が入った上着を脱ぎ籠にかけた。
防水加工が施されているその上着がある為それ程濡れないだろうと思っていたが、 雨足は急激に酷くなり籠を守る為と、 ベルライナは躊躇しなかった。
髪や服が体に張り付くが、 籠が濡れないように…それだけを考えて足早に歩く。
チラッと上着をめくり濡れてないのを確認したベルライナは頷く。
そんな時だった。
「おい!濡れたんだけど!!ちゃんと持てよ!それくらいも出来ないのか!?」
「も、 申し訳ございませんご主人様!!」
18歳くらいのリアルドが16歳くらいのジーヴスに傘を持たせている。
風に吹かれて傘が傾き、 リアルドは肩に水滴が少し着いただけで激昂した。
勢い良く平手打ちされ、 ずぶ濡れのジーヴスは軽くよろめきながらもリアルドが濡れないように震える手で傘を持ち続けながら謝るのだ。
「まったく、 本当に使えねぇ」
「申し訳…………」
虫でも見るかのような視線を俯くジーヴスに向ける男性はわざとらしくため息を付き、 ジーヴスにドロで汚れた靴で足を踏み付けていた。
そんなサクリファイス(主従)を見てベルライナは眉を顰める。
しかし、 表情を歪めてリアルドを見る、 ジーヴスの様子を他のリアルドに見つかってしまったら、 主人であるカーマインに迷惑がかかってしまう。
それは困ると下唇を噛み締めて歩き出した。
この世の中、 ジーヴスには生きづらい。
常にリアルドに指示され虐待に近い暴力をされるジーヴスが居るのは事実だし、 そんなジーヴスにとっては日常である。
ベルライナは運が良かった。
優しいご主人様に巡り会え、 暖かな居場所をくださる。
自分は果報者だ。
目の前で泣きながらも必死でリアルドに着いていくジーヴスに、 ベルライナは悲しそうに顔を伏せた。
いつかジーヴスにも優しい世界が訪れるように…そう願う事もジーヴスには難しいのだ。
だからこそ、 ベルライナは思う。
私は幸せなジーヴスです、 と。
大半のジーヴスが虐げられる姿を見る度に気持ちが沈む。
なぜ、 世界はこんなにも残酷なのか。
私にはわからない。
でも、 こういう時決まってご主人様は私の目を手で覆い隠す。
辛いことから目をそらす様に。温もりを分け与えてくれるように。
そして、 手を離した時には優しく蕩けるような笑みを見せてくれるのだ。
君は何も心配せずに、 俺だけを見てなよ
そう、 言って。
「……ただいま戻りました」
「おかえりべ………ル…………」
玄関があき声を掛けた事によりカーマインは奥から現れた。
笑顔で迎えたカーマインの顔が凍りつく。
ずぶ濡れに張り付いた髪や衣服。
芯まで冷えた体はカタカタと震えていた。
「ベル!ずぶ濡れじゃないか!雨が降ってたのかい?」
「途中から降り出してしまいました。大丈夫です、 買ったものは濡れていません」
「そうじゃないだろ!?君がこんなに濡れてしまって風邪でも引いたらどうするんだ!……こんなに冷え切っちゃって……ほら!早く入って温まらないと」
「このままでは家が濡れて……」
「そんなのは後でいいから!」
この家は防音加工がされていて、 あまり外の音に気付かない。
カーマインは読書をしていて最後に外を見たのはまだ雨が降り出す前だった。
かなり集中していたのか 、 ベルライナの声でやっと顔を上げたのだった。
玄関に買った籠と上着を放り出したカーマインはすぐにベルライナを暖炉の前に連れていく。
毛布を1枚持ってきて
「濡れた服は全部脱いで毛布に包まって温まってて!すぐにお湯の準備をするから!!」
「カーマイン様!そのような事は……」
「ダメだよ!本当に風邪引いたらどうするの」
「………はい」
頷くベルライナを確認してから、 カーマインは走り出し浴槽の準備に取り掛かった。
そんな主人を見送り服を脱ぎ出すベルライナ。
毛布に包まりながら息を吐き出した。
「……ご主人様にお世話をさせる…私は駄目なジーヴスです」
「またそんな事を言う」
「ご主人様……」
「カーマインでいいと言ってるのに」
「そういう訳には……」
暖炉の前に座り込むベルライナの隣には雨を吸い重くなった服が置いてある。
カーマインはそれを持ち、 すぐに洗濯機を回して戻ってきた。
「……すみません、 お手間を…」
「むしろごめんは俺の方」
ベルライナの後ろに座ったカーマインは後ろから温めるように強く抱きしめた。
カーマインの温もりが毛布越しに伝わりベルライナは慌てて後ろを見ようとするが、 カーマインに頭を撫でられた事でピタリと止まる。
「雨が降るとは思わなかったな、 一緒に行ってたら良かった…それなら雨が降る前に買い物も終わっていたかもしれないのに。ごめんね、 こんなに冷え切って」
「…カーマイン様が謝る事なんでありません」
「もう…こんな時しか名前を呼んでくれないんだから」
強く抱きしめたベルライナの体はまだ震えていた。
温まらない体にカーマインは眉を顰めて額に手を当てる。
「……熱はないね」
「私、 元気だけが取り柄です」
「元気なのはいい事だけど、 無理はしないの。買い物だって雨が降った時は無理しなくて良いって言ったでしょ?ましてや上着を籠に掛けるとかしちゃダメだよ!ベルが濡れるじゃないか」
「ですが…アイリス様のおもてなしの品ですし」
「そんなのよりベルの体の方が大事!」
はぁ…とベルライナの肩に額を預ける。
「受け取りの荷物があるから残ったけど、やっぱり一緒に行くべきだったなぁ」
見るからに後悔するカーマインにベルライナは眉を下げた。
自分の不甲斐なさで主人を悲しませている、と。
しかし、 顔を少し動かしたカーマインはベルライナの瞳を見つめる。
「次は一緒に行くよ。ベルライナ、 ごめんね」
カーマインはとても優しい。
ジーヴスであるベルライナにいつも優しい笑顔を向ける。
周りのジーヴスよりも明らかに境遇がいいのにベルライナは時折酷く泣きたくなる。
だが、 同時に幸福感が胸に広がりほんの少しだけ苦しさも混じり複雑な感情をここ数年ベルライナは感じていた。
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