[完結]兄さんと僕

くみたろう

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その日の夜

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 帰宅した莉央はやはりここ数日のことがあり疲れて部屋に戻った。
 なんとなく分かっていた事ではあるが、自分がΩになった事にショックを受けている。
 そして、なんでもない状態でも柑橘系の香りに癒されアトマイザーをふりかけたタオルで顔を覆った。
 それは、里美が愛用しているタオルであると分かっていての行為であった。

 自分は兄のような強い‪α‬になるんだと、漠然と思ってきたが、‪α‬は希少種である。
 あまりなる人が居ないので兄弟で‪α‬はあまり聞かない。
 同じくΩも希少種ではあるが、繁殖を中心に考えられる性である為‪α‬のような特別感はない。

「………………でもやっぱり、僕は……」

 体の疲れが出て莉央はタオルを握りしめ深い眠りに陥った。





「やっぱり心配だわ」

「大丈夫だよ」

「いや、貴方がよ!貴方昔から莉央への執着が強いから!」

「………………そんな事ないよ」

「有るから言ってるの!……あの子がΩになったのも今日聞いて納得しちゃったじゃない!」

「うーん、母さんは俺が莉央を番にしたら怒る?」

「………………怒らないわよ、それが‪α‬の貴方の強い執着からくる希望ならね。ただ!莉央が嫌がるのに無理矢理とかは許さないからね!」

「そんな事しないよ、莉央がちゃんと良いって言わないとしない。俺、信用ないなぁ」

「……そんなことないわ。ただ、私はβだからね‪α‬の貴方もΩの莉央も本当の意味ではその大変さを理解してあげられない。でも、私はあなた達の母親だからね。どっちも信用してるわ、幸せになってもらいたいのよ」

「…………うん、ありがとう」  


 居間で話す2人の会話を莉央は顔を真っ赤にして聞いていた。
 両手で顔を覆って俯く莉央、母の言葉も兄の言葉も嬉しかった。
 そう、里美の言葉が嬉しかったのだ。

 そんな自分に動揺する。
 
 「番?番って言った!?」

 小声で呟くと、すりガラスから写った莉央に気付いた母が里美をつつき指をさす。
 2人で顔を見合わせると、母は里美の肩を叩きほら行け!と激励され苦笑しながら莉央の元へ歩いて行った。


「りーお」

「うわぁぁ!!」

「…………聞いてた?……ちょっと部屋に行こうか」

「え!?あ…………」

 腕を優しく捕まれ、入ったのは里美の部屋。
 里美が莉央の部屋に来るのは良くあるが、莉央が里美の部屋に来るのは滅多にない。
 スッキリと片付けられた部屋の中で、座ってと促されたのはベッドで。
 ドキドキしながらふかふかのベッドに座ると、一気に兄の匂いが溢れた気がした。
 ‪α‬の、兄の匂いに莉央はグッ……と体に熱が灯る。

「う……」

「どうした?」

「なんでもない!!」

「………………ふぅん?」

 隣に座った里美は莉央を覗き込むと赤らめた顔で里美を見る。

「…………ふっ」

「なんで笑うの!」 

「や、かわいーなって……緊張してるんだ?」

「し!してない!」  

「そう?」

 くすくすと笑う里美が莉央の背中に触れると、またビクリと跳ねる。
 それを目で確認してから里美は話し出した。

「なぁ、莉央が‪α‬になりたかったんだよね?」

「…………うん」

「Ωはいや?」

「……………………強い‪α‬になりたかった」

「うん」

 最初は純粋な兄への憧れだった。
 兄みたいになりたい強い‪α‬に、そう願ってきた。
 バレないように筋トレしたり、男らしさを磨いたり。
 
 しかし、その努力は虚しく莉央の外見は成長する度に美しく育つのだ。
 そんな莉央の変化を1番近くにいる里美が分からないはずがない。

「……嫌だよ、だって襲われたりもするし…こ、子供だってできるんでしょ?嫌だよそんなの。全部受け身で怖い思いするなんて……僕は兄さんと同じ強い‪α‬になりたかったのに」

「…………強い、かぁ」

「違うの?」

 ベッドに手を着いて見上げる里美を莉央は見つめた。
 均等に着いた筋肉は服の上からでもよく分かり、実の兄だというのに莉央はドキリと胸がなる。

「どうかな、確かに力関係で言えば‪α‬の方が強いけど……でもΩのフェロモンで酔うし、莉央が言ったように‪α‬はΩを襲うね。理性を保てなくて無我夢中で相手を食いつくそうとする……」

 ビクッと震える莉央に里美は落ち着かせるように肩を抱いた。
 恐る恐る里美を見ると、コツン……と頭を合わせてくる。
 兄の暖かな体温を感じてズボンを強く握りしめた。

「ん、ごめん怖がらせた……俺も‪α‬だからわかるんだけどね、Ωのフェロモンは本当凶悪なまでに本能をむき出しにさせるんだよ。だからさ、莉央がΩで心配は心配なんだよ……昨日のあんな姿を見ちゃったら余計に。よく最後まで手を出さなかったと思わない?」

「な!なななな!!」

 笑いながら言う里美に莉央は口をパクパクさせる。
 そんな莉央にまた、ふはっと笑った里美はギュッと抱きしめた。

「もう、本当に可愛い。そんな莉央にさ俺は抗えないくらいの欲を持つわけ。それに抗えない‪α‬が強いのか疑問なんだけどね。実際昨日莉央に好き勝手触ったし」

「や……やめて……」

 顔を覆う莉央にくすくすと笑ってしまう。

「結局はさΩに逆らえないだよ、俺たち‪α‬は。散々‪α‬の方が地位は上だなんだと言っても、俺は莉央には逆らえない。そんなΩは‪α‬を支配してるんじゃないかな……俺の推測だけどね。俺は‪莉央のためなら全てあげてもいいと思っているよ」

「んな!!」
 


 莉央の強い憧れは自分の中に眠るΩとしての欲や服従されたい気持ちが全て兄に向かって居る事を未分化の時にまったく気付いていなかった。
 しかし、ヒートに似た状態の莉央を里美に見られ羞恥と同時にもっと見て欲しい触れて欲しいというΩとしての強い欲求が生まれていたのを身をもって理解してた。
 そしてその相手は実の兄なのだ。

 それを自覚した今、カッ!と体が熱くなった。
 元々じんわりと火照っていた体が奥底が溢れ出るような熱に変わり体が熱い、胸が苦しい。
 ぎゅっ……と服を掴み俯くと、里美は莉央?と呼び顔を覗き込む。
 火照り潤む瞳で見つめられ、里美は困ったように笑った。
  
「…………あー、ヒートに近い状態が急に来るって言ってたね。薬は?どこ?」

「ん…………はぁ、ここ……」

 ポケットにそのまま入れていた薬。
 瓶のそれを取ろうとするが、指先が震えて取り出せずに眉を寄せた。
 ガクガクしだす莉央を支えて横にして、ズボンから薬を出すと足に触れたようでビクリと震えた莉央に里美は熱が灯りそうになり、本当にαは……と呟いた。
 赤い顔で里美に手を伸ばし裾を握る莉央が可愛すぎて里美はシーツを強く握る。
  
「あん!!……あ……あぁ」

「あんまり誘ってくるなって……ほら、薬」

 瓶を開けて錠剤を出し、2錠莉央に渡してくれたが、震えて落としてしまう。
 シーツにコロコロと転がった薬を拾い上げた里美は、莉央にもう一度持たせようとするが緩く首を横に振る。

「りーお。ほら、がんばれ」

「む……むり、震えて……持てな…………兄さん……熱い……」

「………………もー、仕方ないな……後で怒んないでよ……?」

 里美も抑制剤は飲んでいるが、目の前で火照り目元を染め潤む目で見られたらたまったものではない。
 性分化したばかりの不安定な体にはヒートに近い体調の変化の予兆はなく、突然現れたりそれが強く出たりする。
 近くに里美の飲みかけのお茶をひったくり薬を急いで口に含み弟の唇に押し付けた。
 驚き目を見開く目を逸らさず見ながら唇を無理矢理割開き舌を差し込んで薬とお茶をゆっくりと流し込む里美と、必死に食らいつく莉央。

「んっ…んん……」

 莉央は目をぎゅっと閉じると、コクンと喉がなり口の端からお茶が流れ落ちていくが、上顎をさすられ腰が揺れた。
 里美はそれを気にせず口内をくるりと舌先で撫でるとビクンと莉央の体が跳ね里美の服を掴むゆびさき。
薬の形跡は無さそうで、ゆっくりと唇を離すと混じり合っていた唾液が伸びプツリと切れる。

「はぁ……は……兄さ…」

「……薬、ちゃんと飲めた?」

 唇から溢れたお茶を舌で舐め取ると里美は体を起こす。
 まだピクピクと反応している真っ赤な顔の莉央は兄を見上げていた。

「…………りーお、そんな目で見ないの」

「…………どんな目?」

「物欲しそうな目」

 震える体を起こして莉央は里美の服をキュッと掴み、膝に乗り上がってきた。
 そんな莉央を黙って支えると、その大きな手を感じてうっとりする莉央は顔を寄せてきた。

「兄さん、キス……」

「ん?薬を飲ますのに……初めてだった?」

「…………うん」

「…………あー、ごめんね、忘れて忘れて」

「……無理……兄さん……ねぇ、もう1回……もっとしたい」

 潤んだ眼差しで見られ、里美は頭をかいた。
 ぎゅっと握る莉央の手を掴んで顔を合わせる。

「…………誘惑しない、さっきも言ったけどα‬は無理矢理にでも襲うんだよ、しかも俺は莉央を番にしたいんだからその場の雰囲気に流されない」

「……兄さんは無理矢理なんてしないよ」

「いや、俺も‪α‬だからな?莉央からヒートで迫られたら手を出しちゃうから…ほら、離れて。もう時期薬も効いてくるから。そういうのは莉央がちゃんと考えて俺を番にするって決めてからね」

「……やだ、離れないで。離さないで……熱いんだ、どうしようもなく。僕どうなっちゃうの?怖いよ」

「……………大丈夫、すぐ収まるから。ほらー莉央?落ち着いて」

「…………うん、うん…………あ……熱い……にいさ、ん……もっとぎゅってして……」

「………………もーさ、莉央は本当に俺を殺しにくるよね」

「…………ん?……ちゅー?」

「なんでよ、だめ」
 
 ぐいっ……と伸び上がり顔を近づける莉央の頬を抑えるが、莉央はキュッと唇を尖らせる。
 眉下げて困ったなぁ……と呟く里美が莉央の頭を抱えて抱きしめた。

「……なんでぇ?……ちゅーしたい、兄さんちゅーして?」

「…………だから凶悪な可愛さなんだって、莉央ちゃん兄さんを誘惑するのやめようね、薬効いたら絶望するから……こらこらこら、顔上げない顔を寄せない」

「……なんで」

「なんでも」

 はぁはぁ……と熱い息を吐き出して里美にくっつく莉央を抱きしめ「………………あー、抱きてぇ……」と煩悩が零れる。

「………………抱いて、くれる?」

「はい、ダメだよー……ヒート来たら俺我慢出来るかな……」

 今後3ヶ月事にこんな凶悪な程に可愛らしい莉央が全力で誘ってくるのかと思ったら、幸せだが生殺しだと里美は困ってしまう。

「兄さん……」

「はいはい…………莉央ー大好きだからそれ以上くっつくなよー」

「やだ……兄さんちゅーして」  

「…………もー」
 
 この後薬が効いた莉央は顔を真っ赤にして里美を突き飛ばし部屋に逃げ帰った。
 キョトンとしたが次第に笑いだした里美の声を聞きながら莉央は布団を被って真っ赤な顔暴れる。
 バカバカバカ……と言い続けていたのはただの羞恥だと莉央もわかっているのだった。

 無意識とはいえ兄を‪α‬として意識し続けた莉央は、後に自分から項を噛んでと泣いて懇願して、逆に里美の顔を真っ赤にさせ撃沈させるのは、今から3ヶ月後の話。


「………………兄さん、大好きだから…………お願い……あっ…………もっと触って……もっとしてぇ……あっ!んん……お願い……もっと欲しい……兄さんをちょうだい……噛んで?」

「もっ………………だから、莉央……本当にお前はっ……」

「あぁ!!あっ…………嬉しい……兄さん……」

「俺、今後お前には……勝てそうにないよ」
 
「…………え?」

「何でも…………ない!」

「やぁぁぁぁん!兄さ…ん………あっ……だいすき」

 その夜、莉央の項にはしっかりと噛み跡があり、捕まったのは一体どちらだろうかと、可愛らしく喘ぐ莉央を見上げながら里美は笑った。


 
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