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第3章 スタンピードと気持ちの連鎖
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リアルドがジーヴスを大切にしているのは、 カーマインとクーフェンだけではなかった。
今まであまり外では見せない自宅でのお互いの距離。
最後かもしれない、 もう会えないかもしれない。
その思いが爆発している。
手を繋ぎあっている人や、 お互い見つめ合い泣き笑いする人。
様々だが、 その様子にカーマインは口端を上げた。
「……………リアルドも捨てたもんじゃないな」
「さあ、 時間だ。出発するぞ」
ジーヴスのリーダーに抜擢された恰幅の良い男性が声を上げた。
既に30歳を間近なのかその風貌は貫禄すらあった。
「………ご主人様」
「……うん、 いってらっしゃいベル。くれぐれも無理はしないで」
「はい、 ベルは必ずご主人様の元へ帰ります」
お互い笑顔を浮かべて言った。
約束通りに、 ベルライナが心配すること無く旅立てるように。
すぐ近くではクーフェンがサテライトに抱きついて、 いってらっしゃいと涙ながらに言っていた。
「……それではまた……………カーマイン様」
「!……うん、 気を付けて」
ザッと砂を踏み締める音を鳴らして歩き出したベルライナに、 泣くのを必死に堪えていた。
せめて、 せめてベルライナが見えなくなるまで……………
「………俺も……クーフェンのように泣きわめいて行くなと、 言いたかったよ……」
ツー………と瞳から涙が流れ、 目が潤み良く見えない。
「………泣くな、 ちゃんと帰ってくるんだから。泣くな……………ベルが……霞むじゃないか…………くそっ」
乱暴に袖で目を擦り顔を上げた後にはベルライナの姿は無い。
クーフェンの泣き声が響く中、 カーマインは血が滴る位に手を握りしめていた。
「…………スタンピード……俺達どうなるんだ」
「いやだ、 死にたくないよ……」
「なんで俺達なんだ………」
ジーヴス達は一様に雰囲気が暗い。
それもそうだろう、 死ぬ確率が高い場所へと向かうのだから。
だが、 そんなジーヴス達をちらりと見たリーダーが怒鳴り声を上げた。
「何しょぼくれている!そんな覇気のない奴は殺してくださいと言ってるようなものだ!」
彼は武道大会の常連で優勝候補に毎回名前が上がる実力者だ。
その周りには同じくチームの屈強な男性や、 杖を持つ女性が立つ。
「死にたくなかったら気合いを入れろ!感情を振るいたたせろ!!」
叱咤激励するリーダーに、 隣を歩くサテライトがため息。
ん?と首をかしげて見ると、 サテライトはリーダーを顎で示した。
「見てみろよ、 あれで着いてくやついると思うか?」
リアルドの長は、 強さをリーダーの素質と見て決めたが、 彼は傲慢で自分勝手だ。
他のジーヴスを下に見て指示し自分は動かない。
その証拠に細く戦闘力の無さそうな男性に大きな荷物を持たせ、 よたよたと歩く姿を見て笑っていた。
「スタンピードか、 そんなもん俺にとっちゃ肩慣らし程度なもんだろ」
彼は勘違いをしていた。
出てくる敵が森の洞窟から生まれる通常種だと思い込んでいた。
蟻くらいだろ?厄介なのは
はっはっは!と笑うリーダーにベルライナは眉を寄せて見ている。
そんなわけない、 と。
「そんな簡単なら先人達が壊滅に追い込まれる事なんてないだろ」
「ベルもそう思います」
ただのモンスターでは無いことくらい考えなくても分かるだろう。
なのに、 なぜそう感じれるのかベルライナには不思議だった。
今まであまり外では見せない自宅でのお互いの距離。
最後かもしれない、 もう会えないかもしれない。
その思いが爆発している。
手を繋ぎあっている人や、 お互い見つめ合い泣き笑いする人。
様々だが、 その様子にカーマインは口端を上げた。
「……………リアルドも捨てたもんじゃないな」
「さあ、 時間だ。出発するぞ」
ジーヴスのリーダーに抜擢された恰幅の良い男性が声を上げた。
既に30歳を間近なのかその風貌は貫禄すらあった。
「………ご主人様」
「……うん、 いってらっしゃいベル。くれぐれも無理はしないで」
「はい、 ベルは必ずご主人様の元へ帰ります」
お互い笑顔を浮かべて言った。
約束通りに、 ベルライナが心配すること無く旅立てるように。
すぐ近くではクーフェンがサテライトに抱きついて、 いってらっしゃいと涙ながらに言っていた。
「……それではまた……………カーマイン様」
「!……うん、 気を付けて」
ザッと砂を踏み締める音を鳴らして歩き出したベルライナに、 泣くのを必死に堪えていた。
せめて、 せめてベルライナが見えなくなるまで……………
「………俺も……クーフェンのように泣きわめいて行くなと、 言いたかったよ……」
ツー………と瞳から涙が流れ、 目が潤み良く見えない。
「………泣くな、 ちゃんと帰ってくるんだから。泣くな……………ベルが……霞むじゃないか…………くそっ」
乱暴に袖で目を擦り顔を上げた後にはベルライナの姿は無い。
クーフェンの泣き声が響く中、 カーマインは血が滴る位に手を握りしめていた。
「…………スタンピード……俺達どうなるんだ」
「いやだ、 死にたくないよ……」
「なんで俺達なんだ………」
ジーヴス達は一様に雰囲気が暗い。
それもそうだろう、 死ぬ確率が高い場所へと向かうのだから。
だが、 そんなジーヴス達をちらりと見たリーダーが怒鳴り声を上げた。
「何しょぼくれている!そんな覇気のない奴は殺してくださいと言ってるようなものだ!」
彼は武道大会の常連で優勝候補に毎回名前が上がる実力者だ。
その周りには同じくチームの屈強な男性や、 杖を持つ女性が立つ。
「死にたくなかったら気合いを入れろ!感情を振るいたたせろ!!」
叱咤激励するリーダーに、 隣を歩くサテライトがため息。
ん?と首をかしげて見ると、 サテライトはリーダーを顎で示した。
「見てみろよ、 あれで着いてくやついると思うか?」
リアルドの長は、 強さをリーダーの素質と見て決めたが、 彼は傲慢で自分勝手だ。
他のジーヴスを下に見て指示し自分は動かない。
その証拠に細く戦闘力の無さそうな男性に大きな荷物を持たせ、 よたよたと歩く姿を見て笑っていた。
「スタンピードか、 そんなもん俺にとっちゃ肩慣らし程度なもんだろ」
彼は勘違いをしていた。
出てくる敵が森の洞窟から生まれる通常種だと思い込んでいた。
蟻くらいだろ?厄介なのは
はっはっは!と笑うリーダーにベルライナは眉を寄せて見ている。
そんなわけない、 と。
「そんな簡単なら先人達が壊滅に追い込まれる事なんてないだろ」
「ベルもそう思います」
ただのモンスターでは無いことくらい考えなくても分かるだろう。
なのに、 なぜそう感じれるのかベルライナには不思議だった。
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