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第二章:セントクレア郊外・少女憑依事件録
※2-19
しおりを挟む「っん!……はっ、まっ……て、くださ……じぇ……いく……」
祓霊庁について、祓い師が集まる事務所内は誰もいない。
担当の夜勤者はここに居ないからだ。
夜の帳が落りて、静まり返る室内の中、二人の荒い息遣いが響く。
壁に押し付けられているセラフィエルは、足の間に膝を割り入れられて体を固定されていた。
ジェイクから見たら小さなセラフィエルは、覆い被さるように襲われている。
唇を何度も食まれ、舐められる。
呼吸をする為に開いた唇を舌が割って入り、くちゃりと音を鳴らせて舌を絡ませると、セラフィエルは切ない声を漏らして生理的な涙を流した。
逃げ惑う舌を追いかけ、絡め取られたセラフィエルは、震えてジェイクの服を握る。
これは、循祈契ではない。
ただの強引な口付けだ。
足が震えて力が入らず、セラフィエルはジェイクの体にまわした震える腕で必死に捕まるが、次第にジェイクの足に座ってしまう。
「っ……ふっ……ぁ……」
循祈契でも熱量を伴い体の芯が熱くなるというのに、今はそれ以上を求める熱にセラフィエルは毎回戸惑う。
「……っ、……くる、し……」
「…………はぁ、足りない」
「ば……か、じゃ……ないです、か! 毎回、煙草が切れる度に口付けてくるの、やめてくださ……いよ!」
「仕方ないだろ、特製祈祷煙草しかない」
「何が、仕方ないですか!口寂しいなら飴でも食べていなさい!」
まだ抱き締められているセラフィエルは、顔を上げさせられてジェイクが近付いてくる。
「ジェイ……っ……も、……ゃ、ん!」
食べる様に口を塞がれ、背中を指先でなぞってくるジェイクにセラフィエルは震える。
こういった行為は初めてではなく、煙草が切れた時は大体襲われる。
口寂しいという意味のわからない理由で、毎回セラフィエルは唇を貪られるのだ。
最初はとても驚いた。
儀式として行う循祈契以外に経験など無かったセラフィエルは暴れたが、簡単に抑え込まれてしまうのだ。
だが不思議と恐怖心がないのは、抑え込む指先が優しくセラフィエルを撫でるからか、抱き締めてくれるからか。
循祈契で触れ合い、体内の循環が悪く洗礼の時間に間に合わずに体を重ねてから、少しずつ口付けに抵抗がなくなっていった。
一般的な関係でないのはセラフィエルだってわかっている。だが、いまさらジェイクがいない日常なんてセラフィエルも望んでいない。
なにより、ジェイクが触れるのは、セラフィエルの体調に必要だから。
衰弱しやすい祈祷師だから、ジェイクは自分のせいだと言い訳をこぼして唇に触れる。
契約によって、セラフィエルの体内の状態を口付け通して知ることが出来るジェイクは、無理にでも定期的に軽い口付けを続けるし、必要ならそれ以上もする。
だから、ジェイクは今セラフィエルを追い詰めて体に触れていた。
その心情は随分と荒れている。
(もっと、セラを見ておくんだった)
体内は神の力によって限界まで負担をかけられ、今すぐにでも崩れ落ちそうになっている。
何度も繰り返した循祈契で体内を循環させ、溜まらないようにしたのだが、それ以上に祈りの負担が強かった。
吐血したのが何よりもわかりやすいサイン。
どうにか繋ぎ止めたが、それでは足りない。
優しく口内を撫でて、力が抜けるセラフィエルの体を支えながら拒否を否定する。
煽られて体が熱くなるセラフィエルの中心の熱が硬く頭を上げだし、足を閉じて隠そうと力を入れるが、どう頑張っても隠せそうにない。
「っ! ゃ……ぁ……」
小さく漏れるセラフィエルの艶やかな声が静かな室内に響いた。 くたりと力が抜けた体はジェイクに寄りかかったまま動けないでいる。
赤らめた顔のセラフィエルはジェイクの胸に頭を擦り付けていて、ジェイクはそのサラサラと指通りの良い髪をなでた。
優しく細められた眼差しは、セラフィエルの心配しかしていない。指先は頭を撫でる時に地肌をさすった。
「っ……ジェイクは、本当に……」
「なんだよ」
ジェイクがこうも強引にしてくるのは一回や二回ではない。そして、その理由もセラフィエルは理解している。
怖らせない為の柔らかな雰囲気も、罪悪感を抱かせないように煙草が無いという見え透いた言い訳も全てはセラフィエルの為のもの。言葉巧みに丸め込んで、その体を絡め取るのは、セラフィエルの体を維持させるため。
「バディっていいよな」
「……なにが、です?」
「この時間まで誰もいない部屋に二人でいても不審がられない」
「何を言ってるんですか、ばかじゃないですか! あなたは、僕の為に身を削りすぎです……」
小さく胸を1度叩いたセラフィエルの頬をひと撫でしたジェイクは、軽く触れるだけの口付けを交わして隙間がないほどに抱きしめた。
「当たり前だろう。お前のためにこの身を捧げる契約をしたんだぞ。今使わないでいつ使うんだよ」
「まって、まってください。これ以上は駄目です。僕は大丈夫ですから」
「駄目」
「駄目じゃな……ぁ……っ……だめ、職場……っ、ですっ」
「わかってる」
「やっ! ……ん、ぁ……んぅ……」
「悪い、家まで帰る時間が惜しい。お前の体が持たない」
抱きしめてキスを繰り返していたジェイクの手が、セラフィエルの立ち上がっている中心を、ズボンの上から優しく撫でた。
「やぁ!」
ズルズルと力が抜けて床に座り込んだセラフィエルのズボンのボタンを外す。
ファスナーを下ろした手をぎゅっと握り首を横に振るセラフィエルの頬に口付けを落とした。
「セラ……少しだけ、触るぞ」
「だ……めで……!!」
ふるりと揺れるセラフィエルの立ち上がったモノを取り出したジェイクにセラフィエルの体が硬直する。
優しく全体を撫でるジェイクの暖かい手が包み込むと、大きな手はセラフィエルを簡単に覆って、快楽に導くため上下にすり上げた。
口元を腕で覆い、漏れ出る声を抑えながら体を捻ると、先端を指先で押されて思わずジェイクに手を伸ばした。
「最後まではしないから、気持ちいいのだけ受け入れろ」
「っ、嘘で……すっ! そう言って、いつも……ぁっ……ん! 」
低く響く甘ったるいジェイクの声が耳朶に響いて体が震えた。
赤らめた顔をジェイクに擦り寄せて、快楽を逃がすように小さく何度も呼吸を続ける。
「あ……あ……やぁ、あ!っ……だめぇ!」
先端に息を吹きかけられて、ビクリと体が跳ねた。 視覚が不自由なので、何をされるかが分からず、気づいたら体を好きに触られているのだ。
舌先がねっとりと先端を舐め上げる。 不思議と甘い味がするセラフィエルのこの場所は全く嫌悪感がないと舐めるたびに感心した。
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