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44話 女子会 2
しおりを挟む不機嫌とも違うなんとも形容しがたい顔つきで眉を顰めるミチルに芽依も困惑した。
「ど、どうしたの?」
「レニアスってオドオドして、私に触れるのも戸惑うくらいな人だったんだけど、あの春呼びまつりからなんか……グイグイくる?」
「…………あら、意外ね」
「ところ構わず手を繋いできたり」
シュミットさん、手を……え? だめですか?
「抱きついてきたり」
メディさんぎゅってして。ぎゅっ!はやく!!
「その……キスしようとしたり」
…………喰わせろお餅ぃぃぃぃぃい!!
「お風呂まで! 一緒に入ろうとしてきてっ!」
ハス君お風呂だよー! 行こう? あ、顔が赤い……可愛い私の天使……
「更には!ベッドに入ろうとっ!!」
やだぁぁぁぁぁ!! シュミットさんのベッドでシュミットさん抱っこして寝るのっ! お願い! 私の癒しをとらないで……あっ! ごめんなさいっ! 頭……ギリギリいたたたた!!!
「そのっ! 服の中に……手を……」
ハス君可愛い……可愛いね。
シュミットさん……もう少し、ね? いいですよね?
「……………………ああああああぁぁぁぁ」
全て身に覚えがあると顔を覆ってうなりだした芽依にメロディアはどうしたのよ、とお菓子を食べながら軽く聞いてくる。
「…………なんでもない、どうぞ続き……」
片手でミチルにどうぞしながら黙った芽依に、パピナスだけがクスクスと笑った。
結果的に、伴侶を持つ人外者らしい行動をやっと始めたらしいレニアス。
今まで無かった行動にミチルは驚きどうしたの……と凝視したのだとか。
そんな時に女子会が開催されて激しく動揺していたようだ。絶対聞かれる、と。
「伴侶っていうくらいだから分かるけど……その、みんなシてるの?!」
「んぐぅ!」
むせた。
丁度紅茶を飲んだ瞬間だった為、ゲホゴホと咳き込む芽依の背中を優しく撫でてくれた。
パピナスにありがとう、と言ってから、ミチルを見るとクレープをつつくメロディアがあっさり答えた。
「そりゃ、シてるわよ」
「! し、してるんですね……」
ゴクリ……と喉を鳴らすミチルに頷くメロディア。
「私たち普通に愛し合ってるもの。そりゃーするわよ」
「っ……すごい」
「凄くないわよ。ミチルもレニアスが好きならしていいと思うわよ? まぁ、必ずしないとダメってわけじゃないけど……私はユキヒラに触れたいし、触れられたいもの」
「そっ……そこまで……好きなわけじゃ……一緒にいて今は心地良いけど……うーん」
葛藤するミチルを見ながらクレープを切り分けた芽依をアキーシュカが見る。
「………………メイは?」
「ん?」
「前回はキスまでだったよね? しかもフェンネルはまだだったはず。今はどうなんだい?」
「そもそも監禁中だから常に一緒でしょ? ほらメイ! 吐きなさいよ、誰とナニをしてるの? ん?」
下世話な話を楽しそうにするメロディアにアキーシュカ。
さらには、まだどうしてもメディトークにトキメいてしまうミチルはチラチラと芽依を見る。
「……………………」
「メイ様は今、皆様と蜜月を過ごして……」
「パァァァァピィァァァナァァァィスゥゥゥ!!」
「あら! なによ蜜月?! 楽しんでるんじゃないの!」
「へぇ、誰を食ったんだい?」
「ひぇ! くった?!」
頬杖をついて楽しそうに笑うアキーシュカと、メロディアは獲物を見つけたと楽しそうに見てくる。
「いや……んー……」
「パピナス、知ってる限りでは誰かな?」
「メディトーク様とシュミット様です。あと、入浴はハストゥーレ様とされていますので、その時に触れ合い程度はあるのではと……」
「きゃぁぁぁぁぁぁあ!! パピナスゥゥゥウウ!!」
ガタン! と立ち上がり叫ぶと、バタバタと足音がなる。
「メイちゃん?!」
「ご主人様……いかがしましたか?!」
慌てて飛び込んできた2人の天使に芽依は頭を抱えたくなるが、アキーシュカとメロディアはハストゥーレを見る。
「…………ふぅん? 私は何だかんだ最後かと思ってたけど」
「いや、キスの時も最後はフェンネルだったし…押しが弱いのかな? 興味が無いとかはないだろうし」
「気にはなるけど……ハストゥーレが自分から芽依に手を出すかしら。それならメイから触った方が納得出来るわよね……ああ、メイが襲った?」
「…………え、え?」
言われている内容が分かったハストゥーレは一気に顔を真っ赤にさせた。
それを見たフェンネルが、え? とハストゥーレと芽依を見比べる。
「まって、え? それって……え?! ねぇ、また僕仲間はずれなの?! メイちゃん?!」
「えっ?! い……いや……」
「………………ご主人様……」
「はーい、出ていきなさい男子! 女子会に来ない!」
メロディアによって追い出される2人。
戸惑いながらも叫ぶ2人に芽依は、小さく謝っていた。
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